MANKAI STAGE『A3!』から春・夏・秋・冬の4つの組別にリリースされるオリジナルアルバム。第3弾は秋組の MANKAI STAGE『A3!』Autumn Troupe コスモス≒カオス だ。春組・夏組同様にアルバム用の新曲と原作アプリゲームの楽曲カバーが収録された本作は、秋組らしさが詰まったROCKな1枚! 12月には収録曲が披露されるライブ MANKAI STAGE『A3!』Troupe LIVE〜AUTUMN 2021〜 の開催も決定。本日は摂津万里役の水江建太、兵頭十座役の中村太郎、伏見 臣役の稲垣成弥、古市左京役の藤田 玲の4人が集結(七尾太一役の赤澤遼太郎からのメッセージもあり!)。ライブに向けて士気を高めつつ、熱い全曲解説を行ってくれた。

ーーそれでは秋組メンバーによる全曲解説、始めましょう。M1『Always be myself』。初っ端からテンションの上がるこれぞ秋組! な、ロックナンバーです。

水江:秋組単独公演のメインテーマ『スパイラル エモーション』を最初に聴いた時もカッコよくて鳥肌モンだったんですけど、それに引けを取らない“次のテーマソング”ができたなぁっていうか……また秋組のカッコ良さを伝えられる曲が歌えて幸せでしたね。「ガツン!」ってイメージで、とても好きな曲です。

水江建太

水江建太

藤田:タイトルからしてすごい秋組っぽいし、自分を貫いている秋組の荒々しさも表現されてるなって思いました。あと、すごく踊りやすそうな曲だなって……あ、僕たちが踊れるかどうかは別にしてね。

水江・中村:(笑)。

稲垣:曲として踊り“が”つけやすそうってことで(笑)。

藤田:そうそうそう。

ーーグルーヴィーなラップパートもあり。

藤田:これまでらしさがありつつ、僕ららしい新たなジャンルも入ってきてるサウンド。エーステでラップが入ってくるとしたら秋組だよなぁって、そこも納得でしたね。

中村:『スパイラル エモーション』は公演のストーリーに絡めたお芝居寄りの歌詞だったので“単独の歌”って印象がありましたけど、これはラップもそうだし、やっぱり“ライブのための”秋組の歌だなぁって印象が強い。僕らも『スパエモ』とはまた違ったベクトルで盛り上がれるし、みんなも絶対盛りがると思うな。

稲垣:初めて聴いた時「あ〜、これこそ秋組だ!」と思いました。冒頭の入りもそうだし、バックの演奏もすごくカッコよくて……僕も『スパイラル エモーション』に通じるカッコよさを感じました。今までの経験上、ステージだと「ここはこんな感じで歌うのかな」とか「ダンス映えするシーンになりそうだな」とか想像がつくので、新しい曲をライブで披露するのがすごく楽しみ。「よし、頑張ろっ」って、ワクワクしています。

ーーギター唸るアウトロからハードでラウドなM2『oneXone』へ。この流れのノンストップ感もカッコいい!

水江:『oneXone』は秋組単独公演の東京凱旋公演のアンコールでサビのラスト部分を歌わせてもらったんですけど、それをフルで歌えるなんてめちゃくちゃ光栄だし、テンション上がりました。自分自身今までずっと聴いてきた曲。この曲を聴いて秋組ファンになっちゃったくらいに思い入れ強かったからなぁ。みなさんに聴いてもらいたい一曲ですね。

稲垣:僕自身はゲームでずっとあった曲なので、それをどうやって歌おうかって……。

藤田:声優さんたちが歌ってるからね。

稲垣:そう。やっぱりちょっとプレッシャーを感じたりはしましたけど、それを自分たちはどう見せられるのかなって楽しみに変えて歌いました。

水江:わかる。でも自分は「エーステの秋組も強いぞ」って勢いで結構オラオラな感じで(笑)、歌わせてもらってますね。原作に対するリスペクトは変わらずに強いからこそ、「僕たちも引けを取らないパフォーマンスを」っていう強気で。

中村:秋組単独公演で歌った時は最初に3人が「♪Never lie to〜」って英語のフレーズを歌って、そこから僕ら(万里と十座)が「♪Are you ready?」 って言って始まるんですけど、あれ、3人ズルいなぁ、カッコいいよなぁってずっと思ってて(笑)。

中村太郎

中村太郎

藤田:今回みんなでやったでしょ?

中村:そうなんです! まずはそれが嬉しかった(笑)。だってあの時、最初に玲くんが「♪Never lie〜」って口にしたらなんか客席が「地割れっ!?」ってくらいにものすごい反応して、なんなら僕らの「♪Are you ready?」聴いてないんじゃないかってくらいざわめいてたのが、忘れられないです。ノイズっていうか、音声加工もカッコいいし、男っぽいしね。やっぱりそうだよなぁ、カッコいいもんなぁって。なのでずっとやってみたかったので満足。

水江・稲垣・藤田:(笑)。

中村:カッコよくし過ぎてもらっちゃって、出来上がった音源聴いた時にどれが自分の声かわからなかったんですけどね(笑)。

藤田:やっぱり根本には声優のみなさんが歌っている『oneXone』があって、そこにエーステでしかできない表現……例えば僕個人のことで言うと『スパイラルエモーション』の時に「♪yeah〜!!」って左京さんが叫んだんですよね。で、「左京さんシャウトいけるんだな」っていうのが一個確立されたのもエーステならではだったし、キャラクターにもひとつ厚みが足せた。そういうのを経ての今回の『oneXone』僕らバージョン、今までの積み重ねがあることによって「エーステだったらこう歌うよね」という説得力を持たせられる曲になりました。

ーーヴォーカリストとしての5人の声の魅力もここで再確認しました。渇いた色気の万里、音量大&漢気の十座、若くまっすぐな太一、重低音の響き逞しい臣、大人の爽やかさを湛えた左京。個性とバランスが絶妙です。

藤田:ありがとうございます。ただ……建太が言うように「いけるぜ!」って気分でレコーディングはちょっと気合いが入りまして、思い切りシャウトしてみたら、「他とのバランスがアレだからもうちょっと押さえてもらっていいかな」って言われちゃいました。

水江・中村・稲垣:(爆笑)。

藤田:なんかもうデス声みたいに、グオォォーってなっちゃってた(笑)。

稲垣:あ、でも僕は現場で玲くんのヴォーカルを「こんな感じで」って聴かせてもらって、「あ、わかりました」って感じでやってましたよ。

中村:玲くんをお手本に、みたいなことだよね。

稲垣:そう、お手本。僕にとっての生きるデモ音源(笑)。すごくわかりやすいんです。

稲垣成弥

稲垣成弥

藤田:なるほど(笑)。

ーーレコーディングは基本、一人ずつ別々ですし。

中村:だから全員揃ったところで聴くのがすごく嬉しい。みんなの声がわかって、「5人で秋組だなぁ」って思えるから。

水江:うん、そうだよね。

ーー楽曲からも互いに高め、支え合う気持ちが伝わってきます。続くM3はスケール感の大きさで引き込んでいく『We are the AUTUMN』。万里→十座→太一→臣→左京→万里とリレー形式でお互いを紹介していくナンバー。派手なサウンドにシンプルな歌という構成で、ソロのダンスも楽しめそうですね。

藤田:そう。しっかり一人ずつ4×8(フォーエイト)空いてる(笑)。

中村:僕も数えました。

稲垣:数えた!

水江:うん。ちゃんと空いてましたね。

藤田:で、「あ〜、ここは長めの踊りだぞ」って。

水江・中村・稲垣:(笑)。

藤田:レコーディングはどうだった?

中村:恥ずかしかったですね、最初は。

藤田:ちょうど僕の後に太郎だったから歌入れを見てたんだけど、スタッフさんに「どれくらい十座でやればいいですか?」って、すごく恥ずかしげに質問してて。めっちゃ可愛いじゃんって思った(笑)。

藤田 玲

藤田 玲

中村:いや、あの曲なんか自分を見失っちゃって……結構(クリエイターの)Yuさんとも相談しながらやりましたね。一番緊張したかも(笑)。そもそもあのセリフ、十座的にちょっとテレますし、さらに最後に「た〜いちっ!」でしょ。最終的にはカッコいいんだけど、今までああいうのなかったから難しかった〜。万里の「兵頭」は「そうそう。こういうことだよね」って思って、あと、左京さんのあれ、めっちゃかっこよかったですよ!!! 「摂津」。

稲垣:そう、かっこよかった〜。

水江:ホントに! 僕も120点の「摂津」だと思いましたもん。も〜、納得。でも自分も秋組が紹介し合うのって新鮮だったんで、太郎ほどじゃないけどそこは恥ずかしさを超えてもう思いっきり勢いでやったんですけど……それも含め、全体としてちょっと可愛いですよね。ここにいる僕ら(笑)。

藤田:わかる。可愛い(笑)。

中村:本人だと平気だけど、役になると恥ずかしいんですよ。秋組はそういうチームじゃないから。

水江:うん。なので本番もね、陰でそういう照れ隠し、“勢いでやっちゃう感”を出せたらいいよね。ほんとは仲いいんでしょって。

稲垣:お互いの名前呼びで言うと、臣はいつも「左京さん」って呼んでるんですけどここでは「左京」って言っていて……その理由づけが歌詞の横にちゃんと注意書きされてたんです。歌詞カードの「左京」の後に括弧書きで「この歌を歌うにあたっては左京さんが臣に“左京でいいよ”と言ってくれてる」って。なのでこれは許可を得ての「左京」です。

中村:あ、自分の「兵頭」は……。

水江:僕が「兵頭で」って言った。「十座」は言わないよなって思ったし。

中村:だよね。

藤田:臣はさ、実は秋組第二回公演『異邦人』の時にも「左京」って言ってるじゃん。

(上段左から)稲垣成弥、藤田 玲(下段左から)中村太郎、水江建太

(上段左から)稲垣成弥、藤田 玲(下段左から)中村太郎、水江建太

稲垣:言ってます。でもあの時は左京さんちょっと不服そうな顔で応えてたけど(笑)、今回はちゃんと許可得てますから全然大丈夫。これ、そういう関係性もちゃんと考えて一個の紹介曲になってるんですよね。秋組としての絆ありきの紹介リレー。いいよね。

ーー3曲続けて5人が歌うパワフルな秋組の勢いを浴びたところで、ちょっとクールダウン。M4『Muse』は万里のソロ。独り語りが切なく響く温もり宿る一曲です。

水江:万里のソロ曲って初めてなんで楽しみにしてたんですけど、「そうきたか!」って感じ。ゲームや舞台での今までの曲や万里のキャラから考えると、結構オラオラでいくのかなぁってイメージが勝手にあったんだけど、いざデモを聴いたらちょっとしっとりな万里の人生観を語る曲で……。今まで立たせていただいた全部の公演含め、ちゃんと自分の思い出も振り返りながらレコーディングしました。割と僕の中では感情入れて歌ってますね。

ーー監督への……お客様への「ありがとう」の曲でもあるのかな、と感じました。春・夏・秋通じてその目線での曲は初めてな気がしますし、それを万里が担うというころもまた思いがけない嬉しいタイミングで。

水江:「♪ありがとなMuse」。レコーディングでも「ミューズって音楽の神様だから」という話をして……僕にとってそれは仲間だったり支えてくれた人だったり監督ちゃんだったり……っていう気持ちを込めて、愛を込めて歌ってます。

ーー絶妙のタイミングで十座が介入してきますけどね。

中村:いや、だから、ライブでは僕は存在したくないんですよ! 万里が歌うと十座が出てくるっていうイメージが定着しすぎちゃうし……若干気まずいでしょ(笑)。めちゃくちゃ素敵な歌だし。

水江・稲垣・藤田:(笑)。

中村:なんなら最初「これ、僕いります⁇」って思ったもん。

水江:いやいや。やっぱりあの回想は……十座は万里にとって絶対的に必要な存在なんで、ソロ曲といえど、出てくるんですよ。やっぱり十座が。

稲垣:もう普通にカッコいい曲だよね。サビに入るところの盛り上がり方なんて「ヤッバ!」って鳥肌立っちゃったし。デモも聴いてたんですけど、実際建太が歌ってるのがデモのイメージと全然違って「こんな表現、あるの〜っ!?」って。素晴らしかったし、感動しました。

水江:うわ〜、嬉しいな♪

藤田:アルバム全体を見た時に歌自体の雰囲気もそうだし、建太が歌うソロとしてもいいポジションだなぁって思った。ポン、ポン、ポンッて「秋組〜!」って曲が続いてたところに秋組の核となる人が……この曲だもん。すごくオシャレだし、「やっぱ万里だよね」って、なるもんなぁ。

中村・稲垣:(頷く)。

水江:いやぁ……嬉しいなぁ。さっきからずっと嬉しい。嬉しいです。

水江建太

水江建太

ーーソロの後はペア曲パートへ。M5『朝焼けの空へ』は十座&臣のナンバー。90年代J-POPテイストで、メロディに身をゆだねたくなる優しい曲ですね。

稲垣:臣の過去と照らし合わせながらの十座との関係性から生まれている曲だなぁって、すごく感じています。十座と会う前の臣から十座と出会ってからの臣。そこにあるお互いの関係がすごくここに乗っかってて……。「ありがとな」って言葉もその一言にもう複合的に全部が込められていますし。

ーー“時間”を歌っているようでもある。

稲垣:“時間”、そして“今の「この気持ち」”……言葉であまりうまく表現できないんですけど、日常生活の中で感じる大切な思いを自然に歌ってるので、素直に感情移入できました。十座に対する素直な気持ちも感じたりしながら……うん、歌ってて、じわじわと力が湧いてくるように思いました。

中村:今まで十座と臣さんって悔しいとか諦めたくないとか「その時」の心情を歌うことが多くて、あまり「この先へ進んで行こうよ」って歌は歌って来なくて。だから成弥くんも言う通り、こうして自分たちの日常が綴られる、お互いが素直な状態でいる、たまたま話の流れで二人で一緒にいる「今」が歌になっているっていうところは新鮮。この関係、ナチュラルでいいよなって思いますよね。

ーー甘いモノの話なんかもしながら、なんでもない瞬間の中でこそわかる繋がり、今まであまり見えてなかった二人の関係が自然にお客様にも伝わっていく。

中村:はい。だから大切にちゃんと歌わないとなって思ってます。

水江:僕は完成した形で初めてこの曲を聞かせてもらったのでこの二人がペアなんだっていうのもそこで知って、歌詞も割と日常的なモノを感じて、これって多分みんなが見たかったヤツじゃないかなって。僕もあまり想像がつかない意外な関係性が発見できたし、いい曲だなぁと思いました。

藤田:僕と太一もそうなんですけど、「ああこの二人は日常の組み合わせなんだなぁ」っていう自然な説得力のある感じ。ペア曲は約3分間に込められた、愛すべき景色の歌ですよね。

中村:レコーディングでは「アルバムの流れで言うと万里の歌と僕らの歌が一休みしながら聴けるポイントだから、丁寧に歌ってほしい」っていうアドバイスもあって、そこもしっかり守りました。あとはもう……ほんとゴリゴリなんで(笑)。

中村太郎

中村太郎

稲垣:僕らの温もりを伝えたいです。

ーーペアのもう一曲は太一&左京のM6『オリジナルファイヤー』。こちらはしっかりゴリゴリ、イントロはヘドバンしてもいいなってくらい再びロックの世界です。

藤田:これはですね……色々ありましたけど、基本的にはモテたくて演劇を始めた太一が「カッコ良さを手に入れるまでのお話」じゃないかな。シャウトとか歌い方の確立された左京さんに太一が「それ教えてください!」って言う“だけ”の歌なんですよ。

ーー歌詞もシンプルですよね。

藤田:すっごいシンプル。もう……「♪wow wow wow wow」言うだけ、みたいな(笑)。逆に左京さんってそんな「♪wow wow wow wow」言う人じゃないのに、多分太一が求めてるからこその部分を出してあげてる、アンサーソングでもありますね。

ーー他のペアソングはリビングだったり、買い物帰りだったり、学校だったりと身近なシチュエーションが浮かぶんですが、この曲は……。

藤田:稽古場ですね。多分左京さんが練習してるのを見かけて「あー、かっこいいッス。教えてくださいッス!」ってやってるイメージ。今回たまたまレコーディング期間に遼太郎と同じ別現場に入ってたんですけど、あいつ、いつもこの曲を流しながら控え室に来て「玲さん、玲さんっ。練習しましょう!」って。で、全然違う共演者のいる中で「こうやったほうがかっこいいよね」とか、二人でこの歌を練習するという展開。

水江:まんまじゃないですか!

中村:オモロ〜。

稲垣:じゃあ歌入れもホントそのままの心持ちでやれたんですね。

稲垣成弥

稲垣成弥

藤田:(ニコニコ)。

水江:いやぁ……そのエピソードもすごい容易に想像できるし、ホントにいつもの二人と歌とがすごいリンクしてるし、らしい曲だよなぁ。十座と臣とはまた違う彼らの日常が詰まってますよね。どっちのペアも組んだ意味が伝わってくるいい曲。

ーー太一がヴォーカルスタイルをしっかり寄せてきてましたよね。いつもよりもワイルドというか。

藤田:練習しました。

中村:あー、やっぱり! 音聴いてるだけでもわかるんですよ、遼太郎が必死に喰らいついているのが(笑)。僕らは遼太郎がすごく頑張るのも知ってるし、多分ああいう表現を器用にすぐできるタイプでもない。その健気さも込みで役者とキャラクターがリンクしてるし、玲くんと遼太郎のことがとても愛おしいなって感じちゃいます。すごく。

稲垣:練習してる二人、目に浮かぶなぁ。

藤田:でもね、本人的にはまだまだいきたかったらしいよ。十分素敵なんだけど本人的に理想があったんだろうね。レコーディング後に「いやぁ、玲さん。プロに言うのもアレっすけど、上手いっすね。自分は不甲斐ないっす」って。可愛いんですよ。

水江:リアクション最っ高。それも台詞で入れて欲しかったなぁ(笑)。

藤田:ホントに聴くとわかるけど、今回遼太郎すごい歌い方変えてきてて……ちょっと息多めの歌い方から“当たる”歌い方を覚えたというか。

水江:うん、うん、わかります。

藤田:すっごい練習して、できるようになった。そのおかげでアップテンポだと太一の元気の良さがより発揮できるヴォーカルになってて、大成功、でしたね。頑張りたい! って、なんでも盗もうとする子だから、じゃあそれやろう、練習しようって。

藤田 玲

藤田 玲

水江:うわぁ、素晴らしいなぁ。

中村:左京さんと玲くんって、もう最初からずっと秋組の中でのあり方がリンクしてここまで来てるから……。太一とのこの関係もエーステの左京さんが前面に出てる玲くんにしかできない左京さん、玲くんが歌うからこそ意味が生まれてくる歌だと思います。

稲垣:なんかもう全部その通りの歌! エピソードも全部わかる! いつもの太一だけど歌の表現はいつもの太一じゃない、太一の中の幅が広がってるんだよね。カッコいいし可愛くもあるし、いろんなものが詰まってるから、ライブでも盛り上がるんじゃないかなぁって思って聴きました。

ーーそしてアルバムはもうひと展開、劇中劇のハイライトが詰まったM7『新生秋組公演曲 MANKAI STAGE Short Ver.メドレー』へ突入。最初は『なんて素敵にピカレスク』より『一夜限りの相棒』ルチアーノ(万里)&ランスキー(十座)。これがエーステ秋組の始まりであり、監督さんたちの心をしっかり捉えた記念すべき旗揚げ公演のナンバー。ウッドベースの響きがギャングの世界を彩ります。

水江:久しぶりに歌いましたね〜。

中村:歌ったねぇ〜。

水江:太郎が言いたかったあのセリフをね、とうとう……言えました。

中村:「行くぞ」「はぁ? うっせえ指図すんな」。

水江:いつか言えるかなって言ってたそこから始まって最後までいけたんで、ね。

中村:うん、もう間違いないです。これは。

水江:いいですよね、この曲。僕は一回歌わせていただいてるからこそ、今回自由に歌えたなぁって感じだった。

中村:僕もレコーディングで初めて歌ったパートも初めて聴いた感覚がなくて……自分の声はさておき、建太の歌がなんかもうしっくりきてたからさ。

水江:あー、うん、その感じちょっとわかるわ。

中村:あと、MANKAI STAGE『A3!』〜Four Seasons LIVE 2020〜で他のキャストがこの曲を歌ってるのを見て、建太と「もう一回、僕らでやりたいよね」って言ってたので……。

水江:言ってた。

中村:こうして久しぶりにステージ上で建太とこの歌をやれるのが嬉しいです。

水江:嬉しい。ありがたい。

(上段左から)稲垣成弥、藤田 玲(下段左から)中村太郎、水江建太

(上段左から)稲垣成弥、藤田 玲(下段左から)中村太郎、水江建太

ーー公演当時、『ピカレスク』はみなさん相当苦心しながらダンスを集中稽古していた、とおっしゃっていましたね。

藤田:でもさ、今考えるとアレは……“ただの始まり”だったんだよね。

中村:そう。入り口、入り口。

水江・稲垣:(笑)。

藤田:だからあの頃の自分たちに言いたいよ。「覚悟しとけよ」って。

稲垣:「なめんなよ」って。

水江:ハハハッ(笑)。

ーー続く『Just For Myself』は第二回公演『異邦人』より、ヴォルフ(臣)&ゼロ(太一)のナンバーです。荒廃した近未来の世界で出会う流れ者と記憶喪失の少女の物語。

稲垣:『異邦人』はもうほんっとにみんなに支えてもらった演目だったので……臣としても稲垣成弥としてももの凄く思い入れがある曲。遼太郎ともたくさん話し合いましたし、もう色々詰まりすぎて──言葉にするなら“想い”。もうここにはそれしかないですね。

ーー臣のシャウトと太一のハイトーンのコンビネーションもスリリングな聴き応えがあり、メタルロック調のヘヴィなサウンドにも心が掻き立てられて……もう、じっとしていられない感じ。

稲垣:劇中劇のイメージが全部ここにあるっていうくらい、グッと入り込んでレコーディングしました。またこの世界を表現できるのが嬉しかったし。ライブでもさらに新しい表現でできればいいなと思っているので……僕はまた玲くんに歌を教えてもらうぞって今から決めてます(笑)。

藤田:この曲、声優さんが歌ってるほうもバチクソかっこいいんだよね。すごく上手いし。だから今回二人がどの方向でいくのかなって楽しみにしてたんですけど、さっき成弥が「ステージの左京さん」って言ってくれたように、これはステージの臣のヴォルフとステージの太一のゼロになってるなって感じたので、聴けば聴くほど思いっきり僕らの公演の追体験ができちゃいます。

水江:僕も音源聴いてやっぱりあらためて秋組単独公演のことも思い出しましたし、頑張ってた臣と太一を思い返して……音だけでもうパッションがバチバチに伝わってきますよね。最初に聴いた時、「うわ、かっけえなぁ」って、体が熱くなりました。『ピカレスク』からここへのめちゃかっこいい流れと熱量! メドレーの展開もおしゃれです。

水江建太

水江建太

中村:めちゃくちゃかっこいいナンバーですし、主演の成弥くんが大切にしてた公演だったって僕らもすっごく知ってるし。だからこそ役者としてはもう1回やりたいことでもあり、やりたくないことでもあるっていう複雑な気持ちが……自分もそうですけど、やっぱりそれもありつつでもみんなでもう一度舞台でってなると、嬉しさが勝つ。今から気合が入りますよね。

藤田:これ、ハモりたいなぁ。影コーラスでいいから。

中村:うーん。玲さんの声はすぐバレるから、ダメです!

水江・稲垣・藤田:(笑)。

ーーメドレーの締めは『任侠伝・流れ者銀二』。風間銀二(左京)&龍田 謙(十座)の『BUZAMA』はまさに秋組にしかできない“任侠モノ”の世界です。昭和歌謡テイストも心憎い、男たちのロマン。

藤田:左京さんの根本とリンクしている曲なので、僕はすごく楽に歌えました。太郎がどう歌ってくるかもわかるのでね、レコーディングは今回初めて歌うフレーズ部分も含め、二人で歌うのを想像しながらつるっと気持ちよくいけた。一緒に歌ってはいないけど歌ってたなって思えるくらい、安心感があって。「念のため」ということでもう一度録って、確かその2回で終えました。

水江:すごいナチュラルに歌えたんですね。

藤田:そうそう。それくらいスルッと左京さんが入っている歌でもあるんだと思ってます。

中村:僕も……十座としても個人としても左京さんを……玲くんをとても信頼してるし、あの時、あの公演自体が「左京さんがいてくれなきゃダメなんだよ」っていう信頼感ありきの公演だったので、僕はこの曲を玲くんと一緒に歌わせてもらうたびに信頼を覚えるんですよね。だから僕も全くストレスなく、なにも気にせず、もっともナチュラルに歌わせてもらいました。最悪僕がミスっても玲くんがなんとかしてくれるだろうというのも込みで(笑)。

中村太郎

中村太郎

水江・稲垣・藤田:(笑)。

稲垣:僕にとっては「やってんな、左京さん」って思わせてくれる曲。(公演のクライマックスでもあった左京の)百人斬りはあの時臣も初めて見たんだと思うけど、彼にとっても多分すごい光景で……学ぶことがたくさんあったと思うんです。それを稽古場から玲さんは僕たちに向けてやってくれてたから、自分も物凄く刺激を受けてきた。その全部がここに入っています。なので歌を聴いた時もその時のことがバンバンフラッシュバックするし、「やってんな、玲さん」って思わせてもらえるんですよね。しびれます。

水江:思い出を振り返る前に、まず一番最初に聴いた時の印象は「ウマッ!」てなりました。ひたすら歌が上手い。これはもう歌唱力の暴力だよぉ〜って、シンプルに聴き入っちゃって……。

藤田:ハハハッ(笑)。

水江:この曲を歌い上げる玲さんの上手さ、そして太郎もちゃんとその玲さんのレベルに追いついて二人でデュエットしてる姿。かっこいいなぁと思います。これはほんと、みなさんにもしみじみと聴いていただきたい。役とのリンクも含め、ほんとにもう……もう……。

稲垣:カッコいいよね。

ーー濃密な劇中劇メドレー。その強烈な余韻を突き破ってのエンディングは、5人で歌うM8『MANKAI☆開花宣言』。パッとスポットライトが当たるような華麗な場面転換です!

藤田:この曲、舞台で歌ったことあるのって秋組では僕だけなんですよ。SPRING & SUMMER 2018の時に。

水江:そうなんですよね。実は僕らは初めてです。

藤田:で、 「♪君とパッパッとパッとパッとね」の手振りが「なにこれ!?」ってくらいもう……脳トレみたいになってて(笑)、しかもこれ、途中で合わなくなったりもしちゃうんですよ〜。でも振付の(梅棒・伊藤)今人さんが「いや、この曲は代表曲だから毎回やるし」っておっしゃってたので練習してたのに……今まで一回もやらなかった! なんだそれ!

水江・中村・稲垣:(笑)。

藤田:話が違う(笑)。

中村:ぼくも最初の公演の稽古入ったとき、「これ絶対くるな」って思って一番最初に教えてもらいましたよ。……来なかったですけど(笑)。

ーーここで念願の伏線回収ですね。5人揃ってのパフォーマンスはかなり新鮮な手応えがあったのでは?

稲垣:新鮮でしたね。この曲はずーっと聴き続けてましたけど、今までは自分たちが歌うっていう感覚がなかったので「あ、やるんだ!」って思ったし、こうしてみんなで歌ったことで初めて「自分たちの曲でもあるんだな」って、気持ちが昇華した感じです。

稲垣成弥

稲垣成弥

水江:作品にとっての代表曲で自分もずっと聴いてきた素敵な曲だからね。せっかく歌わせてもらえるなら……と、思いっきり“らしく”歌ったつもりです。

中村:ゲームの中でもBGMで流れているくらいほんとに作品を代表する曲。原曲はリーダー4人で歌ってるのでそれを僕らがどう割り振りして歌っていくのかも楽しみでしたし……そう、だから今回各組それぞれのアルバムでそれぞれに歌っているこの曲はライブでも1番の勝負曲になるというか、組ごとのカラーが最も出せる要の曲になるとも思ってるんです。原作でも組ごとには歌っていないですからね。この曲を美しい、可愛い、明るい、楽しいっていうテイストじゃなく「カッコよく」歌えるのは秋組だけ。逆に秋らしさが一番出る曲なのかもって。

水江:あ〜、確かに!

中村:アレンジも歌詞も同じってところで歌う『MANKAI☆開花宣言』こそ、自分たちの魅力の見せどころですよ。

ーー秋組のカラー、そしてアルバム全体のサウンドの傾向からすると、最後にこの王道が来るのって少し照れ臭いというか、可愛らしくもある世界観を正面から表現する秋組の姿、ちょっとくすぐったくてエモいなぁと思いました。

水江:ああ〜、照れね。うん。

藤田:そうかもね。でもこれでアルバムを締めるのは、やっぱり原作への最大のリスペクトでしょ? ここからゲームに戻っていくっていうか、世界がまた繋がっていくというか。

水江:確かにそう感じさせてくれました。

中村・稲垣:(頷く)。

藤田:そういうことしちゃうクリエイターさん達もさすがだな、エモいなって、思うよね(笑)。

中村・稲垣:(笑)。

水江:おかげで僕はもうすでにみんなの歌を毎日ヘビロテしてますよ。

ーー12月にはライブも開催。“カッコいい担当”の秋組のステージ、期待が膨らみます。

藤田:そうなんだよねぇ。“カッコいい担当”ってさ──大変だよね。だって、カッコ悪かったらもう成立しないんだから(笑)。

藤田 玲

藤田 玲

水江:そこへのプレッシャーは確かにいつもあります。

中村:でも5人で久しぶりにステージに立てるっていうのはとにかく嬉しいですし……。

稲垣:そう。5人でやれば大丈夫でしょって、そこは自信持って言えます。

水江:だね。単独ライブ、秋組ちゃんとかっこいいぞっていうのは、しっかりここでも見せておきたいかな。

藤田:ライブは迫田(田内季宇さん)もいるからね。ダンスも大丈夫です。僕たち教えてもらえるから。

稲垣:わー、完璧だ。

中村:うん、間違いない。

水江:とっきーさん、いつもありがとうございます!

中村・稲垣・藤田:(笑)。

ーーでは最後にアルバムを楽しみつつ、ライブを心待ちにしてくださっているみなさまへ、メッセージをお願いいたします。

藤田:ライブに向けて秋組らしい曲たちが増えました! ということは、とても秋組らしいライブになるのは間違いないです。あとは……本番で十座がフライングするかどうか、ですかね。

中村:え、僕!? 左京さんじゃないんですか?

藤田:ハハハッ(笑)。ま、かっこいい曲と、あとお芝居パートではさらに秋組の日常の様子なんかも見せられる、新しい発見のあるライブにできたらいいなと思います。楽しみにしていてください。

稲垣:久しぶりにまた5人集まりますし、秋組だけっていうステージは絶対かっこいいし、ずっと一緒に過ごしてきた関係性もできてる僕ららしいパフォーマンス、面白さがいっぱいになると思います。もう……いろんなアイデア、いろんなトークが出てくる良いライブになるしかないよね。みなさんには期待以上に楽しみにしてもらって構わないですという自信を持ってお届けします。ちなみに僕はポップアップで登場するかもしれませんし、しないかもしれません。あれ、稽古だけでもいいから一度、やってみたいんだよなぁ(笑)。

水江・中村・藤田:(笑)。

ーーステージ演出がいよいよ予想を超えてきていますよ!

中村:フライングはちょっとわかんないですけど(笑)、僕たち秋組が旗揚げからここまで一作ごとに成長した姿を汲んでくれた曲が多いなぁとひしひし感じるこのアルバムを引っさげてのライブ。久々の5人、役としても僕らとしてもさらにひとつ進んだ関係性をステージ上から存分にお見せできたらいいなと思っています。お楽しみに〜。

水江:AUTUMN & WINTER 2019公演からここまで、エーステの秋組を応援してくださっているお客様もたくさんいらっしゃるでしょうし、ライブ会場にも足を運んでいただけると思うので……そんな監督ちゃんたちにより一層僕ら秋組を好きになってもらえるよう、カッコいい or かっこいい姿を見せようと決めてます。お客様を巻き込んで僕ら自身がすごく楽しめれば、より一層素敵なライブになるんじゃないかな。僕らが5人で積み上げてきたモノ、そしてこの熱量、信じてください。

(左から)稲垣成弥、中村太郎、水江建太、藤田 玲 

(左から)稲垣成弥、中村太郎、水江建太、藤田 玲 

赤澤遼太郎(七尾太一役)よりメッセージ

赤澤遼太郎

赤澤遼太郎

七尾太一役の赤澤遼太郎です。今回は集まれなくてごめんなさい! 自分のいないところでどんな話が繰り広げられてるか気になって仕方がありません(笑)。あまり話題に上がってなくても悲しいし……。このインタビューが掲載される時に、僕も食い入るようにみんなのインタビュー記事を読みたいと思います(笑)。

■アルバム全体への感想
Yuさんがどんどん攻めてきたなって思いました! 各々のキャラクターと演者が上手い具合に融合してる部分を歌詞にしたり、音にしたり。「この5人だからこそ」の一曲一曲ができたと思います。どの曲もライブで盛り上がること間違いなしだし、振り付けもどうなるのか想像が膨らみました!

■好きな曲、おすすめの曲、担当曲について
ペア曲の『オリジナルファイヤー』は歌うパートも多いし、左京にぃ(れーくん)とのデュエットでライブで歌えることも、ものすごく楽しみです。玲くんにはレコーディングの前、別現場で一緒の時につきっきりで練習に付き合ってもらっちゃいました!(笑)。曲のコンセプト自体も「左京にぃの背中を追いかける太一」という感じなので、まさに僕たちの関係性にぴったりだし、太一として左京にぃを少しでもニヤリとさせられるようなライブにしたいなと思っています!

■レコーディングのこぼれ話
第二回公演曲『異邦人』の『Just For Myself』、レコーディングの時にお馴染みの超高音パート「♪苗床の〜」がものすごくうまくいったことですかね(笑)。 公演本番中はロングランなので喉を壊さないように、そして全体のクオリティを優先して半音下げて歌っていたのですが、今回は原曲キーでいくということで。より一層気合い入れて臨みました。録るまではスタッフさんに「いけますかね……」とか話したのですが、いざやってみたら、何も問題なくて(笑)。現場にいた人たちからも「え、なんであんな心配してたの?」とか、逆にびっくりされました(笑)。ライブでも素敵なパフォーマンスにできるように頑張りますܤ

■ファンのみなさまへ
まず、5人集まった姿をお見せできず申し訳ございません。このインタビューを読んでより一層ライブを楽しみにして頂けたら幸いです。ご時世的にコールアンドレスポンスは厳しいかもしれませんが……心の中で声を出してくださいね。本番も一緒に盛り上がれたらいいなって思います!

■ライブに向けて
普段のお芝居の延長として、七尾太一がライブをするということを1番大事に。しっかりと稽古に臨みたいと思います。何卒応援よろしくお願い致します!
 

Hair&MAKE:
鈴木りさ            ※水江建太
GLEAM           ※中村太郎、稲垣成弥
小林麗子(dot)  ※藤田 玲

Stylist:
ホカリキュウ  ※水江建太、中村太郎
手塚陽介    ※稲垣成弥
小田優士    ※藤田 玲
 

取材・文=横澤由香  撮影=池上夢貢