2021年9月25日(土)から11月14日(日)まで、東京アニメセンター in DNP PLAZA SHIBUYAにて、『MAPPA SHOWCASE 10th ANNIVERSARY』が開催中だ。株式会社MAPPAは、アニメ制作会社マッドハウスの取締役社長だった丸山正雄が同社退職後に設立した会社。名作として名高いアニメ映画『この世界の片隅に』(2016年)や、『呪術廻戦』(2020年)、『進撃の巨人 The Final Season』(2020年)といった幾多のヒット作を生み出し、作品の質の高さから、国内のみならず海外のアニメファンからの注目度も高い。以下、2021年で設立10周年を迎えるMAPPAの歴史を伝える本展の見どころを紹介しよう。

年表と7つのテーマで振り返る名作
鑑賞時の感動を追体験できる

本展冒頭では、MAPPAの手掛けた作品が年代順に記載された年表が展示されている。MAPPAはジャンルの幅が非常に広く、男子フィギュアスケートを主題とする『ユーリ!!! on ICE』(2016年)、ゾンビの少女が佐賀でアイドルを目指すという前代未聞のゾンビアイドル系アニメ『ゾンビランドサガ』(2018年)など、個性が強くて傾向も異なるものを次々に生み出し、ヒットさせてきた。

『この世界の片隅に』と『ユーリ!!! on ICE』は同じ年に制作された。MAPPAの手掛けるジャンルの広さに驚嘆する。

『この世界の片隅に』と『ユーリ!!! on ICE』は同じ年に制作された。MAPPAの手掛けるジャンルの広さに驚嘆する。

また、漫画家・吉田秋生の『BANANA FISH』(2018年にアニメ化)や手塚治虫の『どろろ』(2019年)など、原作漫画に多くのファンがいる作品も、コアなファンにも納得と熱狂を引き出す形で見事にアニメへと落とし込んできた。年表を見ていると、そんなMAPPAの技量と創造力が多くの人気作を生み出してきたのだと実感できる。

10年にわたるMAPPAの軌跡がうかがえる年表。記憶に残る名作ばかり。

10年にわたるMAPPAの軌跡がうかがえる年表。記憶に残る名作ばかり。

本展は7つのテーマで構成され、各作品の中からテーマに沿う内容を抜粋して展示している。テーマは「01 ENCOUNTER 出会い」から始まり、「02 SLICE OF LlFE 日常」「03 BREAKDOWN & SORROW 挫折/悲哀」「04 CONFRONTATION & ANGER 衝突/怒り」「05 INSPIRATION & UNITE 奮起/協力」「06 HOPE & HAPPINESS 希望/幸せ」「07 GRATITUDE ありがとう」と続く。

「01 ENCOUNTER 出会い」の展示の一部。

「01 ENCOUNTER 出会い」の展示の一部。

会場全体がまるでストーリーの起承転結を辿るように構成されているので、登場人物とともに日常を楽しみ、挫折や怒りを経験し、仲間と共闘して幸せをつかむ過程や感動を追体験できる。登場人物の熱いセリフも展示されているので、脳裏に名シーンが甦るだろう。

テーマ「07 GRATITUDE ありがとう」の展示の一部。

テーマ「07 GRATITUDE ありがとう」の展示の一部。

名作の原画や中間制作資料などが集結
MAPPAの超絶技巧を示す展示内容

会場では、作画(原画から動画をつくる工程をさす)のレベルの高さに定評のあるMAPPAの原画をたっぷり見ることができる。線や色味など、一枚の紙の中に情熱とこだわりが詰まった原画は、細部に至るまで見ごたえがある。

会場風景

会場風景

会場風景

会場風景

会場風景

会場風景

豊富な資料によって制作現場の過程を知ることができるのも貴重だ。滑らかで迫力に満ちた戦闘シーンに定評のある『呪術廻戦』第24話の戦闘シーンの線撮(原画などの途中段階の絵をつないで動画として編集した映像のこと)や、映像化不可能と言われながらも見事にアニメ化し、背景美術などへの評価も高い異色ダークファンタジー『ドロヘドロ』(2020年)の3DCGに関する説明なども展示されている。

会場風景

会場風景

会場風景

会場風景

その他、『劇場版 牙狼〈GARO〉-DIVINE FLAME-』(2016年)の林祐一郎監督など、作品によっては監督のインタビューなども映像にて展示されているのも嬉しい。各作品の背景などについての解説を聞くと、シーンを思い返して胸が熱くなる。

会場風景

会場風景

巨大スクリーンやフォトスポット、豪華声優陣のサインなど
本展ならではの展示物に興奮

会場奥のスクリーンでは、MAPPAの作品が複数同時上映されている。キャラクターがまるで生きているかのように動き、二次元であるにも関わらず奥行きがあり、土の匂いや水の潤いまでも再現されているかのようなリアルなアニメーションが、ずらりと並んでいるさまは圧巻だ。

巨大スクリーンにMAPPAの名作がずらり。

巨大スクリーンにMAPPAの名作がずらり。

どの映像も流麗でリアル。

どの映像も流麗でリアル。

会場の随所に『呪術廻戦』や『RE-MAIN』(2021年)、『ゾンビランドサガ リベンジ』『進撃の巨人 The Final Season』などのフォトスポットがあるのも嬉しい。

『呪術廻戦』のフォトスポット。

『呪術廻戦』のフォトスポット。

『RE-MAIN』のフォトスポット。

『RE-MAIN』のフォトスポット。

左が『進撃の巨人 The Final Season』、右が『ゾンビランドサガ リベンジ』のフォトスポット。

左が『進撃の巨人 The Final Season』、右が『ゾンビランドサガ リベンジ』のフォトスポット。

出口付近には声優たちのサインが並ぶ。『この世界の片隅に』の北條周作や『BANANA FISH』のフレデリック・オーサーなどを演じた細谷佳正や、『ゾンビランドサガ』の山田たえや『呪術廻戦』の冥冥役を演じた三石琴乃ら、各声優たちからのコメントも。また、各作品の作画監督のイラストも展示されており、アニメーションとは一味違うタッチのキャラクターたちの姿を堪能できる。

声優たちのサインと作画監督たちのイラスト。コメントや筆致に作品への愛があふれている。

声優たちのサインと作画監督たちのイラスト。コメントや筆致に作品への愛があふれている。

物販では、MAPPAの過去作から最新作に至るラインナップで商品が揃っているほか、直近の作品である『呪術廻戦』『進撃の巨人 The Final Season』『ゾンビランドサガ リベンジ』(2021年)『RE-MAIN』の本展描き下ろしのイベントグッズも。『呪術廻戦』のアクリルアートや『進撃の巨人 The Final Season』の缶バッジ、『ゾンビランドサガ リベンジ』のアクリルフィギュアなど、彩り豊かなグッズは要チェックだ。

物販エリア(写真=オフィシャル提供)

物販エリア(写真=オフィシャル提供)

アクリルアート 呪術廻戦

アクリルアート 呪術廻戦

缶バッジコレクション 進撃の巨人 The Final Season(全7種)

缶バッジコレクション 進撃の巨人 The Final Season(全7種)

アクリルフィギュア ゾンビランドサガ リベンジ

アクリルフィギュア ゾンビランドサガ リベンジ

映像化不可能と言われた漫画も見事に再現・再解釈し、コアな原作の漫画のファンも納得させつつ、類を見ないユニークなオリジナル作品をつくりあげるMAPPA。本展の大量のプロダクト資料を見ていると、多くの人を引き込むMAPPAの作品世界には、途方もなく高い技巧や才能、努力が投入されているのだと実感させられる。MAPPAのこれまでの軌跡と、これから生み出されるであろう名作への期待が高まる『MAPPA SHOWCASE 10th ANNIVERSARY』、どうぞお見逃しなく。

文・写真=中野昭子

(C)小玉ユキ・小学館/「坂道のアポロン」製作委員会 (C)残響のテロル製作委員会 (C)Cygames/MAPPA/神撃のバハムート GENESIS
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(C)2015「紅蓮ノ月」 雨宮慶太/東北新社 (C)2016 「DIVINE FLAME」雨宮慶太/東北新社 (C)安田剛士・講談社/「DAYS」製作委員会
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(C)天原・クール教信者・白泉社/「平穏世代の韋駄天達」製作委員会 (C)RE-MAIN Project