◇バレーボール女子ワールドグランプリ仙台大会最終日 日本3―2ブラジル(2017年7月16日 カメイアリーナ仙台)

 「伝説のチーム」に一歩前進した。中田久美監督(51)率いる世界ランキング6位の日本は、同4位で前回大会覇者のブラジルにフルセットの末に勝利。1次リーグ通算成績を4勝2敗とした。日本がブラジルに勝つのは11年のW杯以来、約6年ぶり。21日からは香港大会が行われ、日本は中国、セルビア、ロシアと対戦する。

 ここ5年間で12連敗。全く歯が立たなかった前回覇者ブラジルを新生中田ジャパンが打ち破った。ジュースまでもつれ込んだ最終セットの息詰まる接戦を制した中田監督は「ブラジルであれ、どこであれ、もう一回自分たちの力を出そうと思っていた」と胸を張った。

 5月26日。リオデジャネイロ五輪から大幅にメンバーを入れ替えた新チーム始動の際の会見で「勝ちにこだわり続けて2020年に伝説に残るチームをつくる」とぶち上げた。強化ポイントに「スピード」「正確性」「連係」「桁外れの集中力」「世界に負けない強さ」の5つを掲げ、初の国際大会に臨んだ。

 立ち上がりに2セットを連取。フルスロットルで試合に入れたのは、中田流の「喝」があったからだ。前日の15日に世界ランキング3位のセルビアに完敗。試合前練習でも覇気がなかった。そこで中田監督は珍しく選手を整列させた。「やる前から顔が暗い。これからやるんだから!」。レジェンドの言葉で選手の心に火がついた。

 大胆な采配も奏功した。仙台大会でスタメン起用していたセッター冨永こよみ(28=上尾)から、この日は佐藤美弥(27=日立)にスイッチ。連敗を避けたいブラジルは最終戦に勝つために日本を研究してくると読み、相手の裏をかいた。

 「そこで代えたらどうだろうと思った。今後も考えて、代えるタイミングはここだ、と」。後半には対応されたが、序盤は目先を変えた奇襲が成功。後半は冨永も起用し、セッターのテストとしても手応えをつかんだ。「いいところもあり課題もある。チームにとってはプラスになった大会だった」。杜の都でつかんだ勝利に「伝説のチーム」への道筋がうっすらと見え始めた。

 ▽11年W杯のブラジル戦 当時、日本は世界ランク4位で、ブラジルは1位。日本は第1セットから1メートル59のセッター竹下佳江のブロックで流れをつかみ、ビッグプレーの連続で3―0のストレート勝ち。記録の残る93年以降では五輪、世界選手権を含めた3大大会で初めてブラジルを撃破する金星を挙げた。

 ▽ワールドグランプリ 毎年開催される女子の国際大会で、93年にスタート。25回目の17年は32チームが出場。レベルごとに3つのグループに分かれ、日本は最上位のグループ1(12チーム)に属する。各チームは予選ラウンドを9試合戦い、上位5チームと開催国の中国が決勝ラウンド(8月2〜6日、南京)に出場する。