ボクシングのWBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦(20日、東京・有明コロシアム)で同級1位・比嘉大吾(21=白井具志堅)の挑戦を受ける王者ファン・エルナンデス(30=メキシコ)が16日、東京都新宿区の帝拳ジムで練習を公開。比嘉を指導する元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高会長が視察に訪れ、“具志堅ワールド”を繰り広げた。

 具志堅会長は練習前の会見で最前列に座った。記者との質疑応答が一通り終わると、「ダウンした経験はあるの?」「今の体重は?」と矢継ぎ早に質問を始めた。事情を知らないエルナンデス陣営に、周囲が「防衛記録を持つ日本で一番有名なボクサー」「比嘉の会長だ」と紹介すると、トレーナー兼マネジャーで元世界王者のイサック・ブストス氏が「スパイに来たんですか?」と笑いながら“けん制”。具志堅会長が「練習を見に来たんだ」と大真面目に返すと、ブストス氏は「ようこそ」と笑顔で応対したが、具志堅会長は「用高、ようこそ」とアドリブでギャグを飛ばしてジム内に爆笑を巻き起こした。

 ただし、エルナンデスはミット打ちなど15分ほど体を動かしただけで練習を終了したため、具志堅会長は「スパーリングをしてよ。それを見に来たんだから」と要求。エルナンデス陣営が「もうメキシコでやってきたから」と断ると、「スパーを見に来たんだ」と通訳や関係者にしつこくねだり、帰ろうとするエルナンデスに「明日はジムワークをする?スパーは?」と繰り返した。

 目当てのスパーは見られず、「スピードがどのくらいあるのか、パンチの速さが見たかった」と話した具志堅会長だったが、「シャドーだけで分かった。ボクシングはうまいと思うけど、スピードは(15年にジムの江藤光喜が挑戦した元WBCスーパーフライ級王者)クアドラスよりちょっと落ちると思う」と分析。リミットまであと2キロというエルナンデスにも「口が乾いていた。2キロというけど本当かな?」と疑問を呈し、「ハートは弱いと思う。会話して分かった」と言い切った。また、ダウン経験はないというエルナンデスの説明にも「俺の情報では反則勝ちがある。ボディーで倒されて10分ぐらい起き上がらなくて、その後反則勝ちになった」と指摘した。