◇ウインブルドン選手権最終日 男子シングルス決勝(2017年7月16日 英ロンドン・オールドイングランド・クラブ)

 まさかのハプニングにもフェデラーは顔色一つ変えなかった。第2セットの第3ゲーム終了後、左足に痛みを覚えたのか、チリッチがメディカルチームを呼び、タオルに顔をうずめて泣き始めた。観客は立ち上がって拍手を送ったが、フェデラーは情けも見せずに勝利に集中していた。相手の強力なサーブに対応し、超高速のラリーも制した。結局、今大会は1セットも落とさず、ビョルン・ボルグ(スウェーデン)以来、史上2人目の“完全優勝”を飾った。

 左膝の故障もあって昨年の後半戦は完全休養した。今年1月の全豪オープンで優勝を飾ったが、本来照準を定めていたのは最も思い入れの強い今大会だった。4大大会通算19勝目。オープン化以降では75年のアーサー・アッシュの31歳を大幅に更新する大会最年長優勝となった。