2023年6月29日(木)〜7月9日(日)下北沢・本多劇場にて、加藤健一事務所6月公演『ジン・ゲーム』が上演される。

世界三大トランプゲームのひとつ、“ジン・ゲーム”。誰でも気軽に遊べる単純なトランプゲームが、孤独な老人の侘しさ、そして一筋縄ではいかなかった人生を暴く。少しチクリと刺さるような、ビターコメディー。二人芝居の相方には竹下景子を迎え、ピューリッツァー賞を受賞した会話劇の名作に挑戦する。

このたび竹下、加藤からコメントが到着した。

竹下景子コメント

竹下景子

竹下景子

加藤健一事務所の公演に参加するのは『川を越えて、森を抜けて』(2009・2012年)、『喝采』(2017・2019年)、に続いて3作目です。加藤さんご自身がプロデュースされ、常に上質な演劇を世に送り出しているこのカンパニーの一員となれるのは、一俳優として晴れがましいのと、それと同じくらいテンションが上がります。のっぴきならない感じ。

で、今回の『ジン・ゲーム』です。オファーを受け即決。チャンスの女神には前髪しかない、と言うではないか。脚本が面白い!それだけじゃない、しみじみ感じ入るところもありそう。作者のD.L.コバーンはこの作品がデビュー作でしかもピューリッツアー賞を受賞している。

でもね、ともう1人の私「二人芝居よ、これ。台詞の量は半端ないし、最近とみに台詞覚えワルくない?」そうなんです。自覚あり、です。しかもタイトルの「ジン・ゲーム」なるトランプ遊びが劇中に14回も登場するんです。これまで演じた役の中で最高難度の作品かもしれません。

この脚本を手に取るまでジン・ゲームの「ジ」の字も知らなかった私ですが、メンタルもフィジカルにおいても強靭な加藤さんの胸を借りてコツコツ丁寧に役を創っていく所存です。どうぞよろしくお願いします。

加藤健一コメント

加藤健一

加藤健一

ベントレイ保養園と呼ばれる老人ホームのサン・デッキ。面会日でもある日曜日の午後。サン・デッキへの出入口の向こうでは、家族や知人たちと楽しそうに語らう人々の声。

しかし訪ね来る人のないウェラーとフォンシアは、今日もジン・ゲーム(トランプゲーム)をしながら時の流れを待つ。 

初めてジン・ゲームをするというフォンシアが、このゲームが得意だと言うウェラーに勝ち続ける様子は、まるでドタバタコメディのようでもあるが、ゲーム中に交わされる会話から浮かび上がって来る二人の人生の悲哀は、面白おかしいゲームの成り行きとは裏腹に、人の心を打つ。

竹下景子さんとの共演は『川を越えて、森を抜けて』『喝采』に続き三本目となりますが、いつも全身全霊で板の上に立ち続ける竹下さんの姿には、心洗われる思いがしています。

今回は二人芝居でもあり、膨大な台詞をとにかく頭に叩き込み、それをクリアした上で、このピューリッツァー賞受賞作品をどこまで深く、そしてどこまで楽しく表現出来るかがとても楽しみです。