4月にスタートした「良かれと思って!」(フジテレビ、毎週水曜22時)が同時間帯で好調の“水曜バラエティー”の中で奮闘中だ。

 この時間帯はファンを多く持つTBS「水曜日のダウンタウン」(毎週水曜21時57分)と、テレビ東京らしい企画が支持されている「家、ついて行ってイイですか?」(毎週水曜21時)が並ぶバラエティーの激戦区。そのため、放送開始直後は視聴率で苦戦を強いられてきたが、6月のリニューアル後は健闘しており、同月28日放送で初めて視聴率が「水曜日のダウンタウン」を上回るなど上昇の兆しを見せている。

 番組はバカリズム、劇団ひとり、ハライチの澤部祐、メイプル超合金のカズレーザーの4人体制で司会を務める、ゲストに愛あるダメ出し、説教をしていくトークバラエティー。当初は取材して得た証言などを元にMC陣がプレゼンターとしてゲストを切っていくスタイルだったが、リニューアル後は世間の声や本音をゲストに対して次々ぶつけていくというスタイルに変更された。

 データニュース社(東京)が行なっているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(対象2400人)によると、初回満足度は2・93(5段階評価)と高満足度の基準3・7に遠く及ばない数値で、「プレゼンター次第で面白さが変わる」(41歳男性)など、回によってムラがあった。リニューアル後は「世間の声が単刀直入で言われようが面白い」(28歳男性)、「一般人の言葉が辛口なのが面白い」(42歳女性)、「タレントにとってはつらい番組」(61歳女性)などの声が続出。バラエティーでのダメ出しは、いわば“身内”からのもので、やや甘いものがほとんど。遠慮なく思ったことを口に出す視聴者と比べれば、どちらが盛り上がるかは言うまでもない。

 リニューアル後の象徴的な一幕として挙げられるのが、ゲストの矢口真里に対しては「不倫キャラをいつまで続けるのか、見苦しい」といったかなり踏み込んだ意見も本人にぶつけた回。辛辣さは満足度をアップさせ、6月21日放送で初めて3・73と高満足度を超え、その後の平均も3・47と上昇傾向にある。

 だが同時間帯の「水曜日のダウンタウン」と「家、ついて行ってイイですか?」はさらに強い。「水曜日の―」はエッジの効いた企画が多いためスタート時は賛否両論あり、年間平均満足度が14年から3・61→3・55→3・57と安定しなかったが、17年に入ると上昇し7月までの平均が3・85とようやく安定期に入ったといえそう。一方、「家、ついて行って―」は深夜から土曜のゴールデンタイムに進出した時点から満足度が高く、昨年16年のGP帯民放バラエティーで3位となる3・75を記録。今年4月からは水曜9時に移り、2時間枠という拡大放送になっても視聴者の満足度は高く、7月までの平均が3・83とさらに数値を上げている。

 「良かれと思って!」はまだまだ新企画が定着したか否かのボーダーライン。視聴率、満足度どちらの数値を上げるにも、既存のバラエティーにはなかった新しさが不可欠で、好評の“辛辣さ”をいかに磨いていくかにかかっている。強豪の相手だからこそ、別の戦い方で勝負に挑む。