開幕を2022年11月19日(土)に控えた、屋良朝幸主演 オリジナルミュージカル『りんご』の公開稽古がオンラインで開催され、公式レポートが届いた。

披露されたのは作品の冒頭部分、3つのナンバーを含む15分程度。主演・木村秋則役の屋良朝幸と、その妻・木村ミチコ役の梅田彩佳によるしっとりと聴かせるナンバーや、秋則の兄・ハルヒコ役のMicro(Def Tech)による軽快なラップ、ミュージカルらしいラインダンスなど、多彩な楽曲やダンスに加えて、テンポの良いコミカルな掛け合いも混ざり、自然と笑顔が込みあがるシーンが公開された。

 (C)オリジナルミュージカル「りんご」製作委員会/撮影:岩田えり

 (C)オリジナルミュージカル「りんご」製作委員会/撮影:岩田えり

 (C)オリジナルミュージカル「りんご」製作委員会/撮影:岩田えり

 (C)オリジナルミュージカル「りんご」製作委員会/撮影:岩田えり

公開稽古の後には、屋良、梅田、Microによる取材会も行われ、オリジナルミュージカル『りんご』の魅力について、屋良は「木村秋則さんの人生を描く物語ですが、これからの地球にとって大切なメッセージを“サラッと”描いています。なぜ“サラッと”かというと、エンターテインメント要素がとても強い中でも“サラッと”いいこと言ってるんです。これからの人類のために知らなければいけないことを押し付けるわけではなく、エンターテインメントだからこそ楽しく魅せることができて、地球のために何ができるか・次の世代にどのように伝えていけばいいかということが込められているところが、オリジナルミュージカル『りんご』の魅力です」と語った。梅田は、「おもちゃ箱がどんどん開いていくみたいに物語が次々へ進んでいって、最終的には感動しているというミュージカルになっています」とワクワク感を表現
し、Microは「様々な音楽に歌を乗せていくことができるミュージカルだからこそ伝えられることがあるので、それに乗せて想いを伝えていくことが今回の使命だと感じています。一回じゃ見きれないと思う! 内容も2度、3度とみて深まっていきます。何度もぜひ見てください!」と熱く語った。

 (C)オリジナルミュージカル「りんご」製作委員会/撮影:岩田えり

 (C)オリジナルミュージカル「りんご」製作委員会/撮影:岩田えり

 (C)オリジナルミュージカル「りんご」製作委員会/撮影:岩田えり

 (C)オリジナルミュージカル「りんご」製作委員会/撮影:岩田えり

見どころについて問われると屋良は「音楽の幅が幅広い。ラップやカントリー調など、こんな幅広い音楽のジャンルを使うミュージカルは見たことないし、ミュージカルというカテゴリーをぶち壊していると思う」と新たな挑戦を披露することを心待ちにしている様子。そんな屋良座長率いるカンパニーの雰囲気について梅田は「こんなに笑いが絶えない稽古場は初めてです。屋良さんが舞台裏の様子を撮影して自らナレーションを入れたり編集してくれていて、HPなどに上がっているので、この仲のいい雰囲気が伝わればいいなと思います」と笑顔で話した。Microも「自分は音楽の畑でやってきたので舞台の現場は慣れ親しんでいませんでしたが、垣根を取っ払って、みんなによくしていただいています。感謝しかないです」と話し、インタビュー中も終始リラックスした雰囲気で、笑いが起こる場面があるなど、和気藹々としていた。最後に、屋良より「次の世代に残していけるものはなんだろう? と考えさせられる作品になっています。それをエンタメとして昇華させることで、お客様が観終わった後に身近でできることを考えるひとつのきっかけになれば」と取材会を締めた。

 (C)オリジナルミュージカル「りんご」製作委員会/撮影:岩田えり

 (C)オリジナルミュージカル「りんご」製作委員会/撮影:岩田えり

また、屋良朝幸の作品についてや演じる役のモデルとなった木村秋則氏を訪ねた際の想いなどをまとめたコラムも届いたので紹介する。

長く不可能とされてきたりんごの無農薬栽培を、それも無肥料で成功させた木村秋則の物語は、ドキュメンタリー番組や著書、映画などで広く知れ渡っている。舞台でも、2010年にいち早く、『りんご』と題してその苦闘の人生を届けた。あれから12年。木村はその後も自然との共生と向き合い続けている。世界が感染症や温暖化の脅威にさらされている今こそ、再びその姿を描くことが必要ではないか。オリジナルミュージカル『りんご』の創作がそうして始まった。主演を担うのは、数々のミュージカル作品で活躍している屋良朝幸。

「僕はマリンスポーツやダイビングが好きで、温暖化による珊瑚の白化や海面上昇、プラスチックゴミなど、海の問題に関心を持っていました。そんなときにこのお話をいただいて。僕たち人間が犯してきたことが自然災害として返ってきているこの現状において、大きなメッセージを持つ作品になるのではないかと思いました。といっても、それを押し付けるのではなく、エンターテインメントだからできる伝え方をしたいと思っています」

実際、劇中で歌い踊るのは、ラップなどファンキーな曲が多い。
「口ずさみたくなるようなキャッチーな曲ばかりなんです。でも、歌詞を聞くと、土に含まれているバクテリアが大事なんだとか、自然のことが事細かに語られている。その振り幅を楽しんでいただけたらなと思いますね」

屋良は青森まで木村を訪ね直接話も聞いた。マインドは、しっかりその身に入っている。
「無農薬栽培についても賛否両論ある中で、ブレずに闘ってきた木村さんが調べて体験して見つけた真実や危機感がある。それを伝えてくださいと僕たちに託してくださったことでさらに火が付きました! 作品の中で明確な答えは出ないと思います。でも、次の世代のために今何ができるのか考えるきっかけになって、一人ひとりが生活を変えたら地球が元に戻るかもしれない。演劇の世界だけに収まらない作品になる気がするんです」

取材・文:大内弓子

 (C)オリジナルミュージカル「りんご」製作委員会/撮影:岩田えり

 (C)オリジナルミュージカル「りんご」製作委員会/撮影:岩田えり

本公演は、2022年11月19日(土)〜12月7日(水)東京・自由劇場にて上演。