“初代タイガーマスク”佐山サトル率いるストロングスタイルプロレスが3月17日(木)東京・後楽園ホールにて、今年最初となる本戦を開催(1月22日に「第3回サポーターズマッチ」を開催、2・24後楽園が新型コロナウイルスの影響により今大会に延期)。今大会は、昨年大晦日に81歳で亡くなった昭和を代表する名レスラー、ストロング小林さんの追悼大会として開催される。


小林さんは国際プロレスのエースとして活躍し、1974年3月19日、東京・蔵前国技館にてアントニオ猪木との“昭和の巌流島”と呼ばれる世紀の一戦に臨んだ。この試合は、力道山vs木村政彦以来、20年ぶりとなる団体トップによる大物日本人対決で、蔵前国技館に入りきらないほどのファンが詰めかけ、後世に語られる名勝負となった(“第1回”プロレス大賞のベストバウトを受賞)。旗揚げ3年目に入った猪木の新日本はこの試合で軌道に乗り、猪木の異種格闘技戦をはじめ数多くの激闘で絶大なる支持を集めたのだ。そして、この試合をプロデュースし実現に向けて奔走したのが、その後“過激な仕掛人”の異名をほしいままにする新間寿会長である。

新間会長はストロングスタイルプロレスの平井丈雅代表とともに小林さんの通夜、告別式に参列、小林さんの家族と再会し、今大会における追悼セレモニーを企画した。大会では小林さんの家族の協力のもと、思い出の写真が場内スクリーンに映し出され、関係者による追悼の10カウントゴングが鳴らされる。「アントニオ猪木vsストロング小林」とは、現在のマット界につながる日本人対決の原点であり、過激なプロレスの発火点。当時の思いを胸に、当日は全6試合(男子3試合&女子3試合)がマッチメークされている。


▼第1試合シングルマッチ30分1本勝負》
佐藤綾子(ワールド女子プロレス・ディアナ)vs尾﨑妹加(フリー)

オープニングマッチは佐藤綾子vs尾﨑妹加のシングルマッチ。佐藤はジャガー横田が結成したヒールユニットCRYSIS(クライシス)の一員で、御大ジャガーの右腕とも言えるベテラン選手だ。ストロングスタイルプロレスには昨年6月の「第1回サポーターズマッチ」への初参戦を皮切りに、準レギュラーとして出場を続けている。なかでも昨年9月にはタイガー・クイーン第2戦の相手に立候補し、敗れはしたもののクイーンのポテンシャルを最大限に引き出してみせた。

今大会の相手は20年6月以来、2度目の参戦となるフリーの尾﨑妹加。尾﨑は学生時代にウエートリフティングの全国大会で3度優勝という輝かしい実績を残している。アクトレスガールズでプロレスデビューし、現在はアイスリボンなど、フリーとして闘っている。初参戦が無観客試合でのタッグマッチのため、有観客でのシングルマッチはこの試合が初めて。佐藤とはこれが初対戦となるが、クイーンとの対戦も期待したいところだけに、この試合で大きなインパクトを残したい。迎え撃つ佐藤としても、クイーンとの再戦に向け負けられない闘いになるだろう。佐藤のテクニックと尾﨑のパワーが真っ向から激突する。


▼第2試合タッグマッチ30分1本勝負
ケンドー・カシン(はぐれIGFインターナショナル)&阿部史典(プロレスリングBASARA)
vs
将軍岡本(第5代UWAアジアパシフィックヘビー級王者/VOODOO-MURDERS)
&佐野直(フリー)

第2試合はケンドー・カシン&阿部史典組vs将軍岡本&佐野直組のタッグマッチ。この試合のキーポイントとなるのはやはり、カシンと岡本の絡みとなるのだろう。

両者は昨年7・29後楽園でタッグを組むも、チームワークは皆無でチャンピオンの岡本がフォール負けを喫する失態。岡本はその後、高岩竜一、河野真幸に王座防衛も、希望するカシンとの一騎打ちはいまだ組まれていない。今回、対戦機会こそ得られたものの、シングルは見送られたまま…。岡本が「勝ってタイトルマッチに逆指名だ!」と吠えれば、カシンは「いつになったら決着戦を組むんだよ?」とのコメントを送ってきた。まずは、この試合の成り行きを見守るしかないようだ。

今回、カシンと組むのはレギュラーの座をしっかりものにした阿部である。阿部はこのリングで実現したカシンとのシングルマッチで敗れているだけに、チームとして成立するかも未知数。カシンも素直に組むとは思えないだけに、お互いの動向から目が離せない。岡本のパートナーは佐野。かき回す存在になれば、試合はさらに混とんを極めるが…。


▼第3試合タッグマッチ30分1本勝負
ジャガー横田(ワールド女子プロレス ディアナ)&井上京子(ワールド女子プロレス ディアナ)
vs
雪妃真矢(フリー)&梅咲遥(ワールド女子プロレス ディアナ)

第3試合は女子タッグマッチ、ジャガー横田&井上京子組vs雪妃真矢&梅咲遥組のタッグマッチ。女子プロレスのレジェンドと新世代の激突という図式となった。

ストロングスタイルプロレスとワールド女子プロレスディアナの協力体制により、ジャガーがタイガー・クイーンのコーチを務めるとともに女子のマッチメークを担当。ジャガーみずからもリングに上がり、今大会ではパートナーにディアナ総帥の京子を指名した形だ。

全日本女子プロレスの全盛時代を飾った両者の超強力タッグだが、この2人が組むのは非常に珍しい。雪妃&梅咲組との対戦にあたり、ジャガーがそれだけ本気だということにもなるのだろう。気になるのは負傷欠場していた京子の状態だが、今大会の前週に復帰、4戦目がこの試合になるという。それだけに、連戦から調子を上げた状態でこの試合を迎えることが期待される。

対する雪妃&梅咲組は、2度目のタッグ結成。雪妃は昨年フリーとなり、現在はDDTのリングにも上がっている。ストロングスタイルプロレスには昨年3月、4月以来、3度目の登場。過去2回はいずれもジャガーと絡んでおり、昨年3・3後楽園ではタッグを組み、同4・22後楽園では対戦した。どちらも直接勝敗にはかかわらなかっただけに、何としても爪痕を残したい。

また、京子とは以前8人タッグマッチで対戦したことがあるというが、「指一本触れる機会さえなかった」とのこと。パートナーはディアナとwaveのタッグ2冠王でストロングスタイルプロレスには連続参戦中の梅咲。新世代の2人が協力し、大御所からの金星を勝ち取れるか!?


▼第4試合シングルマッチ30分1本勝負
間下隼人ストロングスタイルプロレス)vs関本大介(大日本プロレス)

昨年12・9新宿でスーパー・タイガーのレジェンド王座に挑戦した間下隼人。惜しくもベルトには届かなかったものの、タッグマッチながら前哨戦でフォールを奪うところまで上がってきた。

「今年は団体を引っ張る」と宣言している間下が今大会で挑むのは、元レジェンド王者の関本大介である。ストロングスタイルプロレスの生え抜き第一号で下積み生活も長かった間下だが、兄弟子のスーパーに牙をむき、団体のツートップと認められるまでに成長を遂げた。それだけに今年は宣言通りに団体を牽引、そしてスーパーからの王座奪取が目標となるが、だからこそストロングスタイルプロレスでも絶大な支持を誇る関本は避けては通れない相手である。本戦第1戦となるこの試合が、今年の間下を占うと言っても過言ではなく、団体の方向性を左右する闘いになるかもしれないのだ。上り調子をキープしさらなる上昇気流に乗るか、それとも関本のパワーに圧倒され失速してしまうのか。

間下は「根性」をキーワードにあげており、それを示すのに関本を「最高最強の相手」と理解。潰しにかかるであろう関本に対し、間下がどのように向かっていくか、注目の闘いだ。


▼セミファイナル シングルマッチ30分1本勝負
タイガー・クイーン(一般社団法人 初代タイガーマスク後援会)vs高瀬みゆき(フリー)

初代タイガーマスクデビュー40周年の節目でマットに送り込まれた女性版タイガーマスク、タイガー・クイーン。昨年7・29後楽園で山下りなを相手に衝撃デビューを飾ると、シングルマッチで連戦連勝。初代タイガーとジャガー横田が二人三脚で育てたクイーンは、初代を彷彿とさせる四次元殺法に加え、オリジナルムーブも披露し進化を見せつけてきた。

そして迎える今大会がデビュー9戦目で、シングルマッチは6試合目となる。相手はフリーの高瀬みゆき。高瀬は昨年末でプロレス団体としての活動を終了したアクトレスガールズを退団、現在はさまざまな団体に引っ張りだこで、梅咲遥とともにディアナのWWWD世界タッグ王座を保持し、waveのタッグ王座も奪取し2冠王になったたばかり。また、シングルプレーヤーとしても昨年、waveのリーグ戦に優勝、今年2・13後楽園でwaveのシングル王座に挑戦、さらなる飛躍が期待されている。

ストロングスタイルプロレスには初参戦で、ディアナ参戦時、井上京子との試合が関係者の目に留まり、ジャガーの推薦もありクイーンの相手に抜擢された。となれば、もちろんクイーンのライバル候補と言っていいだろう。フリーの道を選択した高瀬にとっても自身を売り込む絶好の機会。初めてクイーンに土をつけるとなれば、そのインパクトは絶大だ。

プロレスにかける情熱では定評があり、愛するプロレスに集中する環境が整った高瀬。先日の記者会見では「頑張ります」の一言ながら公の場で初めて肉声を披露したクイーン。どちらも進化の真っ只中だけに、見逃せないシングルマッチだ。


▼メインイベント タッグマッチ 30分1本勝負
スーパー・タイガー(第15代レジェンド王者/ストロングスタイルプロレス)&船木誠勝(フリー)
vs
関根“シュレック”秀樹(ボンサイブルテリア)&佐藤光留(パンクラスMISSION)

メインには、昨年12月の兄弟弟子対決で間下隼人の挑戦を退けレジェンド王座を守ったスーパー・タイガーが登場、船木誠勝との強力タッグで関根“シュレック”秀樹&佐藤光留組を迎え撃つ。

パンクラスMISSIONで船木の系譜を引き継ぐとも言える佐藤は、シュレックをプロレスの世界に誘ったプロレスの師匠でもある。シュレックは佐藤主宰のハードヒットに18年7・7横浜、阿部史典との一騎打ちで初参戦。翌年から全日本プロレスにスポット参戦をはじめ、格闘技とプロレスの二刀流選手となった。ストロングスタイルプロレスには19年9月の後楽園に初登場を果たし、同年12月にはスーパー・タイガーとのシングルマッチもおこなっている。

シュレックは昨年大晦日での「RIZIN.33」にてレフェリーストップによるTKO勝ち。RIZIN2戦目で初勝利を挙げると、試合後には船木とのシングル実現を口にしたという。まずはタッグでの対戦が組まれたが、以前シングルで敗れているスーパーへのリベンジとともに、どうなるか注目される。

急きょシュレックとなった佐藤は全日本2・23後楽園で世界ヘビー級王座を4年8カ月ぶりに奪回、王者としてストロングスタイルのマットに乗り込んでくることとなった。スーパー、船木との絡みは格闘スタイルを主とするだけに興味深い。スーパー、船木、シュレック、佐藤、どの組み合わせを取って注目の闘い。この試合を制してネクストステージに駒を進めるのは、誰だ!?

 

【対戦カード】
▼メインイベント タッグマッチ 30分1本勝負》
スーパー・タイガー(第15代レジェンド王者/ストロングスタイルプロレス)&船木誠勝(フリー)vs関根“シュレック”秀樹(ボンサイブルテリア)&佐藤光留(パンクラスMISSION)

▼セミファイナル シングルマッチ30分1本勝負
タイガー・クイーン(一般社団法人 初代タイガーマスク後援会)vs高瀬みゆき(フリー)

▼第4試合シングルマッチ30分1本勝負
間下隼人ストロングスタイルプロレス)vs関本大介(大日本プロレス)

▼第3試合タッグマッチ30分1本勝負
ジャガー横田(ワールド女子プロレス ディアナ)&井上京子(ワールド女子プロレス ディアナ)vs雪妃真矢(フリー)&梅咲遥(ワールド女子プロレス ディアナ)

▼第2試合タッグマッチ30分1本勝負
ケンドー・カシン(はぐれIGFインターナショナル)&阿部史典(プロレスリングBASARA)vs将軍岡本(第5代UWAアジアパシフィックヘビー級王者/VOODOO-MURDERS)
&佐野直(フリー)

▼第1試合シングルマッチ30分1本勝負》
佐藤綾子(ワールド女子プロレス・ディアナ)vs尾﨑妹加(フリー)

※対戦カードは変更となる場合がございます。

文:新井宏