高知県須崎市の公認キャラクター「しんじょう君」に酷似し著作権を侵害しているとして、同市が活動停止を求めている人気ゆるキャラ「ちぃたん☆」が11日、東京・渋谷で開催された格闘技K―1「K’FESTA2」の告知イベントに登場した。

 ネット上で公開した過激動画に苦情が相次いだことなどが騒動のきっかけになり、活動停止を要請される事態になったちぃたん☆。しかし、この日も懲りずにド派手なパフォーマンスを披露した。K―1選手・武尊のパンチを受け止めようとするも、顔面に食らい転倒。相撲の突っ張りを指南しようと衣装をまくり上げ、タイツの太腿を露出するなど、ゆるキャラらしからぬ動きを見せた。最後に取材陣から「今後も活動を続けますか?」と問われると、力強くうなずき健在をアピールした。

 運営する芸能事務所「クリーブラッツ」(東京)によると、ちぃたん☆のモデルになったのは同事務所の関係者が飼育している同名のコツメカワウソ。このカワウソがネット上で話題になり同市の観光大使に就任内定したのを機に、ゆるキャラ化することを決定。デザイナーは同市から、しんじょう君と同じ作者を紹介された。ちぃたん☆のデザインがしんじょう君の権利を侵害しないか、市側に確認したところ「市の許可は不要」と回答を得たという。

 しかし、ゆるキャラ「ちぃたん☆」は草刈り機を振り回すなど、体を張った動画が「暴力的」との批判も受け、須崎市にも苦情が相次いだ。これを受け、同市は今年1月17日付でカワウソのちぃたん☆の観光大使を解任。さらに、事務所が着ぐるみやイラストを国内外で商標出願したりアニメ化を進めていると指摘。市が持つしんじょう君の著作権を侵害しているとして活動停止を要請した。

 一方、事務所側はちぃたん☆の活動を継続できるよう「話し合いによる解決を求めたい」としていた。

 ▼ボーダーズ国際特許事務所所長で弁理士の小暮君平氏 報道を見る限りでは「ちぃたん☆」とよく似た「しんじょう君」の著作権を持つ須崎市の主張が納得できる。市側は過去に許諾したようだが、その後の活動方法は市側が認識している許諾範囲を超えたものと思われる。両者の和解が成立しなければ、市側が民事裁判でちぃたん☆の着ぐるみ使用が著作権侵害にあたるとして、使用差し止めを求めることが考えられる。市が刑事罰を求めた場合、法律上は著作権侵害で10年以下の懲役という刑事罰が与えられる可能性がある。

 【ちぃたん☆著作権トラブル経過】

 13年2月3日 公募による市民投票の結果、しんじょう君誕生

 16年11月6日 しんじょう君ゆるキャラGP優勝

 17年9月頃 カワウソ「ちぃたん☆」観光大使就任が内定。運営会社はキャラクター化を決め、市の担当者からしんじょう君のデザイナーを紹介してもらう

 11月8日 ちぃたん☆のデザイン利用について運営会社が須崎市に確認。「市の許可は不要」との回答を得る

 12月15日 ゆるキャラ「ちぃたん☆」誕生

 18年1月18日 カワウソ「ちぃたん☆」が須崎市観光大使に就任

 19年1月17日 須崎市がカワウソ「ちぃたん☆」の観光大使を解任。キャラクターの使用中止を運営会社に通告

 2月6日 須崎市が運営会社の著作権侵害を主張

 8日 運営会社が見解を発表