音楽家・haruka nakamuraの楽曲「every day」から着想を得て、冨士原直也がソーシャル・ネットワーキング サービスのmixiで発表した短編シナリオを原作に、手塚悟が監督・脚本を手がけた映画『Every Day』。切なく繊細なエピソードが評判を呼び、全国のミニシアターでロングラン上演が行われた。9月22日(木)より、林遣都×瀧本美織、相葉裕樹×北原里英、赤澤遼太郎×瑞季の3組がメインキャストを務める朗読劇が上演される。

本作が初共演となる赤澤遼太郎と瑞季にインタビューを行った。

■新鮮な気持ちで挑み、このペアならではの物語を届けたい

ーーまずは出演が決まった時の思いを教えてください。

赤澤:コロナ禍でオンラインの朗読劇をやったことはあったんですが、生の朗読劇は久しぶり。お話をいただいたときは楽しみな気持ちがすごく強かったです。内容も会話劇で恋愛もの。僕が演じたことのないタイプの作品なのでワクワクしましたし、新鮮な気持ちで挑戦できると思います。

瑞季:私は朗読劇自体が初めてなので、どういったものになるか不安がありました。でも、内容を聞いて台本を読んで、すごく魅力的な作品ということもあって楽しみが増してきました。初めてで至らない部分はあると思いますが、私たちらしい新鮮さをお届けできたらと思っています。

ーー映画を初めて見たとき、どんな印象を受けましたか?

赤澤:切ない! ってなりました。

瑞季:本当に切なくて、正直苦しくなりました。

赤澤:「これを演じるのか」と思いましたよね。役者として楽しみでもありますが、お互い心身を削るお芝居になるのかなと思います。

赤澤遼太郎

赤澤遼太郎

ーーご自身が演じるキャラクターについての印象はいかがでしょう。

赤澤:僕は晴之の気持ちがすごく分かるなって思いました。僕もあんまりストレートにものを言えるタイプじゃないんです。思っていることがあっても人の顔色を窺って言えなかったり、「ごめん」ってとりあえず謝っちゃったりする不器用さには共感するし愛おしいなと思いますね。あと、根本的にダラダラしていて、そんな日常に幸せを感じる部分もすごく分かります。

瑞季:咲ちゃんが戻ってきて日常を過ごす時に、今まで通りの自分でいようとする。明るく振る舞って晴之にもストレートにものを言うんですよね。でもその日常には期限があって複雑な気持ちを抱えている。どう演じるか難しい部分はありますが、日常を過ごす咲ちゃんの優しさや明るさは自分のままで演じられるかなと思っています。

ーー先程お会いしたばかりと言うことでまだお互いの印象は掴みきれていないと思いますので、相手が演じるキャラクターのここが好き、可愛らしいなと言う部分を教えてください。

赤澤:これは瑞季さんの印象になるんですが、お話ししているのを聞いて、声がとても素敵だなと思いました。朗読劇になったらきっと癒されるだろうし、そこがキャラクターに重なるなと。咲ちゃんは多分晴之にとって光だし、気付かないうちに引っ張ってくれたり癒してくれたりする存在だと思うんです。瑞季さんの声がそのイメージに重なって楽しみになりました。あとは咲ちゃんの意外とおっさんなところが好きですね。ギャップが面白いと思います。

瑞季:晴之の、すぐに「ごめん」って言う性格とか、ちょっと尻に敷かれているような要素があるのが可愛らしいなと思いました。先程、赤澤さんが初めましてのご挨拶をしてくださったんですけど、私はメイク中だったのでちょっと戸惑ってしまって。「すいません! すいません!」っておっしゃる姿が、役柄とちょっと重なりました(笑)。

瑞季

瑞季

赤澤:声をかけてから、今じゃなかったなと(笑)。

ーー映画を観たあと、朗読劇の台本を読んでいくうちに印象の変化などはありましたか?

赤澤:僕たちは映画の温度感ではできないなと思いました。年齢も違うから、いい意味で差を出して僕らなりの作品にできるんじゃないかと思っています。脚本は年齢が高く設定されているわけではないし、等身大でできるのかなと。

瑞季:映画ならではの魅力と、私たちが演じるからこその魅力がそれぞれあって、同じ作品だけど全く違うものにできるんじゃないかと。言葉は同じでも、映画とも他のペアの皆様とも違う印象になると思うので、新鮮な気持ちで見ていただけると思います。ある意味新しいものとして作っていきたいです。

■自分を重ねながら観ていただけると思います

ーー映画でお気に入りのキャラクターやシーンはありますか?

赤澤:居酒屋で晴之と友達がご飯を食べているシーンです。女友達が卵焼きを食べて、微妙な顔をするんですよ。多分しょっぱいんですよね。(咲ちゃんが作ってくれたお弁当だと言っているけど)咲ちゃんは料理上手だから晴之が自分で作ったのかなとか、解釈の余地があるシーンがすごく好きでした。

瑞季:私は本当にシンプルに、二人の日常が好きです。セリフがなくても温かさが垣間見える瞬間があって、純粋にほっこりします。

赤澤:キャッチボールのシーンとか良かったですよね。何気ない感じが。

ーー日常の光景や周りにいる人たちについて、改めて考えさせるような作品です。お二人にとって欠かせない“日常”はなんですか?

赤澤:僕は朝ごはんですかね。本当に日常なんですけど、1日の始まりという感じで欠かせないかな。

瑞季:私は起きて最初に飲む一杯のコーヒーです。私の生活にはマストですね。

(左から)赤澤遼太郎、瑞季

(左から)赤澤遼太郎、瑞季

ーー余白が多く、想像を膨らませられる作品です。どう作っていきたいか、現時点でのビジョンはどうでしょう。

赤澤:自分の中ではちゃんと答えを出した上で演じて、観た方にどう受け取っていただけるのかが楽しみですね。

瑞季:日常の一週間を見て、その後はお客さんに想像していただく形になると思っています。朗読劇を見て、深いところまで想像を膨らませて楽しんでいただけるよう、私たちで作っていけたらいいのかなと思っています。

ーー映画ファンの方、事前に映画を観て来られる方も多いと思います。朗読劇ならではの見どころを教えてください。

瑞季:すごくシンプルな答えになりますが、生演奏です。

赤澤:音楽の力はすごいですもんね。

瑞季:生演奏が言葉とどう重なっていくか、想像しただけで鳥肌が立ちます。

赤澤:映画は会話ひとつ、背景ひとつとってもすごくリアリティがある作品。それを朗読劇にしたときに、お客さんが自分のリアルを投影して僕たちの物語を見てくれると思うんです。身近な景色を僕らのお芝居に重ねながら観ていただけるのが魅力だと思いますね。

ーー他のペアにない自分たちの強みはどこだと思いますか。

瑞季:強みかは分からないですが、やっぱりフレッシュさですかね。そこは出したいです。

赤澤:20代半ばはフレッシュっていう年齢ではないかもですが(笑)、僕らならではフレッシュさを存分に出していきたいです!

赤澤遼太郎

赤澤遼太郎

瑞季:頑張りたいです(笑)!

■生演奏×朗読×お客様で、素敵な空間を生み出せるはず

ーー今回はお二人ともあまり経験のない朗読劇への出演ですが、今後こんな作品に挑戦してみたいと言うものはあるでしょうか。

赤澤:僕は個人的に恋愛ものをやりたくて。役の話になっちゃうんですが、絶対報われない幼馴染みたいなキャラをやりたいです。

瑞季:一番おいしいキャラ(笑)。

赤澤:すごい切ないですよね。絶対好きになってもらえないのにヒロインを手助けしたり、相談に乗ってあげたり、その姿が愛おしくて。そういう役って絶対楽しいと思います。気持ちはしんどいけど、前に進む姿を通して見ている人の共感を得られる。やってみたいです。

瑞季:私は今まで会話劇をあまり経験してこなかったので、今回の朗読劇が楽しみです。今回は二人の掛け合いが多く、二人で会話を広げていくのが楽しみですが、たくさんの人がいて色々な会話をして……という会話劇はやったことがないので、挑戦してみたいと思いますね。

ーーもしかすると、朗読劇を観るのは初めてというファンの方もいるかもしれません。

赤澤:そうですね。しかも恋愛ものですから、ファンの方はどう思うだろうというドキドキも正直あります。でも、生半可な覚悟では挑んでいないので、新しい姿を楽しみにしていただきたいです。

瑞季:私自身もこの作品が初めての朗読劇になるのですごく楽しみにしています。ここ数年、声のお仕事をさせていただくようになり、「すごくいい」と言って下さる方もいて。言葉の掛け合いと音楽で、素敵な空間になるんじゃないかと想像を膨らませています。その空間を楽しみに、劇場にいらしていただけたらと思います。

瑞季

瑞季

ーーここまでお話ししてきて、お互いの印象は多少深まったでしょうか。

赤澤:怖い人だったらどうしようかと思っていましたが、すごく話しやすい方でよかったです(笑)。普段は男性だけの舞台が多くて女優さんとの共演は少ないので、新鮮ですしまだ慣れないですね。

瑞季:お会いするのは初めてですが、優しい性格が滲み出ている方だと思いました。インタビュー中も、私が答えに詰まっていると会話に入ってくれて。

赤澤:(瑞季も)すごく優しいです!

瑞季:いえいえ(笑)。

ーー最後に、改めてファンの皆さんへのメッセージをお願いします。

赤澤:役者として6年ほどお仕事をしていますが、会話劇には中々巡り合う機会がなかったので、多分今回が初めての挑戦です。今までにない僕の姿を見せられると思うので、楽しみにしていただけたら嬉しいです。生演奏と僕らのお芝居とお客さんが合わさって、上質で贅沢な時間になるんじゃないかと思います。ぜひ劇場に足をお運びいただけると嬉しいです。お待ちしております!

瑞季:出演者の皆様は赤澤さんを含めて存じ上げている方ばかりで、正直プレッシャーを感じました。でも、自分にとってひとつの大きな挑戦になるんじゃないかと思っています。ずっと応援してくださっている方にも、新たな一面を観ていただきたいと思っています。他のペアにはない、わたしたちだけの物語を一緒に作っていけたらと思っていますので、朗読劇という素敵な空間と時間を楽しみに、劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです。

(左から)瑞季、赤澤遼太郎

(左から)瑞季、赤澤遼太郎

取材・文=吉田沙奈    撮影=敷地沙織