東京映画記者会(スポーツニッポン新聞社など在京スポーツ7紙の映画記者で構成)が選ぶ第63回ブルーリボン賞(20年度)の各賞が23日、決定した。福島第1原発事故で現場にとどまり奮闘した人々の姿を描いた「Fukushima 50」が作品賞に選ばれた。主演男優賞は「ミッドナイトスワン」の草なぎ剛(46)が初受賞。主演女優賞は「MOTHER マザー」など2作で長澤まさみ(33)が連覇を成し遂げた。新型コロナウイルス感染拡大のため授賞式は開催しない。

 芸能生活30年のキャリアを持つ草なぎにとって、意外にも映画で個人賞を受賞するのは初めて。「あなたへ」で共演した高倉健さんや「任侠ヘルパー」などで胸を借りた大杉漣さんの名前を挙げ「今までお世話になった先輩方やファンの方に“立派な賞を頂いたよ”と伝えたい」と喜びをかみしめた。

 男性の体を持ちながらも“女性”として生きる主人公を熱演。トランスジェンダー役は初めてだったが「自由に思うがままに演じました」と気負わず挑んだ。作中では育児放棄に遭った少女と共同生活を送る過程で、次第に“母性”に目覚めていく。そこには愛犬クルミの存在も大きかったといい「母性というのは育てる感覚に近いのかな。ワンちゃんからは少なからず影響を受けました」と新たな発見もあった。

 アイドルとして第一線を走ってきたが俳優業には特別な思いもある。「一番つらい仕事かもしれない。でもそれ故に得られる楽しさも大きい」。役者としての草なぎを評価する声は多く、現在はNHK大河ドラマ「青天を衝け」で存在感を放っている。「青空の下で取材した記者が選考する賞」というブルーリボン賞の由来を知るや「爽やかですね!『青天を衝け』という感じですね」とアピールするちゃめっ気も忘れなかった。