SPICE編集部が今気になるオーディオ機器などに焦点を当てて紹介する連載「Audio Checks」第一回は、音響メーカーの老舗、JBLのヘッドホン「JBL CLUB ONE ハイブリッド ノイズキャンセリング ヘッドホン」を、LOVE PSYCHEDELICOのNAOKI(Gt)がレビューという企画をお届けします。19年には、LOVE PSYCHEDELICOのアコースティック・ツアーのためにカスタム・スピーカーを作ったことが話題になったが、ミュージシャンとしてのみならず、サウンド・プロデューサー、およびレコーディング・エンジニアとしても辣腕をふるっている彼は近年、映画館の劇場音響も担当。そんな音のプロフェッショナルであるNAOKIだけにLOVE PSYCHEDELICOのプライベート・スタジオ、Golden Grapefruit Recording Studioで行われた今回のインタビューはヘッドホンのレビューはもちろん、彼ならではの音に対するこだわりや深い造詣にもおよぶ貴重なものとなった。

――今回、NAOKIさんにレビューしていただきたいJBL CLUB ONEを含めたJBL CLUBシリーズというヘッドホンは、EDM系のDJやファンに合わせたチューニングになっているそうです。

じゃあ、早速、レコードを聴いてみましょう。本当は、みなさんとビートルズを聴きたいところなんですけど、モノ(の音源)を聴いてもね(笑)。わかりやすいところで、ドナルド・フェイゲンの『ナイトフライ』がいいんじゃないかな。

――スティーリー・ダンのメンバーだったドナルド・フェイゲンが82年にリリースした1stソロアルバムですね。ジャケットに「QUIEX II Limited Pressing Edition」というステッカーが貼ってありますが。

これ、すごくレアな盤なんです。当時、ラジオ局に配るプロモ盤だけは、ラジオで良い音でかけて欲しいというドナルド本人の意向で、市販のものよりもクオリティの高い工程でプレスしたんですよ。『ナイトフライ』はその後、リマスター盤がいろいろ出ているんだけど、スティーリー・ダンのマニアの間では、これが一番、音が良いと言われているんです。僕はマニアではないですけど。

――1曲目の「I.G.Y.」をスピーカーで流しながら、ヘッドホンでも試聴していただきましたが、実際に使ってみていかがですか?

そうですね。このヘッドホンの魅力をお話する前に、まずヘッドホンに対する僕の考え方をお話させていただきますね。音にまつわる芸術って最初にモノがあって、ステレオがあって、サラウンドがあって。映像ではそこにVRが加わって、というふうに段々、楽しみ方が広がってきましたよね。モノからステレオになった時も、みんなびっくりしたと思うんですけど、エンターテインメントとして考えたとき、疑似的にリアルな体験ができるって楽しいことじゃないですか。音のメディアってそういう発展のしかたをしてきたと思うんです。

僕らの世代で言うと、80年代にウォークマンのブームがあって、それまでスピーカーで聴いていた音楽をヘッドホンやイヤホンで聴くということを、みんながやりだした。

ここで一つ理解しておきたいのは、ヘッドホンを装着した時の左右のパンは、音楽製作者が現場でスピーカーでミックスしたパンよりも左右が誇張されているということです。

例えば実際の日常空間のスピーカーの前でL100に振り切って右から全く音の鳴ってない「Lスピーカーからの音」も、人間は右の耳も使って両耳で聞き分け、「左側から鳴っている」と判断しますよね。

これがヘッドホンを装着すると、左耳からだけ音が聞こえるという非日常体験が出来る。このある種インタラクティブな体験が一気に身近になったのがあの80年代のウォークマンブームであって、あの時はそれが一般の人にとって最先端のエンターテイメントだったんだと思います。

――現在では、むしろヘッドホンやイヤホンで聴くことが普通になっていますね。

利便性も勿論あるけど、ここまで浸透したのはやっぱりスピーカーで聴く以上のステレオ感を味わえるある種、疑似体験だからだと思うんですよ。つまり、その音楽の作り手が作った通りの音を聴くんだったら、LとR、2つのスピーカーを目の前に置いて、三角形の真ん中で聴くのが一番良いと思うんですけど、ヘッドホンを使うと――作り手はミックスするとき、感情的なことも含め、L-Rのパンをしていると思うんだけど、その感情がより誇張されて聴こえる驚きが、たぶん80年代の最初のウォークマンのブームの時にあったんじゃないかな。何、これ⁉ ヘッドホンで聴いたら、音楽ってもっとおもしろいじゃんっていう。そういう音の中に入っていくような体験に僕らは驚いた世代なんです。ヘッドホンの楽しさって、ヘッドホンをした瞬間、音と一体化するような非日常性だと思うんですよ。電車に乗っている時とか、1人で部屋にいる時とか、再生ボタンをタッチした瞬間、そこから音の世界にトリップできる。僕はそういうものだと思っています。

そういう意味で言うと、このヘッドホンはDJをはじめ、ライブ・アーティストのモニター用としても推奨されているモデルでもあるんだけど、ミックス作業をヘッドホンに頼りすぎると、モニター上ステレオ感が擬似的に強調され、逆に左右のダイナミックなパンニングが失われる危険性もあるので、どちらかと言うと、ミックスではなくレコーディングモニターやDJ等の演奏時の活躍に期待したいですね。長時間の使用には疲れなくていい音です。だから日常的なアイテムとしてミュージックライフをエンジョイするのにも向いてますね。実際、手に取ってみると、写真で見たイメージよりも一回り小さいから、僕だったら、これ、電車で着けちゃうかな。ほどよい密閉度もありますしね。

――密閉度は大事ですか?

うん、やっぱり密閉しすぎると、三半規管がおかしくなるし、浅いと、空気感があって、耳には優しい音にはなるんだけど、低音が逃げていくし。ヘッドホンの開発って、ずっとその繰り返しだと思うんですよ。密閉度を上げればいいのか、イヤーパッドのスポンジの密度によって、振動が外から入ってこないようにすればいいのか、いろいろな発想で、いろいろなことをやっていると思うんだけど、このヘッドホンは長い時間、着けていられるちょうどいい密閉度だと思います。

NAOKI(LOVE PSYCHEDELICO)with JBL CLUB ONE ハイブリッド ノイズキャンセリング ヘッドホン

NAOKI(LOVE PSYCHEDELICO)with JBL CLUB ONE ハイブリッド ノイズキャンセリング ヘッドホン

――着け心地はいかがですか? 手に持ったとき、けっこうずしっと来ましたけど。

あぁ、思っていたよりも重いなとは思いました。でも、重い=外に音が逃げない/外から入ってこない、ということでもあるんです。スタジオもそうですけど、音を外に逃がさない一番簡単な方法は、重さなんですよ。壁が軽いと振動するから、その壁がスピーカーになっちゃう。それでアパートの隣の部屋から、うるさいと言われる(笑)。でも、壁が鉄だったら、重くて、音で振動しないから隣の部屋には聞こえない。防音は壁の厚さじゃないんですよ。レコーディング・スタジオの扉って重いですよね?重量があれば振動が隣に伝わらないんです。

いろいろな考え方があるけど、僕は最初、このヘッドホンを持ったとき、あ、重い。たぶん音は良いんだろうなって思いました。だから、重いってことは悪いことではない。

――実際つけてみたら、それほど重さは感じられなかったですし。

そうそう。そんなにぎゅっとされている感じはしないのにノイズキャンセル機能を使わなくても、外の音は聴こえないですよね。

――音はいかがでしたか?

サウンド・バランスは、レコーディング・スタジオでよく使われているモニター用のヘッドホンと比べました。因みに、僕は普段ミックスではヘッドホンを使わないんです。自分のテイクを録る時はヘッドホンを使いますけど、ミックスではリップノイズを含めたチェックの時しかヘッドホンを使わないんです。ただ、そのように使う時はさっき言ったレコーディング・スタジオにある定番のヘッドホンを使うんですけど、それは上品な音を聴くためのものではなくて、ありのままの音をそのまま聴いてチェックするものなんです。長時間聴いて楽しむものではない。
だから、外に出かけるとき、もしくは音楽鑑賞としてヘッドホンでしか味わえない特別なステレオ感を楽しむなら、普段使っているモニター用ヘッドホンじゃなくて、こっちのほうが断然良いと思いますね。
それはさっき言った、ほどよい密閉度もそうなんだけど、僕の印象では、長時間聴いていると疲れる5khzから7khzあたりの音がモニター用のヘッドホンと比べると、割とやさしい。でも、ひっこんではないですよ。ちゃんと鳴っているんだけど、やさしい音色をしている。尖ってないんです。その代わりにもうちょっと下の、90hzよりも下だと思うんだけど……えっと、バスドラのトンって音だったり、ベースの実音だったりが大体100hzぐらいと想像してください。そのちょっと下、バスドラだと音にならないヌンっていう。もっと下のクラブ・ミュージックのズンズンっていうのは、40〜50hzなんですけど、それはちょっと置いておいて、いろいろな音楽で必ず鳴るバスドラの低音って65hzから90hz辺りなんだけど、そういう100hzのちょっと下の音が打楽器を豊かにしてくれるんですよ。このヘッドホンはそういうところをさりげなく上げてくれてるので、MP3を聴いても、サブスクを聴いても、音の密度の物足りなさっていうのは感じにくいんじゃないかな。
でも、極端じゃないのがいいですね。最近、ちょっと気になっていて、実は今回も覚悟していたんです。極端に50hz〜70hzぐらいが上がっていて、何を聴いても、下ばかり聴こえてくるようなヘッドホンが特にハイエンドと言うか、ちょっと高価なヘッドホンにも増えてきているので、そこに陥らないのはさすがJBLだと思いました。やっぱりモニター・スピーカーをずっとやってきた老舗のブランドなので、そのバランスがすごく良いと思いました

NAOKI(LOVE PSYCHEDELICO)with JBL CLUB ONE ハイブリッド ノイズキャンセリング ヘッドホン

NAOKI(LOVE PSYCHEDELICO)with JBL CLUB ONE ハイブリッド ノイズキャンセリング ヘッドホン

――JBLならではの安心感がある、と。

僕のJBLのスピーカーの印象って、これは長所短所ってことではなく、みんなが好きなJBLの魅力でもあるんだけど、10khzあたりの、たとえばシンバルのシャンって音が、ロックっぽく歪むスピーカーが多いんです。ちょっとジリッと鳴るんですよ。だから、そういうヘッドホンなのかなと思ったら、ちょっと違ったのが1つ意外でした。

JBLのスピーカーって、特に昔は8〜10khzぐらいの高音がすごく特徴的にジャキって鳴るから、音がすごく近く聴こえる印象があるんです。ぱきっとしていると言うのかな。そういうことを考えても、このヘッドホンはJBLが現代に合わせて、アップデートしている。そこがすごく良いなと思います。

特にモニター用のヘッドホンではないんだとしたら、疲れずに長時間、気持ちよく聴いていられるって大切じゃないですか。そういう意味で、ヘッドホンをしても音が近すぎないのは良いですよね。

やっぱりMP3対策なんじゃないかな。MP3で失われやすい帯域、その帯域の倍音が自然に聴こえるように計算

NAOKI(LOVE PSYCHEDELICO)with JBL CLUB ONE ハイブリッド ノイズキャンセリング ヘッドホン

NAOKI(LOVE PSYCHEDELICO)with JBL CLUB ONE ハイブリッド ノイズキャンセリング ヘッドホン

――逆に、そこが物足りなくはないですか? 「I.G.Y.」の、たとえばイントロのギターのカッティングが、このヘッドホンではスピーカーで聴いた時よりもちょっと向こうに聴こえるような気がして。

確かにおっしゃる通りだと思います。だから、それは考え方かな。音楽鑑賞用としては良いと思いました。僕は映画館の音響チューニングもやっているんですけど、映画館って1回座ったら、その映画が終わるまでその位置から逃げられないじゃないですか。だから、音量で迫力を出したり、迫力あるピークのところでチューニングしたりしてしまうと、作品によっては……作品ごとにチューニングはできないので、お客さんが2時間、がまんしないといけないって状況になってしまう。それは映画館としては良くないじゃないですか。ヘッドホンってそれに近いところがあるなっていうことを、僕はその映画館の音響チューニングの経験から加味したかもしれないですね。
あのギターのカッティングのチャリって音が5khzから7khzぐらいだと思うんですよ。「I.G.Y.」1曲だけで、そこまで判断していいかどうかはさておき、確かに実際よりもちょっと抑えめではあるんだけど、そこは長時間、聴いても疲れないメリットとして考えてもいいと思います。もし、このヘッドホンを、DJの方がライブのパートナーとして考えているんだとしたら、その特徴をちゃんとわかった上で使えばいいんじゃないかな。5〜7khzの音が甘くなってくると、音のスピード感がなくなってくるから、スピーカーで確認してね。

――あぁ、なるほど。

確かにJBLの割にエレガントな音ですよね(笑)。あ、もちろん、これはいい意味で言ってるんですけど。JBLって元々、ロックな音ってイメージなので。僕よりも上の世代は特に。そういう意味でと言うと、このヘッドホンはもうちょっとエレガントで、クラブ・ミュージックも含め、低域から中域までの音色でグルーブを操るような音楽に向いていると思います。

――EDMをはじめ、バキバキな音楽を聴く層を意識して、あらかじめ音をやさしくしているところもあるのかもしれないですね。

やっぱりMP3対策なんじゃないかな。MP3で失われやすい帯域、その帯域の倍音が自然に聴こえるように計算して、変に1つの帯域だけ上げてない。そういうところも自然だと思いました。

長時間、聴いても疲れない中域と、MP3を含め、いろいろなソースを聴く現代の環境に対して、ちゃんと自然で豊かな低音をそっと添えてくれているところが一番の特長ですね。低音が豊かと言っても、フラットよりもちょっと多いぐらいで、デフォルメされている感じはないから、買う人は安心していいと思います。

小さな音から大きな音までダイナミックレンジが変わらずに聴こえるっていう。

NAOKI(LOVE PSYCHEDELICO)with JBL CLUB ONE ハイブリッド ノイズキャンセリング ヘッドホン

NAOKI(LOVE PSYCHEDELICO)with JBL CLUB ONE ハイブリッド ノイズキャンセリング ヘッドホン

――音の解像度はいかがでしたか?

高いと思いました。特にバスドラからベースの輪郭ぐらいまでの帯域って、ヘッドホンだとブリブリ言っちゃって、飽和状態になる印象があるんだけど、ちゃんとベースのスラッピングのタッチもちゃんと聴こえるなと思いながら聴いてました。割と大きな音で聴いたけど、音は潰れなかったですね。

レコーディングの演奏中のような大きな音が鳴っている中でヘッドホンをするとき、ドラムをはじめ、周りの音に負けないようにボリュームを上げなきゃいけないことが多いんだけど、レコーディング・スタジオによくあるヘッドホンは音量に弱い。音量を上げて、演奏するんだけど、ギャーギャー歪んじゃってるのをがまんしてやらないといけないこともあるんです。でも、このヘッドホンは全然歪まないですね。

このヘッドホンにはノイズキャンセル機能もついているけど、僕は正直、ノイズキャンセルって好きじゃないんです。何かされちゃってる気がして。このヘッドホンを買おうと思っている人の中には、自分でも音楽を表現しようとしている人も多いと思うんですけど、たとえばクラブでDJをやる時もノイズキャンセルを使うよりも音量を上げて、乗りきったほうが自然な音でできるんじゃないかな。

――それぐらい音が歪まないわけですね。

ヘッドホンも含め、スピーカーやマイクって推奨ボリュームがあると思うんですよ。それはそれぞれに違うと思うんだけど、振動板を物理的に震わせて鳴らしているものなので、ある程度のデシベルを超えると、構造上、限界が来ますよね。でも、このヘッドホンはこぶりな割に、まだまだゆとりがある。

音を鳴らすスピーカーも、音を拾うマイクも構造は同じなんだけど、どちらもスペックぎりぎりで鳴らす、あるいは拾うよりも、そこにちょっとゆとりがあるほうがダイナミックレンジ、つまり小さな音から大きな音までの再現性っていうのは高くなるんです。

だからね、話が逸れちゃうけど、ジャズのレコードって名盤が多いじゃないですか。

――はい。

60年代以降、ロックの名盤がたくさん生まれたにもかかわらず、アナログ盤が大好きになると、ジャズに戻っていく人って多いじゃないですか。なぜ、そんなにジャズの音が良いのかって言うと、僕が思うに、60年代前後のジャズと70年代以降のロックの機材ってそんなに変わらないんです。特にマイクは。でも、ロックの時代になって、ギターの音が大きくなったじゃないですか。そうすると、ドラムの音もジャズみたいにトントトンではなくて、ダダンダダンダンってやらないと聴こえない。そうやって、どんどん1個1個の音が大きくなっていったんだけど、その音を拾うマイクは変わらず同じものを使っていたから。

――あっ、なるほど。

音のでかいロックは、マイクのポテンシャルの70〜99%の、歪むぎりぎりのところで、全ての音を録るしかなくなっちゃったけど、全体の音が小さいジャズの場合、マイクのポテンシャルの20%ぐらいから、音が大きくても70%ぐらいに収まるから、振動板が楽勝で震えているんです。だから、小さな音から、その曲の一番大きな音まで、細かく表現できる。つまり音の強弱がちゃんと録れるってことだから、ミックスにも奥行きが出る。大昔の音源なのにジャズの音が良いっていうのは、そういう理由があると思うんですよね。

そういうゆとりのあるスピーカーなんだと思います。大きな音で鳴らしたとき、ただ歪まないってことではなく、小さな音から大きな音までダイナミックレンジが変わらずに聴こえるっていう。

これまでJBLのイメージがなかったクラブ・シーンへの新しい提案なんだという気がしますね。

NAOKI(LOVE PSYCHEDELICO)with JBL CLUB ONE ハイブリッド ノイズキャンセリング ヘッドホン

NAOKI(LOVE PSYCHEDELICO)with JBL CLUB ONE ハイブリッド ノイズキャンセリング ヘッドホン

――このヘッドホンで、どんな音楽を聴いたら一番向いているでしょう?

そうだなぁ。最近のクラブ・シーンでも支持されているロックってあるじゃないですか。たとえばThe xxってイギリスのバンドとか、ああいう新しい世代のロックは楽しく聴けるんじゃないかな。それこそBillie Eilishとか。逆に70年代のエレキギター中心のロックは、ちょっと落ち着いた音に聴こえるかもしれない。そういう意味ではさっき聴いたドナルド・フェイゲンは合ってたかもしれないね。僕の音楽観を押し付けちゃうみたいになるのはどうかと思うけど、ロックでも1曲の中に、いろいろなアプローチが入っているBeckとかね、90年代以降の音楽は何でも合いそうな気がするな。クラブ・ミュージックにもっと精通している人だったらもっといろいろ出てきたかもしれないけど、インタビューする相手を間違えたんじゃない?(笑)

――いえ、逆にNAOKIさんに訊いてよかったです。NAOKIさんだからこそクラブ・ミュージックのファンではない人たちにも、このヘッドホンの魅力が伝わったと思うんですよ。

JBLなのに現代のシーンに近いという意味で、JBL的じゃない、新しい世代に向けたヘッドホンだと思うんだけど、これはこれでやっていってほしい。JBLって映画館もそうだけど、やっぱりライブハウスのモニター・スピーカーに使われてるロックのイメージだったと思うんだけど、このヘッドホンは、これまでJBLのイメージがなかったクラブ・シーンへの新しい提案なんだという気がしますね。

取材、文=山口智男 Photo by 菊池貴裕