ウルトラマンシリーズにおいてヒーローと対峙し、物語を熱く盛り上げる数々の怪人や星人、ダークヒーローたち。悪でありながら強い魅力を放つ個性的なダークヒーローにスポットを当てるのが『DARKNESS HEELS』プロジェクトだ。2019年にメディアミックスの第一弾として上演された舞台を再構築した『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜2022』が、9月15日(木)より開幕した。脚本・演出は初演から引き続き、久保田唱が担当する。ウルトラマンベリアル役・八木将康、ジャグラス ジャグラー役・谷佳樹、イーヴィルティガ役・正木郁、ダークザギ役・樋口裕太、カミーラ役・小田えりな(AKB48)をはじめ、総勢31名のキャストが集結。5人のダークヒーローに焦点を当てて描かれた物語をさらにブラッシュアップし、新たな作品として生まれ変わった舞台のゲネプロの様子をお届けしよう。

舞台『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜2022』ゲネプロより  (C)円谷プロ (C)DHL2022製作委員会

舞台『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜2022』ゲネプロより  (C)円谷プロ (C)DHL2022製作委員会

物語は、ウルトラヒーローたちに倒されたダークヒーローが惑星テリオによって復活させられることからスタートする。

巨人化する能力を失い、人間の体になってはいるものの、身体能力は常人よりも上。人間サイズの身体という不便な檻に囚われているからこそ、それぞれの個性が色濃く感じられる。派手なアクションが次々に繰り広げられ、ワクワクしながらダークヒーローたちの活躍に見入ってしまうこと間違いなしだ。

“悪の帝王”らしい圧倒的なパワーで敵をねじ伏せるベリアル、衝動任せに見えてクレバーさも感じさせるダークザギ、光と闇の狭間で葛藤しながら自らの核を探すイーヴィルティガ、しなやかに戦うカミーラ、トリックスターのような立ち位置で軽やかに立ち回るジャグラス ジャグラーと、バトルシーンから受ける印象も様々。全編通して迫力ある殺陣が繰り広げられ、アクションも存分に楽しむことができる。

舞台『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜2022』ゲネプロより  (C)円谷プロ (C)DHL2022製作委員会

舞台『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜2022』ゲネプロより  (C)円谷プロ (C)DHL2022製作委員会

舞台『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜2022』ゲネプロより  (C)円谷プロ (C)DHL2022製作委員会

舞台『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜2022』ゲネプロより  (C)円谷プロ (C)DHL2022製作委員会

惑星テリオを脱出したダークヒーローたちは、それぞれ惑星アバンと惑星O-50に逃れる。惑星アバンに降りたのはベリアル、カミーラ、イーヴィルティガの3人だ。

八木は、光の国で生まれながら正義の心を失い息子であるウルトラマンジードに倒されたベリアルを迫力たっぷりに好演。自分を蘇らせた惑星テリオに対しても、他のダークヒーローたちにも怯まず真正面からぶつかる潔さが見ていて心地良い。力への強い意志や惑星アバンの人々に対する尊大な態度で恐ろしさを見せつつ、一本芯が通ったどこか憎めない帝王となっており、見ているうちにどんどん魅力的に見えてくる。

光の巨人でありながらマサキ・ケイゴの歪みによって暴走するイーヴィルティガ役の正木は、自らが持つ二つの心に戸惑いながらも前に進もうとする様子を繊細に演じる。本来は悪でないせいか、ダークヒーローたちの中では穏やかな雰囲気があり、惑星アバンの人々と対話しながら自分の進むべき道を見つけていく姿を応援したくなる。

小田はかつてのティガダークの恋人であり、愛憎に狂ったカミーラを、クールながら愛情深い女性として描き出す。自らの惑星を愛し、自然との調和を重視するアバンの人々への共感、そこで出会った少女・レジーナ(赤坂麻凪)とその恋人への想いからアバンを守ろうとする姿に、“悪”というものの基準が分からなくなってくる。

また、かつて侵略者に襲われたことをきっかけに自ら戦うことを選び、研究者となったワード・ロレッテ(大浦龍宇一)、政府職員のエメリ・アメリ(間島和奏)といったアバンの人々の主義も見どころだ。惑星で暮らす人々の間にも考え方の違いがあり、一筋縄ではいかないドラマを見せてくれる。ワードはレジーナとその弟・ダッシュの父親でもあり、家族に対する深い愛を感じさせるシーンにもグッときた。

舞台『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜2022』ゲネプロより  (C)円谷プロ (C)DHL2022製作委員会

舞台『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜2022』ゲネプロより  (C)円谷プロ (C)DHL2022製作委員会

舞台『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜2022』ゲネプロより  (C)円谷プロ (C)DHL2022製作委員会

舞台『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜2022』ゲネプロより  (C)円谷プロ (C)DHL2022製作委員会

舞台『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜2022』ゲネプロより  (C)円谷プロ (C)DHL2022製作委員会

舞台『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜2022』ゲネプロより  (C)円谷プロ (C)DHL2022製作委員会

ジャグラス ジャグラーとダークザギが降り立ったのは、ジャグラス ジャグラーと因縁深い惑星O-50。

ウルトラマンオーブのライバル・ジャグラス ジャグラーを演じる谷は、飄々とした態度が楽しい。惑星テリオの研究所所長・ヒュースと腹の探り合いをする狡猾さ、自分の目的のためではあるが他のダークヒーローたちをサポートするような面倒見の良さ、自らの闇落ちの原因となった故郷への恨みといった様々な感情を覗かせ、目を離せない存在感を放っていた。

樋口が演じるダークザギは、人間たちがウルトラマンノアを模して造った兵器。勝手な都合で道具として利用されてきたことへの怒りから全てを破壊しようとしている彼だが、それゆえに似た境遇にある相手には優しさを見せることも。また、骨のある相手は敵であっても称賛するなど、率直で可愛らしい一面も目立っている。

「光の戦士」になるための力を授ける「戦士の頂」を有するこの惑星。光の力を持つものが集まりながらも、その影には闇や格差が生まれていることを語るのが、2人が出会うパルビナ・ルイ(北澤早紀)だ。信念を持って闇の道に進んだ彼女の言葉には重みがあり、改めて「正義とは何か」を考えさせられる。

舞台『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜2022』ゲネプロより  (C)円谷プロ (C)DHL2022製作委員会

舞台『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜2022』ゲネプロより  (C)円谷プロ (C)DHL2022製作委員会

舞台『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜2022』ゲネプロより  (C)円谷プロ (C)DHL2022製作委員会

舞台『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜2022』ゲネプロより  (C)円谷プロ (C)DHL2022製作委員会

舞台『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜2022』ゲネプロより  (C)円谷プロ (C)DHL2022製作委員会

舞台『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜2022』ゲネプロより  (C)円谷プロ (C)DHL2022製作委員会

惑星で暮らす人々と触れ合い、戦う理由を見付けるダークヒーローたちとは対照的に、“正義”を歌う惑星テリオの戦士たちが迷う構図も面白い。自らを正義だと認識し、惑星アバンと惑星O-50を侵略するテリオの戦士たちの心の揺れや迷いにも心を揺さぶられた。本作ではダークヒーローたちの内面や事情が丁寧に書かれているのに加え、研究所の所長・ヒュースの真意が明かされないこともあり、「自分たちは正義である」という主張の正当性や根拠が見えてこない彼らの危うさが浮き彫りになる。光と闇、正義と悪の境界があやふやになる中、登場人物一人ひとりの言葉や生き様から多くのことを考えさせられた。

見応えのある華やかな殺陣やアクションが満載なだけでなく、人間ドラマや「正義と悪」という深いテーマも盛り込まれた本作。ウルトラマンシリーズが好きな方はもちろん、特撮作品が好きな方、ワクワクドキドキできるエンターテインメントを味わいたい方にも是非チェックしてほしい。

舞台『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜2022』ゲネプロより  (C)円谷プロ (C)DHL2022製作委員会

舞台『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜2022』ゲネプロより  (C)円谷プロ (C)DHL2022製作委員会

キャストコメント

■八木将康
本日舞台『DARKNESS HEELS〜THE LIVE〜2022』の初日を迎えることが出来、本当に嬉しく沢山の方にご覧いただけるのが楽しみでなりません。
この舞台はキャスト総勢31名で繰り広げられる芝居・アクションに加え、大スクリーンの映像を駆使したエンターテイメント満載の作品となっております。
ウルトラマンシリーズファンの皆様にお馴染みの個性豊かなキャラクター、加えて舞台版「DARKNESS HEELS」から登場したキャラクターが活躍します。
一人ひとりの過去や欲望が渦巻き、あっという間に終演を迎えてしまうようなストーリー展開を是非楽しみにしていてください。
光とは何か。闇とは何か。何が正義で何が悪なのかをその目で確かめて頂きたいです。劇場でお待ちしております。

■谷佳樹
ジャグラス ジャグラーを演じさせて頂きます谷佳樹です。皆様に「DARKNESS HEELS」の世界を全身に浴びて頂きたく全員で稽古に励んで参りました。
闇の者達がそれぞれ二つの惑星に降り立つ事で展開していく光と闇の物語。
光とは、闇とは
全ての物事は見る側面によって色や形を変える表裏一体のもの 
噛めば噛むほど面白い作品だと思います。
僕自身3年ぶりにジャグラーを演じるという事で物語を一度俯瞰で見た時、さらに物語に深味が増しました。
“これは面白い”
何度でも楽しんで頂ける“ダクヒ”
皆様の考察や視点も変えながら色んな解釈をしても楽しいかもです。
最後まで応援よろしくお願いします!!!

■正木郁
楽しみにしてくださっている皆様、お待たせいたしました!
このような時代に本番を迎えられること、そしてお客様をお迎えできること、心より嬉しく思います。
今作は再演ではありますが、より進化したエンターテインメントをお届けいたします。
稽古中も滝のような汗をかきながら、熱量の高い日々を過ごしていました。
この作品の美しさ、そしてイーヴィルティガの存在を是非お楽しみください。

■樋口裕太
ダークザギ役の樋口裕太です。今回ザギとしてこの世界に生きられること、とても光栄です。アクション満載でとても見応えがある作品となっております。キャスト一同全員でこの世界観を大切にし、お客様に届けられるよう頑張らせて頂きます。最後まで応援宜しくお願いします。

■小田えりな
カミーラとして舞台の上で生きる準備はたくさんしてきたので、こうしてゲネプロと初日を無事に迎えられることが嬉しいです!
迫力満点のアクションや世界観を感じるセリフにも注目していただきたいですし、ウルトラマンシリーズを好きな方にも初めてこの世界に触れる方にも楽しんでいただきたいです! 

 (C)円谷プロ (C)DHL2022製作委員会

 (C)円谷プロ (C)DHL2022製作委員会

本作は9月15日(木)より20日(火)まで、シアター1010にて上演される。

取材・文・撮影=吉田沙奈