ギターをこよなく愛するギタリスト・野村義男が、沢山の仲間を呼んでおなかいっぱいの内容でお送りする対談形式のコラム。おかわり24杯目は、35周年を迎え初の世界デビューとなる新アルバム『SHOWDOWN』をリリースしたばかりの、日本ガールズ・メタルの女帝SHOW-YAから寺田恵子が登場。

野村:今回のゲストは寺田恵子さんに来ていただきました。ありがとうございます!

寺田:久しぶり〜。

野村:前に会った福島のイベントはいつだったっけ?

寺田:去年の秋ぐらい、9月だったかな。それ以来だよね。

野村:僕あの時に抗体検査ってやつを初めてやったんだよね。これ何やってんの?血抜くの〜?みたいな。

寺田:そうだよね(笑)。

野村:僕なんか言葉も馴染みなかったから、恵子姉さんは早いなと思って感心した。

寺田:たまたまだけどね。うちの社長が検査する会社の方とお知り合いになって、それでじゃあやろうって。ほら、調べないと安心して活動出来ないじゃん。歌う時はマスク外すからさ、イベントやったりライブやったりする時にはスタッフとメンバー、あともしイベントやるとしたらイベント参加者全員。今年の4月に『NAONのYAON』を無観客でやったんだけど、その時は300人分検査した。

野村:あぁそっか。スタイリストさんとかメイクさんとかも入れたら凄い数になるもんね。

寺田:そうそう。やっぱ関係者全員を検査しないと、一緒に演奏したり同じ空間にいられないから結局300人以上になって。そのICheckって検査の会社が検査キットを提供してくれたんだけど。

野村:そうやってきちっとしてると、ライブとか演奏してても安心だもんね。

寺田:そうだね。やっぱりさ、この人大丈夫かしら?とか思うとさ、呼吸するのも嫌になっちゃうじゃんと思って(笑)。今感染者が全然減らないというか、むしろ増えてるからさ。もう活動を自粛するってよりは、定期的に検査して陰性だった人は活動すれば良いと思っちゃってる人なのよ。

野村:そこは間違ってないと思うな。

寺田:だから今検査キットのストックが結構あるね。仕事の時は事務所がメンバーとか用に全部用意してくれるんだけど、自分で買ったりもするし。基本的に自分が動く時とかは、朝検査をしてからって決めてるから。

野村:ちゃんと気にしてるってのが、本当にえらいよね。

寺田:だってもし自分が感染しちゃったりとかしたらさ、バンドの活動が出来ないわけじゃない?やっぱり自分がいない状態でコンサートやりましょうって話にはならないから。そうなると、メンバー含め色々な人に迷惑かかるし。もし誰かと一緒にいたらその人も濃厚接触者になっちゃうしと思って。だから、検査体制が一般的に出来る前からずっとやってるよね。

寺田恵子

寺田恵子

野村:とは言え、実際コロナ禍になってから一時はライブとかも出来なくなったとは思うけど。SHOW-YAとしてなのか恵子姉さんとしてなのか、その辺どうだったんですか?

寺田:自粛というか、ステイホームだったじゃない?その時は料理作ったりしたかな。まぁ料理作ってるのはいつもやってる事だから、そんなに特別なことじゃないんだけど、一応何個か動画を撮ったんだよね。

野村:それ何かに上げたりしてないの?

寺田:今日誕生日なんですよ(笑)。

野村:今日!? おめでとうございます! えー、調べてくれば良かった。

寺田:ありがとうございます(笑)。それで、今日の5時に1回目の動画はアップしようと思ってて。YouTubeチャンネルをやろうかなって、SHOW-YAのYouTubeチャンネルはあるんだけど、個人でやってる事ってSHOW-YAではアップ出来ないからさ。ソロのライブとか、料理してるみたいなアホくさいのを。

野村:いや、それ見たいな〜。

寺田:でも笑っちゃうよね。一応ちゃんとしなきゃって事で上はきちんとしてるのに、 下はパジャマだったりするから(笑)。

野村:パジャマは映ってないでしょ?

寺田:映ってる。

野村:映ってんの!? それはファンの人も見たいでしょ。

寺田:パジャマ出しとか書いてもらったりとかして、そういうのアップしていこうかなってちょっと思ってて。それを定期的にやると負担になるから、ソロの時のライブ映像とか残ってるやつを時々アップしたりとかしていこうかなとか思ってるんだけど。あとは、検査出来る体制が整ったから、メンバーで無観客の配信ライブやったりとか、自分1人で生配信やったりとか。

野村:じゃあ今やることなくてさって事じゃなく、ずっと動いてるね。

寺田:ツイキャスの生配信も、弾き語りでSHOW-YAとソロ曲を全曲制覇みたいな感じでやってるから大変だよね。

野村:それネタが尽きないでしょ?

寺田:ネタが尽きないというよりも、弾けねぇしみたいな(笑)。自分が弾いて歌ってアルバム作ったわけじゃないから、すっごいめんどくさいコードとかもいっぱいあって、無理無理無理とか。

野村:でも結構ギター弾けるから、それやってたらどんどん上手くなるんじゃないの?

寺田:でもここ1カ月やってないね。やってもいいんだけどさ、今なかなか難しい曲ばっかり残ってきてんだよね。

野村:そっか、出来る所からいっちゃったから?

寺田:そうそう、今半分ぐらいかな。全部で250ぐらい内の100以上はもうやった。RIDER CHIPSで一緒にやった曲とかもリストに入ってるからやんなきゃいけないんだよ(笑)。

野村:出来るよ! 「Gravitation」とかね、あれ僕作った曲だから簡単ですよ。

寺田:歌詞とか曲とか思い出さなきゃいけないし、それにコードもつけなきゃいけないとかって思って。だからね今はちょっとお休みしてんのかな。最初のうちは楽しかったんだけど、ちょっとくたびれたかも(笑)。

野村:いやいや、全曲制覇の話もそうかもしれないけど、恵子姉さんの時間の使い方は聞いてて楽しそうです。ちゃんと時間を全部有効に使ってるって感じがして。

寺田:そうだね、無駄にはしたくないかな。

野村義男

野村義男

野村:そんなSHOW-YAがなんと世界デビューということで、8月30日に日本先行販売でニューアルバム『SHOWDOWN』をリリース。今さら世界デビュー?っていうぐらい世界で皆知ってるじゃないですか。それを改めてSHOW-YA世界デビューですなんて言い方って。

寺田:そうなんだけど。26とか27歳ぐらいの時に1回SHOW-YAで世界デビューというか、アメリカに行こうって話があって、それで皆が向こうでデビューしたいってずっと願ってたのね。なんだけど夢の途中で私がリタイアしちゃったから、その夢が断ち切れちゃったんだよね。そんな状態だったんだけど、今回ワードレコーズさんから世界でデビューしませんかっていう話を持ってきたのよ。

野村:なんだろうね。コロナ禍とかのタイミングもあったのかな?

寺田:それがコロナ禍の前なの。だからレコーディング自体2年前に終わってたんだけど、去年リリース予定だったのがコロナで延びちゃったんだよね。それで、私は1回リタイアしちゃってるのもあるから、今さら世界っていうのがやっぱりあるわけ。

野村:いやいや、そういう事なんだとしたら、逆に出ないともったいないって。かっこ良いんだから。

寺田:だから自分の中では今普通に日本で音楽一生懸命やってるし、YouTubeもあるから別にわざわざ世界デビューってやんなくても、向こうで探してもらおうと思うえば出来ちゃう。だから今更っと思ったんだけど、やっぱりメンバーの中では世界に行きたいってメンバーも何人かいるのは分かってたし、ちょっと覚悟を決めるのに1回メンバーでミーティングしようって言ってミーティングして。それで、行きたい!やっぱり世界を目指したい!って話があったから、じゃぁやりましょうかって事になって。今さらだけど、今さらじゃない自分のその27歳の時の思いをそっくりここに持ってこようと思って、日本語でもよかったんだけど、敢えて全曲英語で。

野村:元々出るはずだったのはいつだったの?

寺田:去年の8月に出す予定だったの。

野村:じゃあ1年越しの夢っていうね、日本のファンの人たちも聞きたいわけだから。

寺田:そうだよね。ちょっと英語で頑張りまーす!とかって言っちゃったからさ、英語に聞こえてくれたら良いなって思う。一応レコーディングの前に英会話に行って発音の練習とかは結構やったんだけど(笑)。

野村:実際レコーディングの現場とかも?

寺田:教えてもらってたローラって女の人がいて、彼女に来てもらって毎回毎回チェックしてもらってた。じゃないと誰も英語しゃべれない人で判断がつかないから。あとは出来上がった歌詞に音通りが悪い言葉とかがあったりする時があるから、そしたらその歌詞をほかの言葉に言い換えられないかなっていうのをやってもらったりとかしたんだけど、気持ち良く歌った時に限っておしいとか言われた(笑)。わかる、この気持ち?

寺田恵子

寺田恵子

野村:わかる!今の最高テイクなのにってやつね。

寺田:最高のテイクだったのにあの1か所がみたいな。

野村:あるよね(笑)。それで、初回限定版にはCDとDVDが付いてるという事で。DVDの中にはミュージックビデオも収録されております。ドイツのメタルシンガーの人と一緒にやってるんだよね? どうしてそういう話になったんですか?

寺田:ドロ・ペッシュね。今回は若井(望)くんに全面的にプロデュースしてもらって、世界に向けたアルバムを作ろうって事にしたから、楽曲とかも世界というかヨーロッパを意識してたんだよね。そういうのもあって、彼がドロと寺田さんを一緒に歌わせたら面白いんじゃないかなって言いだしてそうなったの。

野村:単純に聞いてみたかったんじゃないの?

寺田:だと思うんだけど。私はドロの歌を聞いたときにやべぇと思って、すんごいハスキーでホントにロック歌ってまーすみたいな。もう普段しゃべる声もガラガラなんだろうなっていうぐらいそういう声だったから。一応こっちもね、ロック界ハードロック界のクイーン的な感じで君臨してるイメージがあるじゃない?SHOW-YAって。だから下手なことできないと思って、全部プレッシャーで。

野村:でもすごい刺激になるよね、そういうのね。

寺田:そうだね。今までSHOW-YAのレコーディングってほぼ笹路(正徳)さんがプロデュースで、笹路さんはSHOW-YAを分かった上で、SHOW-YAの為に世界を壊さないやり方をしてくれてたのね。でも今回はその殻を打ち破る為の新しいプロデューサーだから、そういう部分ではほんとに色んなことがチャレンジだったよ。

野村:じゃぁ、もうなんかいろんな扉が開いちゃってる感じがするなぁ。

寺田:そうだね、こんなの絶対無理でしょっていうような事もやったし。1番はメンバーのレコーディングがバラバラだったこと。1人ずつ録ったのはもちろん、レコーディングの前にリハーサルもやらなかったし。

野村:プリプロ的なものもなかったの?

寺田:プリプロもなく、レコーディングもそれぞれが何をやったのかも知らされず。だから正解がないまま歌いだしてたよね(笑)。

野村:それはそういう形の狙いでやったのか、コロナ禍のせいでそうなったのか。

寺田:いや、コロナ禍の前だから狙いでやったんだけど。それはそれで新鮮というよりも最初の内はやっぱ不安が大きくて。

野村:だって全部出来上がるまで答えが見えないんだもんね。

寺田:そう。で、出来上がったのを聞いて、あぁこんなことやってるとかって。結果面白かったんだけど(笑)。

野村義男

野村義男

野村:是非皆さん聞いていただきたいと思いますけど。コロナ対応が世界的にどんどん普通になっていったらさ、外国にも行けるようになるわけだから、その時にはそのままSHOW-YAは世界にバーンみたいに飛び出しますね。そうなったら向こうのフェスとかでは相当モテモテになるんじゃないかな。

寺田:いやー、どうだろうね。そこをすごく不安って訳じゃないんだけど、考えてみたら若い女の子バンドって世界にバンバン出て行ってるのね。皆やっぱり上手いし、可愛いし、若いしでしょ?良いものがいっぱい揃ってるわけ。

野村:SHOW-YAだってあるじゃない!

寺田:演奏とか技術の問題は置いといて、今日私誕生日で58歳になるわけじゃないか。今年中にベースと、ドラムも58歳になって、ギターのsun(五十嵐sun-go美貴)ちゃんも59歳になるわけで。キャプテン(中村美紀)は還暦超えちゃってるからね。で、来年sunちゃんが還暦、再来年私とさと(仙波さとみ)とmittan(角田mittan美喜)が還暦を迎えるのよね。アラ還バンドが世界でどうみられるんだろうとか思って(笑)

野村:いや、かっこ良いんじゃない? しかも、皆そういう風に見えないじゃん。

寺田:だから、なんだろうな。可愛いでもなく、キャッキャしてるわけでもなく、かといってヘヴィーメタルという形ではなく、こういう年だけとってるみたいなバンドがどうやって世界から思われるんだろって(笑)。ストーンズとかさ、男のバンドはおじいちゃんバンドみたいなのいっぱいあるけどさ、女のバンドってそういうのはないから。

野村:だって世界に例がないもん。ヨーロッパだろうがアメリカだろうが相当気にされるでしょ?なんか凄いフェスとかでぶちかまして欲しいな。ちなみにSHOW-YAってデビューからは何年なんですか?

寺田:今36年目に入るのか。

野村:バンド自体がギネスでしょ? 女子のバンドって長くやらないってのが基本だから。

寺田:うん、オリジナルメンバーでいったらね。メンバーチェンジして活動してる人たちはいるんだけど、オリジナルメンバーでやってるのは世界で多分SHOW-YAだけ。

野村:だよね。だから行きましょう、今から羽ばたくとかっこ良いすよ! 日本のバンドであるっていうのが逆に誇りです。

寺田:ありがとうございます。恥じないように頑張ります!

野村:ほんと素敵なバンドでございますので。まずは世界に出るSHOW-YAを支えるのが日本のファンたちであるから、日本先行発売のアルバムを聴いていただいて、世界の皆さんの耳に届かせると。

寺田:これがSHOW-YAの生きざまなんで。それを受け取ってください。

野村:素敵! ということで、今回は寺田恵子さんをお迎えいたしました。ありがとうございました!

寺田:ありがとうございました!

撮影=大橋祐希

野村義男 / 寺田恵子

野村義男 / 寺田恵子