朝倉海を中心としたバンタム級トーナメント2回戦に注目の集まる「Yogibo presents RIZIN.30」(9月19日、さいたスーパーアリーナ)。だがトーナメント以外に発表されたスペシャルワンマッチ6試合も、実力が拮抗した勝負論ある激突、期待のニューカマー参戦といずれも楽しみなカードが並ぶ。各試合の見どころを紹介していく。

パワーファイター藤野が王者・浜崎を襲う


▼RIZIN 女子MMAルール:5分 3R(49.0kg)
浜崎朱加
vs.
藤野恵実

両者は2012年12月に対戦し浜崎が判定勝ち。今回9年越しでの再戦となる。

藤野は04年にデビューしたベテランファイター。09年にはシュートボクシングに参戦し立ち技ルールでRENAと対戦した経験も持つ(藤野のTKO負け)。

18年からパンクラスを主戦場にすると海外強豪を相手に激闘を展開。19年12月に女子ストロー級(52.2kg)暫定王者となり、後に正規王者の王座返上を受け藤野が正規王者となった。浜崎に対し本来は階級上であることに加え、藤野は鍛え上げたフィジカルにその強みを持つ選手。技量の高さで他の追随を許さない浜崎だが、体格と圧力で上回る藤野は「下の階級で闘ってきた浜崎選手と上の階級でやってきた私とではいろんな差があると思うので、そこをしっかり見せて完封したい」と意気込む。

一方、浜崎は19年末のタイトルマッチでベルトを失ったものの、その後は前澤智、山本美憂、浅倉カンナと寄せつけず3連勝。王座も取り戻し、改めての盤石ぶりを見せている。今回もパワーで分があると見られる藤野に「しっかり一本・KOで完全決着します」と差を見せての勝利を約束する。

試合は49㎏のスーパーアトム級、藤野にとっては未知の階級となるが計量をクリアすれば大幅にリカバリーし、浜崎をパワーと体格差で襲うのが予想される。RIZIN女子の絶対的存在を藤野が女子離れしたパワーで揺るがすか、あるいは浜崎がそれでも揺るがない盤石ぶりを示すのか。

日本人ライト級最強決定戦:武田光司vs.矢地祐介


▼RIZIN MMAルール:5分 3R(71.0kg)
武田光司
vs.
矢地祐介

6月にホベルト・サトシ・ソウザが一大旋風を巻き起こし王者となったライト級では、その新王者への挑戦者を争うかの一戦が決定した。武田は修斗王者の川名TENCHO雄生、パンクラス王者の久米鷹介と2連勝。自身もDEEP現役王者で、国内王者とのサバイバルマッチを制し、RIZINライト級日本人戦線において頭一つリードした立ち位置にいる。

一方、矢地は昨年サトシに完敗、大原樹里にスプリット判定負けと崖っぷちに追い込まれたが、名参謀・八隅孝平を得て6月に川名を破り復活勝利。再び上昇気流に乗った。

国内王者狩りを掲げる矢地にとって、修斗とパンクラスの王者を直接対決で降している武田は願ってもない相手。ここで武田を食えば王者狩りを短縮して完結、ライト級挑戦者争いにおいてもトップグループ入りすることとなる。

しかし、一方の武田にとっても矢地は日本人ライト級で最後に残された相手ともいえ、今回勝てばその評価を確実なものとする。

川名戦で見せたインサイドワークを再び見せ矢地がライト級の序列を塗り替えるか、あるいは「黒さは強さ」と公言するRIZINの日焼け王・武田がお祭り男の目論見を砕くのか。

立ち技から初参戦、久保優太&鈴木千裕


▼RIZIN MMAルール:5分 3R(66.0kg)
太田忍
vs.
久保優太


▼RIZIN MMAルール:5分 3R(66.0kg)
昇侍
vs.
鈴木千裕

鬼が出るか仏が出るか、予測不能が故に期待渦巻くニューカマーによる2試合。

久保はK-1 WORLD GP初代ウェルター級王者として日本人無敗のジョーダン・ピケオーを破って20年6月にK-1引退を表明。ボクシングへの転向を発表していたが、今回RIZINへの電撃参戦、MMAデビューが決定した。

立ち技時代から高いテクニックと格闘IQで知られてきた久保はMMAにいかなるアジャストを見せるのか。

対する太田は王者を量産するパラエストラ柏の所属となり、五輪銀メダリストからMMAファイターへさらに一皮むけて初白星を目指す。

組み技vs.打撃、両者異種格闘技然とした試合となるのか、あるいはスイングしたMMAを見せるのか。

鈴木はMMAでデビューしパンクラスの新人トーナメント、ネオブラッド・トーナメント(フライ級)で優勝を飾るもその後キックボクシングへ転向。“クレイジーダイヤモンド”の異名を持つ剛腕を振るって4連続KOを上げ、今年7月のKNOCK OUTでも国内屈指の強豪・宮越慶二郎に嵐のラッシュを見舞って秒殺KOに沈め、「キックとMMAの二刀流を目指す」と宣言し、今回大舞台RIZINへの出撃が決まった。

MMA挑戦は3年ぶり。そんな鈴木に用意されたのは誰が相手でも真っ向勝負のアグレッシブファイター昇侍。“クレイジーダイヤモンド”に対しても引かない戦いが予想される。二刀流の夢が花開くのか、それとも立ちはだかる昇侍が厳しい現実を突きつけるのか。

RIZIN初の女子キックまっちにぱんちゃん璃奈登場


▼RIZIN キックボクシングルール:3分 3R(46.5kg)
ぱんちゃん璃奈
vs.
百花


▼RIZIN MMAルール:5分 3R(66.0kg)
佐々木憂流迦
vs.
堀江圭功

RIZIN初の女子キックボクシングマッチに抜擢されたのはぱんちゃん璃奈と百花。ぱんちゃんはデビュー以来無敗で進み、自らの手でRIZIN出場を実現させた。百花は40戦を超す戦績を持つ経験豊富なベテランファイターだが、かつてRIZINにキックマッチを定着させた那須川天心のように、ぱんちゃんにとっては試合内容でRIZINファンを納得させることができるかの勝負ともなる。

これまでバンタム級で戦ってきた佐々木憂流迦はフェザー級に階級転向、新たな戦いをスタートする。だが、安易に門出を飾れるイージーな試合は用意されず、相手は3月の名古屋大会で強さを見せRIZINデビューを果たした堀江圭功。

憂流迦のRIZINフェザー級デビュー戦であり、同時に朝倉未来が敗れ風雲急を告げる同階級の今後を占う一戦となる。勝者は存在をアピールしジャンプアップ、敗者は大きく後退を余儀なくされる一戦。サバイバルの掛かるシビアな戦いだ。

RIZINは今後も10月2日(土)に配信のみの新大会「RIZIN LANDMARK vol.1」、10月24日(日)に「Yogibo presents RIZIN.31」(ぴあアリーナMM)、さらにナンバーシリーズをもう1大会年内に準備しており、大晦日へ加速していく。新機軸も打ち出し、大会ごとに加熱するRIZINから目が離せない。