◇WBA世界ミドル級王座決定戦 同級1位アッサン・エンダム≪12回戦≫同級2位・村田諒太(2017年5月20日 有明コロシアム)

 日本人2人目のミドル級世界王者を狙うロンドン五輪同級金メダリストの村田諒太(31=帝拳)に“ケンカ指令”だ。15日に都内で3ラウンドのマススパーリングを行い、実戦練習を打ち上げ。帝拳ジムの本田明彦会長(69)からは、ケンカのように相手を見下ろしながらプレッシャーをかける戦い方を念押しされた。

 ジムメートとマススパーを行う村田に、本田会長から「高め!高め!」と指示が飛んだ。「高め」とは相手の懐に潜り込むように前進するのではなく、上体を起こしたままパンチを出してプレッシャーをかけ続けろという意味。「下から来るパンチは相手も怖くない。ケンカだって下から見上げないで、相手の顔に向かって顔を突き出していく」と本田会長。身長1メートル82の村田に対し、エンダムは1メートル80前後とほぼ変わらないが「村田がやらないといけないのはガードとプレッシャーをかけること。相手がプレッシャーを感じてくれないと勝負にならない」と言い切った。

 村田より先に練習を公開したエンダムは仕上がりの良さを感じさせる軽快な動き。コーナーに詰まった場面や打ち合いなど実戦を想定したミット打ちを見せ、視察した田中繊大トレーナーが「村田対策を思わせる」と表現したアッパー系も惜しみなく披露した。テクニックでは一枚上をアピールした相手に対し、本田会長は「プレッシャーをかけるのは技術よりも気持ち。村田が優れているのはハート、頭、体力だから」と自分の土俵に持ち込む重要性を説いた。

 エンダムの練習情報を聞いた村田は「相手も下がりながらアッパーを打ち返すことを考えていると思う」と反応したが、ガードを固めてプレッシャーをかける戦い方については「そのスタイルになると思う」と改めて確認した。ミット打ちでは体の回転軸を小さくしたコンパクトな右ストレートを意識的に練習。「試合では意識していられないので無意識でやるしかない。試合で出るのは本能的なもの」と話した。ケンカなら荒れていた中学時代、毎日のように上級生や多人数を相手にしていた。闘争本能全開となるリング上の“タイマン”で負けるわけにいかない。