バンド「SING LIKE TALKING」のメンバーでギターの西村智彦さんが死去したことが12日、分かった。61歳だった。青森県出身。バンドの公式サイトを通じて発表された。

 1964年(昭39)1月25日生まれの西村さん。武蔵野音楽学院卒。西村さんと現メンバーの佐藤竹善、藤田千章の3人は幼なじみで、青森で過ごした高校時代にそれぞれバンド活動を行っていた。「SING LIKE TALKING」の前身バンド「514バンド」が1985年末に結成され、メンバーは西村さんと佐藤竹善、藤田千章、阿部鼓太郎、佐藤誠吾、佐藤達郎の6人構成だった。翌年に「ヤングジャンプ・サウンド・コンテスト'86」にエントリーする際に、ボーカルの佐藤竹善が「SING LIKE TALKING」と暫定的に命名。1987年に現在のメンバー構成となり、88年にデビューした。

 メジャーデビュー局は「Dancin’ With Your Lies」。1991年に「Steps Of Love」や「La La La」などヒットを連発しし、96、97年には日本武道館公演を成功させた。また、93、94年にアルバム「ENCOUNTER」、「togetherness」でオリコン初登場1位を獲得。2000年代後半に長い休止期間があったが、2023年にはデビュー35周年を迎えた。

 多くの曲で作詞・作曲クレジットが藤田と佐藤の共作になっているが、西村さんも楽曲の作曲も手掛けていた。個人としての活動も積極的に行い、1992年にはソロシングル「That’s Life」を発売。ソロ活動以外にも音楽プロデューサーとして甲斐よしひろや尾崎亜美、柴田淳、TOKIOら多くのアーティストとの楽曲アレンジや楽曲提供、レコーディングやライブにも参加するなど幅広い活躍を見せた。

 2023年にステージ4の喉頭がんであることを公表していた西村さん。公式サイトの発表では「2021年に病を患って以来4年以上、その間、35周年記念コンサートのステージに立つなど、何度となく復活を遂げましたが、再発後、病状は次第に悪化、最期まで、シングライクトーキングのメンバーとして、もう一度活動したいという強い想いで病と闘って参りました」と21年から病と闘ってきたと、近況が明かされた。

 メンバーの佐藤竹善と藤田千章は「正直、まだ我々も実感が持てずにいます。ただ、幼少期から、人生の殆どの時間を共有してきた我々にとって、その存在は余りにも大きく、全く受け入れ難い事実であることは理解しています。日毎、その喪失感が膨らんでいくことは予想できますが、その大きさはきっと我々自身でさえ想像できないものになるのでしょう。西村くんとは、最期の最期まで、グループのコンサート・スケジュールや新曲の制作予定などを語り合い、励し合い、冗談を言い合い、笑い合って、決して希望を捨てることなく過ごして参りました。西村くんを愛してくださった全ての方々に、彼がおそらく皆さまに伝えたかったであろう想いを折り込みながら、我々から心よりの感謝を申し上げたく思います。今まで本当にありがとうございました」と悲しみのコメントを発表した。