Knight A - 騎士A -『The Night』
2021.9.23 横浜アリーナ

オンリーワンであり、ナンバーワン。

ユニットとして二度目のライブにして、横浜アリーナのステージに立ったKnight A - 騎士A -(ナイトエー)。歌やゲーム実況、セリフなど、“声”を武器に活動する6人組である。『The Night』と題した9月23日開催の単独公演は、グループの底力と驚異の進化スピードを示すものとなったように思う。正直言って、圧倒的だった。

ステージ袖で円陣を組んでいるのだろうか、6人の気合い入れのかけ声が客席にまで響いた、開演直前。ただならぬ気概が早速伝わってくる。

オープニングムービーの最後、カウントダウンから、生バンドが奏でる和情緒たっぷりなイントロへ。1曲目は、8月11日にリリースされた1stミニアルバム『The Night』の幕開けを飾る「決戦エンドレス」だ。舞台下からゆっくりとせり上がり、ステージ上段中央に現れた6人。実写MVと同じ凜とした騎士を思わせる衣装をまとい、それぞれの手には扇が。初の実写MV「決戦エンドレス」でダンスにも初挑戦したという6人だが、息もぴったりで指先までしなやかな動きがそうは思わせない。そして、個々に“らしい”色をたたえながらも、重なってみれば絶妙に調和する歌声。ゆきむら。が作詞し、自分を貫いて今を生きていくという覚悟がにじむフレーズに宿る、6人それぞれの本気。ほんの7か月前、豊洲PITで彼らが感じさせた爆発力や無双感が、よりいっそう増しているではないか。

Knight A - 騎士A -

Knight A - 騎士A -

Knight A - 騎士A -

Knight A - 騎士A -

続く「Shall we Dance!!」も、『The Night』に収録のオリジナル曲。挑発的な言葉たちの中に、決めたことはやり通すという強い意志を感じる歌詞は、そうまが手がけたものだ。ステージを右に左に軽やかに動いたり、すれ違いざまにハイタッチをしたり。<一撃で 確実に 仕留めてやるよ>というラストのフレーズにしても、胸を高鳴らせる。グループとして二度目のライブにしてとんでもない大舞台、それでいて堂々と、しかも楽しそうに、生き生きと輝く6人はやはり規格外だ。

コロナ禍にあって収容人数に制限はあるものの、アリーナからスタンド席までメンバーカラーを灯したペンライトが揺れる壮観を前にして、ついに横浜アリーナに立った感動が、言葉となって口からこぼれてしまう6人。勢い余って暴走気味なしゆんとばぁう。「いつも俺ばっかりしゃべってるからいいか」と笑顔を見せるそうま。あくまでマイペースなゆきむら。。ほがらかに見守るてるとくんとまひとくん。。素が見えるトークにおける絶妙なバランスも楽しい。

Knight A - 騎士A -

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「俺たちがノータイトルだったときの曲です」とそうまが前置きしたのは、ステージが鮮烈な赤のライトに染まった「フィクサー」。甘美な世界観をたたえた、ゆきむら。作詞によるオリジナル曲「Daydream」にしても然り、それぞれの艶っぽさが際立つ。

そうま×しゆんはPK対決、てるとくん×まひとくん。は玉入れ対決、ゆきむら。×ばぁうはフリースロー対決、全員でのシャトルラン対決と、実写動画をはさみながら目まぐるしく魅せたのは、コラボレーションパートだ。

まずは、そうま×しゆん。向き合ったり、背中合わせになったり、そうまがしゆんの背中をポンポンしたり。ジャンケンで負けたそうまにしゆんが罰ゲームのセリフを言わせるのかと思いきや、「俺も言いたかった」としゆんが乗っかって、「せーの」で一緒に「愛してるぜ」とオーディエンスに告白した「厨病激発ボーイ」。急接近して<忘れさせて>と歌った「オートファジー」。見どころがありすぎる。

前回の初ライブで念願のコラボを実現させたてるとくん×まひとくん。が歌ったのは、「シル・ヴ・プレジデント」と「メンタルチェンソー」。「メンタルチェンソー」では、視線を交わしながらステージの階段を一緒にのぼる場面も。ほのぼのした2人の世界に、いつまででも浸っていたい。

まるでラスボスのようにステージ上段に舞台下からせり上がって登場したのは、ばぁう×ゆきむら。。強めのビートに歌やラップのかけ合いがとんでもなく映える「劣等上等」。ゆきむら。がばぁうの肩に手をかけたり、背中合わせになったりする姿も、たまらない。独特なオリエンタルテイストも、複雑な曲展開やリズムもものにしてしまっている「踊」といい、一分の隙もない2人である。

Knight A - 騎士A -

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また、前回はそうま×てるとくん×ゆきむら。、ばぁう×まひとくん。×しゆんだった3人コラボは、ばぁう×てるとくん×まひとくん。、しゆん×ゆきむら。×そうまという組み合わせに。

「脳漿炸裂ガール」では、早口マシンガンを炸裂させるいっぽう、<踊りましょう>とばぁうがてるとくんに迫れば、まひとくん。が割って入ろうとしたり。打って変わって優しい声で歌った「おじゃま虫」では、ばぁうとてるとくんがゼロ距離になったり、てるとくんの<好き>、まひとくん。の<大好き>、ばぁうの<超好き>が連なったり。

そんな「おじゃま虫」のあと、「よかったねー!」「好きです」「俺も好きです!」とばぁう×てるとくん×まひとくん。を讃えながら登場したのは、しゆん、ゆきむら。、そうま。「甘々癒される3人に続いては、辛々塩々な3人です」と言って、「ゴーストルール」「ロキ」と中毒性の高いナンバーをたたみかけていく。どんな組み合わせにしたって面白いのが、この6人。ハマったら最後、Knight A - 騎士A -という沼は底なしだ。

Knight A - 騎士A -

Knight A - 騎士A -

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Knight A - 騎士A -

それぞれの感性でチョイスしたのだろうか、「決戦エンドレス」のMVで披露されていたスタイリングver.の衣装にチェンジし、<先の先目指して>進む彼らにぴったりな「Very」ではずみをつけた6人。そこから先は、攻めの姿勢がますます顕著だった。

ステージ前に上がった火柱の向こうに見える6人の姿にしびれた「PLAYER」。スモークやトーチ、映像がゴシック&シアトリカルな世界を演出して、挑発的なセリフも刺激的な「Vampire Knight」。ていねいに、光と影の織り成す物語を繊細に歌で紡いでいった「Answer」。フェイクやビブラート、ファルセットを駆使するだけでなく、ダンスでも彩った「The Night」。EDM、R&B、ヒップホップ、ロック、J-POPを見事に昇華し、Knight A - 騎士A -の貪欲な表現欲、新たな可能性も感じさせたミニアルバム『The Night』の曲たちは、難易度が高い。しかし、6人はステージでも完璧に描ききったのだ。

Knight A - 騎士A -

Knight A - 騎士A -

声を出せない代わりに拍手を続けるオーディエンスの熱意が通じ、再びステージに現れた6人。オフィシャルファンブックの発売、2021年12月に再び横浜アリーナのステージに立つという嬉しい発表をしたあとには、ひとりひとりが想いを言葉にしていった。活動する中での苦悩や葛藤、それでも自分を貫こうとする強い意志、Knight A - 騎士A -のメンバーとしての誇り、リスナーへの感謝。表現者として無比のきらめきを放つ姿も、6人で一緒にいると止まらないジャレ合いトークも、心情を包み隠さずリスナーに伝えてくれるところも、すべてにおいて、純度が高い。だからこそ、Knight A - 騎士A –に心惹かれてしまうのだろう。

ちなみに、『The Night』の最後を飾る「トップシークレット」は、また次の機会に。図らずも、そんな楽しみを残してくれた6人である。

日々進化し続ける6人なだけに、同じ場所であっても、3か月後には装備増強でまたまた驚かせてくれるはず。常に臨戦態勢、行く道を阻もうとするなにかがあるなら立ち向かって、ねじ伏せていく、気高い騎士たち。力強く駆け上がっていくそのさまを追い続けたいと思う。

文=杉江優花