俳優船越英一郎(60)が、山本周五郎の名作小説をドラマ化したNHK・BSプレミアム「赤ひげ3」(23日スタート、金曜後8・00)に主演する。江戸時代に未知の病と闘う医師・赤ひげを描くシリーズ第3弾。コロナ禍の中、世間に届ける医療と人情のドラマだ。

 江戸時代の小石川養生所を舞台に、武骨な医師・新出去定が貧しい人々を救う物語。17、19年に続く放送で、今年はコロナ禍と重なった。「小石川養生所の医師にとっては、全ての病がコロナなんです。治療法が確立されていないわけですから。未知の恐怖と闘っている医療従事者の方への思いや感謝の気持ちも含めて演じましたね」と振り返った。

 撮影もコロナの感染拡大の影響により遅れた。4月10日の開始予定が、緊急事態宣言の発令で延期。自宅待機となった船越は、感染者数の増減に一喜一憂しながらクランクインを待つ毎日。「こんなに不安と焦燥感にさいなまれたことはなかった」という。

 だからこそ、6月に始まった撮影では、仕事ができる喜びを毎日実感した。感染防止策を取りながらの撮影は、時間も手間もかかる。だが船越は「逆にみんなが結束して、エネルギーが結集した熱い現場になった。それが必ず作品に反映されている」と熱弁した。

 作品への思い入れもより強くなり、「一生続けたい」と言うほど。「医療従事者の方にも見ていただけたらうれしいですね。“現代の赤ひげ先生にささげる”というテロップをつけたいぐらい」

 今作では原作にない、赤ひげのバックグラウンドも描かれる。「なぜ偏屈な親父になったのか、そういったものを少しずつ描くだけでも10年かかる」と笑いながら、「かなり涙腺を刺激する作品。確実に温かいものを心の中に植えることができると思う」と力を込めた。