声優とアイドルのハイブリッドユニット・ i☆Risのメンバー、芹澤優。その約2年ぶりとなるソロ全国ツアー『Yu Serizawa 2nd Live Tour 2021 好きな人がいるだけで。』が、2021年12月25日(土)に千秋楽を迎えた。会場はZepp DiverCity(TOKYO)にて有観客で開催され、動画プラットフォーム・ PIA LIVE STREAMでの生配信も行われた(アーカイブは12月31日(金)23:59まで視聴可能)。

9月より開幕し、北海道・愛知・大阪・宮城・福岡と渡ってきた今回のツアー。最終日はクリスマスに開催され、「芹澤優からのプレゼント」として様々なサプライズで"神対応"続出のステージとなった。朗読あり、スペシャルゲストありの、まるでジェットコースターのような、激しくも楽しいステージの模様をレポートしていく。なお今回は、当日夜の部の模様をお伝えする。

「気持ちがジェットコースター」になるツアー・千秋楽。1曲目から芹澤優の魅力が満載

開幕のジングルが流れる中、ステージにはバンドメンバーとしてバンドマスター&ベース 宮田‘レフティ’リョウ 、ギター・香取真人  、キーボード・北村真奈美、ドラム・WANIが登場する。やがて真っ白なワンピースをまとって舞台の中央に現れる芹澤優。スポットライトの点灯と共に、120点満点の笑顔を見せた。

開幕1曲目は、デビューミニアルバムのリード曲である「Voice for YOU!」を披露。飛び跳ねたり、くるくる回ったり、元気いっぱいに歌い、踊る。ステージの端から端まで移動し、「逢いたかったみんなに逢った」喜びを全身で表現した。


2曲目は「こっからみんな踊っていくよ〜」と叫び、「ハイハイハイハハイテンション」を熱唱。力いっぱい歌いながらも「素直になっちゃえよ」のセリフ部分は少し照れ笑いを漏らし、愛らしさを会場中に振り撒く。そしてラストの大サビの直前で、「ツアーファイナル、全員後悔することなく騒ぎ尽くせー!!」と叫ぶと、客席のペンライトが大きく揺れた。

MCパートでは、ファーストライブツアーから2年空いての開催になったことで、久々のファンとの再会を喜ぶ芹澤。「気持ちがジェットコースターみたいになるツアーなんですけど、みなさん、ついてこれますかー?」の呼びかけに、会場中が拍手で応えた。その勢いに乗って3曲目に歌ったのは「神×太陽×サマーパーティ」だ。「ワンワン」や「ニャーニャー」などのコーラスにはバンドメンバーの声も入り、よりノリノリのステージに。

終盤、「一度しか言わないよ」と芹澤優がくるりと回り、顔をぱっと前に向けて放たれた「すき」の言葉と笑顔には、男女問わずに恋に落ちてしまいそうな愛くるしさにあふれていた。


4曲目にはTV アニメ『キラッとプリ☆チャン』赤城あんな役として歌ったダンサブルなキャラクターソング「ヒロインズドラマ」が歌われた。ステージを照らすライトも赤に変わり、歌と共にキレッキレのダンスを披露する。特に、バレリーナのように身体を回転させるたび、ドレスのフリルもふわふわと揺れるのが天使のように美しい。


5曲目はピアノソロからしっとり始まる「PRINCESS POLICY」を披露。クールなロックナンバーを美しい声で歌いこなすと、曲は途切れることなく次の曲へ。「みんなまだまだこんなもんじゃないでしょー!」と叫び、6曲目『乖離性ミリオンアーサー』ベイリン役として歌うキャラソン「Out of Control!」という激しいロック曲で、芯の強い歌声を会場中に響かせた。

朗読パートで涙、涙も。甘く切ない楽曲と共に、芹澤優が「エモテロリスト」に

7曲目に入る前に、暗転し、雨の音が響く舞台上。このツアーの見どころの一つでもある「朗読パート」で、「写真部の先輩へ贈られる、とある女性からの卒業祝いの手紙」が読まれた。

新歓コンパで先輩が助けてくれたこと、アシスタントとしてこき使われながらも共にたくさん空を見上げたこと。そんな日々の中で女性が先輩へ寄せていった大切な思いが、芹澤の口を通し、感情を込めてリアルに語られる。その手紙を、舞台上に設置されているポストに投函。「好きです」とポツリつぶやき、7曲目のバラード「Imaginaly」を歌い始める。

「1年後10年後永遠でもいいよ。一緒に星を見つめていたい」という歌詞に、先ほどの物語の女性の姿がそのまま思い浮かんでくるようだ。

途切れることなく、8曲目には「片思いExpantion」に移る。会場からの手拍子が響く中、ノリノリながらも恋する女性の切ない気持ちを歌い上げた。中盤の「ちょっとだけ肩にもたれちゃおう」で、ギター・香取真人の肩にもたれるような仕草をするなど、「尊さ」を感じるような芹澤の動作に1秒でも目が離せなくなる。

続く9曲目には「告白」を披露。前奏で、会場の遠くにも手を振りながら、芹澤の目にはきらきらした涙が見えた。


舞台のスクリーンに写し出される手書きの歌詞をバックに、涙を浮かべながらもしっかりと笑顔を見せて歌い上げる芹澤。「言いたいことは一つだけ」のフレーズを歌った後で曲はフェードアウトし、やがて2通目の手紙の朗読に移る。

「時を経て数年後、世界に羽ばたいた先輩へ贈る気持ち」を、鼻を啜りながら読み上げ、再びポストへ投函。続く10曲目に、ゆっくりとしたドラムのリズム、そしてしっとりとしたピアノから始まる「今夜も月がきれい」を歌った。ステージのバックには「月」の映像、はらはらと散る雪。切なくも温かな物語が、ここに完結する。歌い終え、また目の下に涙を溜めながら「ありがとうございます」と深くお辞儀をした。


ストーリー仕立てのパートが終わり、MCパートへ。今回の『好きな人がいるだけで。』というライブのテーマを伝えるためにいろいろな思考錯誤があったことが芹澤の口から語られる。朗読についても「どうでした?」と問いかけられると、声を出せない観客の気持ちを代弁するように、ベース・宮田“レフティ”リョウの方から「素晴らしかったです。エモテロリストでした」の感想が伝えられた。感情移入し過ぎて芹澤自身も泣きだしてしまうという、どんな演出にも優るリアルな表情を見せながらも、しかしライブはまだまだ続く。「しんみりしちゃったから、立ち上がってください!」と、次のステージへと移った。

スペシャルゲスト登場。芹澤優が観客一人ひとりと目を合わせる"神対応"も


「スペシャルゲスト呼んじゃっていいっすかーー!」と、サングラスをかけた宮田“レフティ”リョウに呼ばれ、、今年の5月にリリースした最新シングルで結成したユニット“芹澤優 with DJ KOO & MOTSU”より、ラッパー・MOTSUが登場。11曲目「EVERYBODY!EVERYBODY!」を歌い上げ、一気に会場はお祭りムードに。続くMCでは「MOTSUさんです!」の紹介に、MOTSUは「"煮込み"です、どうもー!」と挨拶するなど、大御所感を感じさせないような気さくなギャグで客席からの拍手を誘う。

このツアー中、「心が折れそうになっても、"エビエビ"を歌うと、お客さんも私もブチ上がってめちゃくちゃ楽しかった」と語る芹澤。「改めて、神曲ありがとうございます!」と礼を述べると、「こちらこそです!みんな育ててくれてありがとう!」と、MOTSUからも温かい謝辞が述べられる。そしてMOTSUと共にラップを披露したレフティにも「ほぼMOTSUでした」というMOTSU本人からのありがたい言葉が贈られた。

12曲目には、「YOUYOUYOU」を芹澤とMOTSUの息の合ったダンスで披露。「カッコいい」と「可愛い」が同居する、ひたすらエモすぎるステージを作り上げていく。

「メリークリスマース&ハッピーニューイヤー!」と叫んでMOTSUが去った後は、13曲目にi☆Risの楽曲「Special kiss」を芹澤ソロで披露。曲の中では「全員と目を合わしていくよ!」と言い、指でハートマークを作りながら観客一人ひとりと視線を合わせていくという"神対応"も。

14曲目には「もうこのライブ終わっちゃうよー!そろそろー!やだーー!!」と叫びながら、TVアニメ『キラッとプリ☆チャン』メルティックスターの楽曲「COMETIC SILHOUETTE」をソロで披露。配信カメラに向けてもカメラ目線で踊りまくったかと思えば、曲の終盤ではステージにひざまずきつつ、高らかにロングトーンを披露。終盤に向けて芹澤の動きも徐々に激しくなっていく。

そして15曲目、「このツアー、全部の最後の曲です。みんなに届けたかった全部の想いを込めて歌います」と告げ、「Revelation」を披露。観客のサイリウムも力いっぱい振られる中、それに負けないように力強く感情的な歌声を、ステージ隅々に届くように放った。

アンコールで芹澤優がまさかの神対応!?「そばにいるだけで」の気持ちで溢れたステージに、幕

「ありがとうございました!」とハキハキとした声で述べ、ステージを去っていく芹澤。バンドメンバーも去り、ステージが暗転するも、まだまだライブは終わらない。アンコールの拍手が鳴り響き、数分後、BGMと共に芹澤のボイスでナレーションが入った。バンドメンバーを紹介しつつ、「最後までテンアゲでヨロ!!」と語り終え、舞台には衣装チェンジした芹澤が登場。肩にピンクのフリルが付いたトップスに、ピンクギンガムチェックのミニスカートというアイドルらしい可愛さあふれる衣装だ。


アンコールの1曲目には定番の「Merry Birthday!」を歌唱。続く2曲目には「セリコからのクリスマスプレゼント」として、キャラクターソングファン投票1位曲となった、TV アニメ『プリパラ』南みれぃの「ぷりっとぱ〜ふぇくと」が披露された。なおこの2曲目の披露の最中には、芹澤をスマホで撮影してもOKという"神対応"も。ファンにとってはダブルで嬉しいプレゼントとなった。

続くお知らせでは、本公演のPKG発売決定や、2022年秋の1stフルアルバム発売決定も発表。ファンにこれからの期待も持たせつつ、最後のMCでは涙を流しながら、しかし笑顔でファンへのメッセージを贈った。


「ちょっぴり切なくなるようなことが多い世の中ですけど、みんなは私の大好きな人だから、自分のことを好きでいてほしいし、自分の好きな人にまっすぐでいてほしい。みんなはいつだって最高。いつだって私にこんなにたくさん素敵な気持ちを私にくれる」。そして3曲目・本当のラストの曲に、たっぷり愛の込もった楽曲、「最悪な日でもあなたが好き。」を披露した。

今回のツアーを通して、自分の頼りなさも感じたという芹澤。しかし『好きな人がいるだけで。』というタイトルを掲げ、その気持ちを伝えたいという真っ直ぐな想いはブレることなく、9ツアーを続けてきた。有人ライブも行えるようになってきたとはいえ、いまだ「声出しができない」という平常通りではない状況が続いている。けれど、だからこそシンプルに「そばにいるだけで」伝わる気持ちで満ちたステージになったと感じられる。

また来年、再来年もこのツアーが続いていくように。辛い日々にも希望を抱き、素直な「好き」という気持ちをこれからも大切に、日々を生きていきたい。

取材・文:平原 学