新日本プロレスの永田裕志が、地元・千葉県東金市に帰ってくる! 11月28日(日)の東金アリーナ大会は、永田恒例の凱旋興行であり、プロデュース興行10回目の記念大会。また、今年はワールドタッグリーグ戦の一環としての開催にもなっている。それだけに、これまでの記念試合、お祭りムードから一転、今回は勝敗重視の勝負に方向転換。新日本の現在進行形の闘いが、そのままパッケージとして東金にやってくることとなる。

そもそも、新日本の選手が個人プロデュースの大会をおこなうことじたいが非常に珍しい。これもアマレス時代から始まる彼の知名度と地元愛のなせる業。永田は2007年に第1回大会を開催し、前回にあたる19年9月8日には自身の“レスリング生活35周年”としておこなった。一昨年、東金でのプロデュース大会は8回目で、2011年8月の後楽園ホール大会を含めると永田プロデュース大会は9回目だった。そのときから記念すべき第10回大会を予告していたのだが、新型コロナウイルスの影響により開催不可能となってしまったのである。しかしながら、今年は感染対策をしっかり施したうえで実現が可能に。2年ぶりの開催は、新日本ファン、地元ファンにとって実にうれしいニュースとなった。

92年に新日本に入門しデビューした永田は、今年がプロレスデビューから29年。つまり、来年が30周年の大きな節目となるだけに、今回にかける意気込みは昨年の悔しさも重なり相当なものだろう。だからこそ、ワールドタッグリーグ公式戦がここで組まれる意味合いも大きいと思うのだ。11・28東金では永田の試合をメインに、以下のカードが組まれている。

新日本プロレス「WORLD TAG LEAGUE2021 & BEST OF SUPER Jr.28」
★11月28日(日)千葉・東金アリーナ(16:00)

⑦公式リーグ戦(30分1本勝負)
永田裕志&タイガーマスク vs 鈴木みのる&TAKAみちのく

⑥公式リーグ戦(30分1本勝負)
タイチ&ザック・セイバーJr vs タマ・トンガ&タンガ・ロア

⑤公式リーグ戦(30分1本勝負)
後藤洋央紀&YOSHI−HASHI vs EVIL&高橋裕二郎

④公式リーグ戦(30分1本勝負)
棚橋弘至&矢野通 vs グレート−O−カーン&アーロン・ヘナーレ

③公式リーグ戦(30分1本勝負)
内藤哲也&SANADA vs バッドラック・ファレ&チェーズ・オーエンズ

②公式リーグ戦(30分1本勝負)
真壁刀義&本間朋晃 vs 天山広吉&小島聡

①10分1本勝負
中島佑斗 vs 藤田晃生

※シリーズでは「WORLD TAG LEAGUE2021」と「BEST OF SUPER Jr.28」の公式戦が交互におこなわれており、今大会は「WORLD TAG LEAGUE2021」。「BEST OF SUPER Jr.28」の試合はおこなわれない。

メインには永田&タイガーマスク組vs鈴木みのる&TAKAみちのく組という、リーグ戦屈指の好カードが組まれている。

永田は今シリーズ、パートナーにあえてジュニアヘビー級のタイガーを指名した。タイガーは10・26後楽園においてロビー・イーグルスとのコンビでIWGPジュニアタッグ王座を奪取したばかり。タイガーは約3年ぶりの同王座挑戦で、実に9年3カ月ぶりの戴冠だった。しかも昨年は病気による長期欠場をしいられており、待望のタイトル戦線復帰でもあった。本来ならスーパージュニアにエントリーされてしかるべきところをあえて永田はタイガーに声をかけた。階級の差こそあれ、永田、タイガーともベテランの域に達して久しい。まだまだ若い選手には負けないとの気概を見せるべく、両者が手を組んだと考えていいだろう。

しかしながらリーグ戦が始まると、11・23川崎まで白星なしの4連敗。天山広吉&小島聡組、タマ・トンガ&タンガ・ロア組、棚橋弘至&矢野通組、後藤洋央紀&YOSHI−HASHI組から黒星を喫している。正直、優勝戦線に残ることは難しいと言わざるを得ない。が、地元・東金で片眼を開け、残りのリーグ戦を駆け抜けることは可能だろう。実際、永田はこのタッグに手応えを感じている。11・14後楽園での初戦から「タイガーとのタッグは間違っていなかった」と確信。ヘビー級のパワーとジュニアの機動力がうまい具合に噛み合い、意思疎通もしっかりとできているのである。が、永田が川崎でコメントしたように「勝ち星(だけ)が取れない」現実。永田はスーパージュニアを蹴ってまで組んでくれたタイガーを「男にする」と約束すると同時に、「星ひとつ取れないまま東金大会に上陸しなきゃいけないなんて市民のみなさんに申し訳ない」と責任も感じている。東金を含め残り7戦、永田は「あきらめない」と力を込めた。地元凱旋で、このタッグのすべてを披露するつもりでいる。

とはいうものの、永田組の相手は鈴木軍の鈴木&TAKA組とあって一筋縄ではいかないだろう。同い年の永田と鈴木は高校のアマレス時代からいがみ合う間柄で、両者の因縁は燃え尽きることがない。

07年、13年には(1・4)東京ドームの大舞台で一騎打ちをおこない、前者では鈴木が当時保持していた全日本の三冠ヘビー級王座を懸け激突。6年後のドームでは永田がバックドロップホールドで雪辱を果たした。また、昨年はコロナ禍に見舞われながらも一騎打ちを2度おこなっており、6・17と7・31で1勝1敗。いつなんどき闘っても激しい果し合い必至のカードが東金でも見られることとなる。

さらに、お互いのパートナーであるタイガーとTAKAはみちのくプロレス時代からしのぎを削ってきた関係。二つのライバル闘争が一度に実現するのも、今大会の大きな見どころとなるだろう。しかもTAKAは今シリーズ、鈴木とのタッグで2年半ぶりの新日本マット生還。リーグ戦以降も新日本の流れに食い込んでくることが予想されるだけに、彼らの動向は常に注目しなければならない。

さらに、星取りにおいてもこの試合は両軍にとって大切なカードである。というのも、両チームとも開幕から4連敗であとがない崖っぷち状態。鈴木&TAKA組が久しぶりの合体で、本調子はこれからということか。だからこそ、5戦目となる両軍はこの試合で勝って今後のために勢いをつけなければならないだろう。ライバル同士のぶつかり合いだけに、なおさら負けられない一戦だ。

ほか、タイチ&ザック・セイバーJr組vsタマ・トンガ&タンガ・ロア組、後藤洋央紀&YOSHI−HASHI組vsEVIL&高橋裕二郎組、棚橋弘至&矢野通組vsグレート−O−カーン&アーロン・ヘナーレ組、内藤哲也&SANADA組vsバッドラック・ファレ&チェーズ・オーエンズ組、真壁刀義&本間朋晃組vs天山広吉&小島聡組が公式リーグ戦として組まれている。

11・23川崎終了時点で“前IWGPタッグ王者”内藤&SANADA組が負けなしの4連勝(8点)でトップ。それを3勝1敗(6点)の棚橋&矢野組、後藤&YOSHI組、“現IWGPタッグ王者”タイチ&ザック組、オーカーン&ヘナーレ組、“前年度覇者”タマ&タンガ組、ファレ&オーエンズ組が追いかける混戦模様。ここに、中島佑斗vs藤田晃生のヤングライオン対決も組まれている。

現在進行形の新日本において、かつて「ミスターIWGP」と呼ばれた永田が現在も違和感なくメインを締める。しかもお祭りムードよりも闘いを前面に押し出してのカードである。第三世代と言われる永田、天山、小島はまだまだバリバリの現役だが、2年前の東金大会で永田と組んだ中西学も引退しリングを降りた。獣神サンダー・ライガーも引退し、新日本マットでは第三世代が生え抜きのキャリア最長世代となっている。同世代が少なくなっていく現実とともに、この世代の底力は新日本の強さの歴史を物語っていると言っていい。メイン終了後、永田は2年分の「ゼアッ!」を地元で叫ぶことができるのか? プロレス生活30年目に向けて走り出す永田裕志、その雄姿を見逃すな!

(著者:イープラスプロレス班)