ディズニー・アニメーションや映画の音楽を、オーケストラの生演奏と「二期会」に所属する実力派ボーカリストの歌で楽しむ音楽会『ディズニー・オン・クラシック 〜夢とまほうの贈りもの 2022』が2022年5月7日(土)から舞浜アンフィシアター(千葉県浦安市)で開催されている。初日の前日に、同地で行われた公開リハーサルの様子をお届けする。

第2回目となる今年は、ミッキーマウスが正式に映画デビューした短編映画『蒸気船ウィリー』から、最新作『ミラベルと魔法だらけの家』までをガラコンサート形式で披露。開幕を翌日に控えたこの日は、開演直前まで奏者たちの練習音が客席に響いていた。

ドレスアップした8人のボーカリストが登場し始まった魔法の旅で、最初に演奏されたのは、来年創立100年を迎える「ウォルト・スタジオ・ディズニー」の創始者、ウォルト・ディズニーが、ミッキーマウスの短編映画シリーズとして最初に公開した『蒸気船ウィリー』。約7分間の楽曲は、映像と音楽がシンクロする場面が見所のひとつだ。

『蒸気船ウィリー』

『蒸気船ウィリー』

貨物の蒸気船を操縦するミッキーマウスが、気持ちよさそうに「スチームボード・ビル」のメロディを口笛で吹くシーンでは、アニメーションに合わせて高橋広奈が口笛を披露。ほかのボーカリストたちも船長のピートやにわとりに扮するなどして幕開けを盛り上げた。

映画『白雪姫』

映画『白雪姫』

高橋広奈

高橋広奈

世界初の長編アニメーションとして公開された映画『白雪姫』では、『ディズニー・オン・クラシック』に初出演する高橋が、「子どもの頃からの憧れ」という白雪姫になりきり「いつか王子様」などの名曲を熱唱。コミカルな動きで笑いを誘った鹿野浩史らは、七人の小人として「ハイ・ホー!」と元気よく歌声を合わせていた。白馬に乗った王子として、愛のキスで白雪姫を目覚めさせた新堂由暁は、「愛のファースト・キス」を高らかに歌い、愛の鐘を鳴り響かせた。

映画『白雪姫』より「ハイ・ホー!」

映画『白雪姫』より「ハイ・ホー!」

場面は、白雪姫が小人たちと暮らした森から、英国の南に実在する100エーカーの森へ。映画『くまのプーさん』シリーズの映像に合わせて、オーケストラが今回だけのオリジナル演奏で盛り上げた後は、ソリストの鹿野浩史がアコースティックギターが印象的な「ユア・ハート・ウィル・リード・ユー・ホーム」を熱唱。「♪あなたはひとりじゃない」と世界で初めて日本語詞で同曲を歌い上げた。

映画『くまのプーさん』

映画『くまのプーさん』

『ティガームービー/プーさんの贈りもの』より

『ティガームービー/プーさんの贈りもの』より

1部の最後は映画『塔の上のラプンツェル』の名シーンに合わせて、オリジナルのオーケストラ組曲を演奏。牧野元美と菅原洋平が、運命の相手に出会った奇跡を歌う「輝く未来」では、“夢を叶えた特別な夜”を迎えた喜びを観客と分かち合っていた。

映画『塔の上のラプンツェル』より「輝く未来」

映画『塔の上のラプンツェル』より「輝く未来」

牧野元美

牧野元美

休憩を挟んだ第2部は、「第94回アカデミー賞」で「歌曲賞」「作曲賞」「長編アニメーション賞」の3部門にノミネートされた最新作『ミラベルと魔法だらけの家』の名場面に合わせ、全米シングルチャートで1位に輝いた「秘密のブルーノ」など3曲を披露した。

『ミラベルと魔法だらけの家』より「秘密のブルーノ」

『ミラベルと魔法だらけの家』より「秘密のブルーノ」

イサベル役の田崎美香が「♪完璧を求めてもわたしはわたし」と歌う「本当のわたし」では、ミラベル役の高橋が「そう、あなたはあなた」と鼓舞。自分らしく生きることを大切さを伝えようと、力強く歌うソリスト2人に熱い視線が注がれていた。

『ミラベルと魔法だらけの家』より「本当のわたし」

『ミラベルと魔法だらけの家』より「本当のわたし」

姉妹の真実の愛をテーマにした映画『アナと雪の女王』では、雪の女王・エルサを思わせるアイスブルーのドレスに身をまとった牧野が、「レット・イット・ゴー 〜ありのままで」でこん身の歌声を響かせた。「♪何も怖くない」と強い意思をもった声は、氷で覆われた世界を打ち砕いていった。

映画『アナと雪の女王』

映画『アナと雪の女王』

映画『アナと雪の女王』より「レット・イット・ゴー 〜ありのままで」

映画『アナと雪の女王』より「レット・イット・ゴー 〜ありのままで」

ラストは今秋映画公開30周年を迎える『アラジン』。アラン・メンケンが手がけた名曲「アラビアン・ナイト」が奏でられると、会場は砂漠の国へ。序盤に披露された「ランプの伝説」では、アラジン役の新堂が盗みをはたらき追っ手から逃げるところを再現した。逃げる最中に、コンダクターの永峰大輔から指揮棒を奪い指揮をするなど、奇想天外な動きで会場の度肝を抜いていた。

永峰大輔

永峰大輔

新堂由暁

新堂由暁

魔法のじゅうたんに乗り込み、ジャスミンと中国やエジプトを旅する「ホール・ニュー・ワールド」では、新堂とジャスミン役の今井実希が「♪2人きりで一緒に、明日を見つめよう」と歌いながら寄り添った。ロマンチックなムードをぶち壊すように間に入ったジャファー役の後藤春馬は「アバヨ、王子様」で中を引き裂いていく。客席との距離が近い半円形のオープンステージで繰り広げられる、映像と音楽が連動したショーは圧巻の一言だった。

映画『アラジン』より「ホール・ニュー・ワールド」

映画『アラジン』より「ホール・ニュー・ワールド」

(左から)新堂由暁、今井実希

(左から)新堂由暁、今井実希

映画『アラジン』より「アバヨ、王子様」

映画『アラジン』より「アバヨ、王子様」

拍手に包まれてスタートしたアンコールでは、オーケストラ・ジャパン・コンサートマスターの青木高志が「星に願いを」バイオリンで奏でていく。コロナ禍のため、客席は声を出すことはせず心の中で合唱。ステージへ思いを伝えるようにカラフルな「ファンシー★カラーダイヤモンド・ライト(ペンライト)」が会場中に輝いていた。


終演後、エグゼクティブ・プロデューサーの日下部勝徳は「『ディズニー・オン・クラシック』は、この世の中が少しでも優しくなればと願い2002年に生まれました。ツアーでは、ボーカリストたちの声、オーケストラの音楽、そして光をお届けしたい」と思いを込めていた。

『ディズニー・オン・クラシック 〜夢とまほうの贈りもの 2022』は東京・福岡など全国12都市で15公演を行う。

Presentation licensed by Disney Concerts. (C)Disney
Winnie the Pooh: (C)Disney. Based on the “Winnie the Pooh” works by A.A. Milne and E.H. Shepard.

取材・文=翡翠