2児の母である女優の北川景子(38)が、凄絶な母親役に挑戦する。主演映画「ナイトフラワー」(監督内田英治、11月28日公開)で、生活に窮してドラッグの売人になるシングルマザー役を演じる。「子供を守りたいという母の強い思い、腐った世界でもなんとか前向きに生きようとする泥くささを見守っていただけたら」と呼びかけている。

 現在放送中のフジテレビ系主演ドラマ「あなたを奪ったその日から」では、亡くなった娘の復讐(ふくしゅう)のため他人の子供を誘拐する母親役を熱演し、話題になっている。社会派作品で再び挑む母親役に注目が集まりそうだ。

 2020年の「ミッドナイトスワン」で日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した内田監督のオリジナル脚本。2人の子供を育てながら昼はパート、夜はスナックで働く主人公が、生活に困窮するあまりドラッグの密売に手を染めていく姿を描く。

 北川は「ドラッグの密売は正しいことではありません」と前置きした上で「子供のために全てをなげうってでも、という考え方に強く引かれます」と親としての葛藤に共感。「果たしてそれは悪なのか、罪なのか、と考えてしまいました」と真摯(しんし)に役作りに向き合ったことを明かしている。

 21年の「ファーストラヴ」以来4年ぶりの主演映画となる今作では、ほぼノーメークで顔を崩し大笑いしたり、関西弁でまくし立てたりの姿を披露。内田監督は「かつて見たことのない圧倒的な演技が爆発しました。女優としての次のフェーズに入る瞬間を見ることができて幸せ」と賛辞を惜しまない。

 母親になってますます演技の幅が広がる北川。自身と同じ2児の母親役となる今作への期待も高まる。 (塩野 遥寿)

 ○…近年は出産直後の女優が母親役を演じるケースが増えている。石原さとみ(38)は、第1子出産後の復帰作である主演映画「ミッシング」で、我が子を誘拐される母親役を熱演。蒼井優(39)は22年に第1子を出産後、翌年のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」、産後初の映画「ふつうの子ども」(9月5日公開)と母親役が続いた。テレビ関係者は「演じる上で、やはり感情移入はしやすくなる。視聴者からの共感も得ることができる」と明かした。