情報共有しま宣言!柔道の世界選手権(8月28日開幕、ブダペスト)男子100キロ超級代表の原沢久喜(日本中央競馬会)ら重量級選手が16日、フランス・ウルガットでの国際合宿のため羽田空港から出発した。今回の合宿は、世界選手権前で外国人選手と組み合える最後の機会。「外国選手とやる最後のチャンス。慣れることで技術を高めたい」と意気込みを語った。

 中でも乱取り稽古で組んでおきたいのが、同級五輪2連覇中で、原沢自身もリオデジャネイロ五輪の決勝で敗れたテディ・リネール(フランス)だ。先月行われた東京での国際合宿でリネールが来日した際は「1日1回、計5、6回はやった」というが、相手は五輪後の長期休養明けで「スタミナも体のキレもなかった」という。今回参加してこれば、より“実戦モード”に近いリネールの胸を借りられることになる。「できるなら何回もやって、癖とかを見つけたい」と情報収集に着手する考えを示した。

 ただ、原沢がリネールと同等のライバル心を燃やしたのが、世界選手権で同じ階級のもう1人の代表、王子谷剛志(旭化成)だった。原沢と同便で出発した男子日本代表の井上康生監督が「われわれには超えなければいけない山がある」と2度繰り返したほど、打倒リネールは日本柔道界の悲願。男子最重量級の2枚看板が共闘すれば悲願は近づくはずだが、“我こそ先に倒す”という意地がある。

 今回の合宿に遅れて参加する王子谷との関係を問われた原沢は「(乱取りを)やる、ということはない。(リネールの)情報共有するかと言われれば、微妙ですけど…」と歯切れ悪し。王子谷が情報共有を求めてきた場合も「それはもちろん(共有)しますけど、うそ情報を教えるかも知れません」と本気とも冗談ともつかない答え。リネールを最初に倒した男が、20年東京五輪選考レースを制す――。いつも通りの落ち着いた口ぶりに強い闘争心を秘め、ライバルが待ち受ける彼の地へと旅立った。