2022.1.8(Sat)りなメロ♪LIMITED EDITION@鹿屋市文化会館

鹿児島県鹿屋で開催されているアニメ・漫画ポップカルチャーイベント『りなかる!』、そして同じく開催されるアニソン系ライブイベント『りなメロ♪』。新型コロナウイルス感染症の影響で昨年は中止となったが、今年はLIMITED EDITIONと題しangela、ReoNa、PENGUIN RESEARCHの生田鷹司、堀江晶太H-el-ical//の四組を迎えて無事に開催された。鹿屋の広い空の下開催されたこの地方発のライブをレポートする。

会場となった鹿屋市文化会館には今日のイベントを待ちわびていたファンが詰めかけていた、物販にも人が集まり、手作り感あふれる演者の紹介ボードが展示されるなど、どこかゆったりとした雰囲気の中、イベントが始まった。

手作り感と愛のあふれるウェルカムボード

手作り感と愛のあふれるウェルカムボード

一番手はPENGUIN RESEARCHから生田鷹司と堀江晶太が登場。「一番手としてゆるく、でもみんなを温めながら盛り上げていきたいと思います!」とコメントしてから、堀江のピアノ生演奏で「キリフダ」からイベントがスタート。

温かい手拍子を受けつつ、鹿屋市PR特命係長の肩書を持つユルキャラ「鹿屋カンパチロウ」の印象などをゆったりとトークをする二人。マスク越しでも客席から笑いが溢れる空気から、続く「HATENA」は生田のハイトーンの歌声からスリリングに展開する。

「少年の僕へ」では再度手拍子が強く巻きおこる。その熱に促されるように立ち上がり伸びやかに歌う生田。「俺なんでここでピアノ弾いてるんだろう?」と言っていた堀江の指も軽やかだ。

「ここからは僕たちのやりたい曲を持ってきました!」と「敗者復活戦自由形」を堀江のピアノ一本で演奏。アコースティックな編成だがパワフルに生田が歌い上げ、客席の温度が上がっていく。


最後は生田もアコースティックギターを構えて「boyhood」。二人の演奏と歌が絡み合い、そこに客席からの手拍子が混ざる感じはとても厚みを感じた。「次はバンドで会いましょう!」と叫んで出番を終えた。

続いて登場したH-el-ical//が一曲めに選んだのはソロデビュー一曲めになる「pulsation」。1stライブ以来の生披露となる楽曲を激しく歌い上げ、『禍つヴァールハイト-ZUERST-』エンディングテーマである「disclose」を表現力たっぷりに響かせる。

「一日早く入って鹿児島観光してきました!」とMCした後は、先日から改めて放送が始まったTVアニメ『終末のハーレム』オープニングテーマ「JUST DO IT」と、そのカップリングとなる「IMPOSSIBLE LOVE」を初披露。「初鹿屋、新年一発目なので新しいことをやっていかないと!」とステージの花道まで動きながらファンの目を見ながら歌唱。思わぬ接近にファンも大きな手拍子で応える。コロナ禍で声が出せなくても思いは伝わる、それはステージ上からでも客席からでも双方向の願いであり、思いだ。


最後は先日第一期が終了したTVアニメ『最果てのパラディン』オープニングテーマ「The Sacred Torch」を歌い上げてにこやかに去っていった。

三番目に登場したのはReoNa、奄美大島出身の彼女は初弾から「ANIMA」でイベント自体を加速させていく。「地元鹿児島にお歌を届けに来たのは二年ぶり、ただいま」とはにかみながらMC、続いて二曲目の「ないない」は静かに始まりながら、ゴシックな雰囲気のママボルテージが上がっていく。その“お歌”で一気に絶望系アニソンシンガーの空気に会場を染め上げられる。


「心の天気模様が雨のち曇りでも、あしたはハレルヤ」と語り、カントリーの響きに乗せて日常的な絶望を歌った「あしたはハレルヤ」を軽やかに歌う。昨年6月には、地元・鹿児島ではお馴染みのニュース番組「MBCニューズナウ」のエンディングテーマソングにも起用されていた一曲。絶望の深度をたおやかに行き来するReoNaの音楽に乗せて、どこか手拍子も軽やかだ。

「ここで、特別を一つ」と前置きして、堀江晶太を迎えて「葬送の儀」をコラボで披露。切なく儚げな歌声が染み渡るように広がっていく。ここだけのアレンジで披露されたこの「りなメロ」だけの音楽。感謝の拍手も響く。


「辛いとき、辛いと言えたらいいのにね」の言葉から歌われるのは「決意の朝に」。僅かな希望を感じさせる。「また、帰ってきます」と宣言して、最後に選んだのは「unknown」。「じゃあな!」とキメ台詞を残していった。

そしてラストを飾るのはangelaだ。荘厳な前奏からTVアニメ『シドニアの騎士』オープニングテーマソング「シドニア」で一瞬でトップスピードに。自己紹介ではKATSUお馴染みの「ジーク・ジオン!」もしっかり披露。続く「乙女のルートはひとつじゃない!」と温度感の違う曲を見事に客席に投げていく。atsukoとKATSUの掛け合いで繰り広げられるMCも絶好調。


atsukoの振り付け講座から「KINGS」、サビ部分では全員見事な息の合いっぷりを見せてくれた。2番では着席のままウェーブを促すなど、観客完全参加型でステージングしていく。その勢いをそのままにTVアニメ『アホガール』オープニングテーマ「全力☆Summer!」で年明けの鹿屋を真夏に変換していく。客席も「シドニア」の時は赤く光らせていたライトブレードを黄色に光らせ盛り上げてる空気はアニソンライブの醍醐味だ。

「今回始めて鹿児島に来れたので、こういう点をつないで線にしないといけないので!」と鹿児島でのワンマンライブへの思いを語り、最後に代表曲「Shangri-La」をタオルを振り回しながら熱唱。「心で歌ってください!」と落ちサビでは客席にマイクを向け、興奮のままでライブを終えた。


最後atsukoが「出演者の皆さんをもう一度お呼びしたいと思います」と全出演者を呼び込み、一言ずつコメントを出した。

PENGUIN RESEARCHの堀江は「Shangri-Laが聴けて凄いテンションが上りました」と嬉しそうに語り、生田も「今日は最高に楽しかったです!」と微笑んだ。H-el-ical//のHikaru//は「またお会いする日を楽しみにしております!」とこちらも笑顔。ReoNaは「こんな素敵な方々と地元にお歌を届けにこれて本当に良かったと思っています」と深く頭を下げた。

KATSUは「りなカルも反映してもらって、来年再来年と続いていけたらいいなと思っております!」atsuko「私西郷どん見てたんですよ!」と熱く語りだして笑いを誘う。「でもずっとコロナで動けなくて、2年ぶりに首都圏から出て歌えたんですよ、スタッフの皆さん、来てくれた皆さん、本当にありがとうございました!」とアピールして、夢の共演は終了となった。

東京から飛行機で二時間、空港から車で70分近くかかる鹿屋の地にこれだけのアーティストが集まるのもとても凄いことだと思ったが、現地で触れてみて、このコロナ禍でもなんとか開催に向け邁進したスタッフたちの情熱と、ファンのアニソンに対する思いが結実したからこそ実現しているイベントなのだと実感した。そして各アーティストがとても楽しそうにこの舞台を彩っていたことも記しておきたい。

都市部だけではなく、地方からの情熱が伝播していき、各地に素晴らしいメロディが生まれることを更に願いたいし、また来年許されるならこの地のライブを楽しみたい、そう思った。

レポート・文=加東岳史