『Chillin’Vibes -Extra-』2022.9.17(SAT)大阪・せんなん里海公園 潮騒ビバレー

『Chillin’Vibes -Extra-』BEGIN

『Chillin’Vibes -Extra-』BEGIN

9月17日(土)、大阪の岬町・阪南市にある「せんなん里海公園 潮騒ビバレー」で『Chillin’Vibes -Extra-』が開催された。本イベントは、全国から観光に来てもらうために大阪府内で展開されている『大阪来てな!キャンペーン』の一環として開催。府内の自然豊かなエリアで様々なゲストを迎え、スペシャルフリーライブを行うもので、今回はその第1弾としてBEGINが登場。この日はライブのほかに、大阪のラジオ局・FM802の番組『THE NAKAJIMA HIROTO SHOW 802 RADIO MASTERS』の公開収録も行われるなど、大盛り上がりの1日となった。

会場となった「せんなん里海公園 潮騒ビバレー」は国内唯一の有観客ビーチバレー競技場だ。目の前の「淡輪ときめきビーチ」には美しい海と砂浜が広がり、開放的で自然豊かな場所。この日はフリーライブながら、事前応募受付でチケットを手にした約2000人の観客が集結。会場周辺にはフードトラックも登場し、食事を楽しみながら、砂浜に腰掛けてのんびりとくつろぐ観客の姿も多く見られた。

『Chillin’Vibes -Extra-』BEGIN

『Chillin’Vibes -Extra-』BEGIN

待ちに待った開演の時刻を迎え、観客の大きな拍手に迎えられてBEGINのメンバーが登場。この日のライブはビーチバレーの試合が行われる砂の上に特設ステージが組まれ、その周りを360度囲むように観客がずらりと並んでいた。初めての会場、初めての全周型ライブに「どこ向いて喋ったらいいかわからないな」と、戸惑うメンバーたち。それでも比嘉栄昇(Vo)はまずは観客と一体になろうと、曲を始める前に「手拍子を本気で考えたことがある?」と言葉を投げかける。「手拍子は楽しいもの、一生楽しめる楽器と同じ」と、曲に合わせてリズムやビートを楽しんでほしいと、観客に理想の手拍子の方法を指南。

『Chillin’Vibes -Extra-』BEGIN

『Chillin’Vibes -Extra-』BEGIN

「グルーヴを作って、リズムを感じよう!」と、1曲目「いつものように」へ。同曲は1990年に発表された、1stアルバムに収録されている初期のもの。数えきれないほど聴いてきたであろうファンは慣れたもので、教えてもらったばかりの手拍子を鳴らし、360度全周からご機嫌なビートをメンバーへ届ける。比嘉はウォッシュボードで愉快なリズムをかき鳴らしながらソウルフルな歌声を響かせ、上地等(Pf.Vo)も跳ねるようなメロディを鳴らす。上地と島袋優(Gt.Vo)のコーラスが加われば、いつもの音楽旅団の始まりだ。

島袋のブルージーなギターが鳴り響き、比嘉の唸るような歌声がブルースのダイナミズムを形作っていく「迷路の出口」。テンポががらりと変わり、ために溜めまくったブルースギターに心をぐっと掴まれる「定価ブルーズ」など、バンドの高まるグルーヴについていこうと手拍子でリズムを取る観客たち。

『Chillin’Vibes -Extra-』BEGIN

『Chillin’Vibes -Extra-』BEGIN

「砂糖てんぷら」は彼らの出身地・石垣島のソウルフード、サーターアンダギーのことを歌った歌。ラテンのリズムにジャズも盛り込んだ、ここは沖縄? ニューオリンズ?と、とにかく心も体も弾む幸せな歌は聴けば聴くほどにお腹が空いてくる。続く「ボトル二本とチョコレート」では前曲とは一転、シンプルなリズムと肩の力が抜けるリラクシンなリリックにほっこり。グルーヴィだけど、するりと耳に心に馴染んで離れないのが彼らのサウンド。大人も子どもも満面の笑顔で体を揺らして浸っている。

『Chillin’Vibes -Extra-』BEGIN

『Chillin’Vibes -Extra-』BEGIN

「最高の場所だな」。たくさんの観客に囲まれ、海風がそよぎ、会場の後ろには大きな海が広がる、BEGINのために作られたようなステージでのライブに満足げなメンバーたち。「手拍子はお休みして、ゆったりして」と続いて披露したのは、島袋がリードボーカルをとる「海の声」。抜群のロケーションでの名曲歌唱に心癒される観客たち。小さな子どもをぎゅっと抱きよせ愛おしそうに曲に聴き入るお母さん。音に合わせて体を揺らし、肩を寄せ合う年配の夫婦の姿も見える。いろんな人の幸せな声が聞こえてきそうで、会場全体が多幸感に満ちていく。

ライブ後半は、故郷を詠う島唄へと繋いでいく。「竹富島で会いましょう」で観客の手拍子と息ぴったりのリズムで会場のテンションを高めると、三線の音色がご機嫌な「オジー自慢のオリオンビール」では、楽曲の根底にあるレゲエのビート、訛りのあるリズムを感じてほしいと、いつも以上に地色の濃いグルーヴィなサウンドを響かせていく。

『Chillin’Vibes-Extra-』

『Chillin’Vibes-Extra-』

本編ラストはBEGINのライブでお馴染みのウサギのマスコット・マルシャンちゃんも登場し、マルシャショーラのメドレーへ。マルシャショーラはブラジルのサンバの起源といわれる音楽「マルシャ」と、八重山地方の方言で「しようよ!」の「ショーラ」をつなげた造語。ここ数年、BEGINのライブの定番となっていて、イチ、ニと足踏みをすれば、自然とマルシャのリズムに、そしてBEGINの世界にすっぽりと入り込めてしまう。「バルーン」や「笑顔のまんま」、「涙そうそう」と、名曲を次々にマルシャアレンジで届ける3人。BEGINが持つ沖縄も日本も超えた、ワールドワイドな「これぞ音楽旅団!」なバンドサウンドに改めて感服させられる。

ライブはそのまま、アンコール曲として「島人ぬ宝」も披露。美しいメロディに心癒され、至福の時間はあっという間に終幕となるも、ライブの余韻も冷めぬなか、メンバーはそのままFM802の番組『802 RADIO MASTERS』の公開収録に参加。

FM802 DJ 中島ヒロト

FM802 DJ 中島ヒロト

DJの中島ヒロトとのトークではライブの感想はもちろん、この日のライブが『大阪来てな!キャンペーン』の一環ということもあり、大阪にまつわる話に。比嘉は「串揚げもいいけれど、大阪の人は憂歌団や上田正樹の存在をもっと自慢すべき!」と、大阪に根付いたブルースのカルチャーをもっと広げてほしいと語る。ほかにも、「沖縄のおじいとおばあも元気だけど、難波のあたりにいるおじさんおばさんも元気!」と、大阪の底抜けに明るいパワーは魅力で溢れていると語るメンバーたち。最後には「大阪は第二の故郷だからこそ、今日の『大阪来てな!』のイベントに参加できて良かった」と大阪愛をたっぷりと語ったところでイベントは終了した。

『Chillin’Vibes -Extra-』BEGIN

『Chillin’Vibes -Extra-』BEGIN

『Chillin’Vibes -Extra-』はこの日のステージを含み、全4公演を予定している。9月24日(土)には東大阪市・花園中央公園でLittle Glee Monsterが。10月1日(土)には南河内郡河南町・近つ飛鳥博物館で大塚 愛、10月9日(日)には吹田市・万博記念公園でハラミちゃんが登場する。いずれもスペシャルフリーライブとFM802の番組『802 RADIO MASTERS』の公開収録が行われる予定だ。さらに、10月15(土)、16(日)日には『Chillin’ Vibes 2022』が大阪城公園 西の丸庭園で開催される。気になる出演者やチケットの詳細についてはオフィシャルサイトをチェックしよう。

取材・文=黒田奈保子 撮影=小林 俊史