◇都市対抗野球大会第4日1回戦 NTT西日本4―5JR西日本(2017年7月17日 東京D)

 野球とは残酷だ。ほぼ勝利を手中に収めていたかにみえたNTT西日本が、たった1球で悪夢の逆転負けを喫した。

 2点リードで迎えた9回。内野安打と左前打を浴び、大原周作監督がマウンドに歩み寄った。「1点はいいから小さくなるな。思い切っていけ」と先発して好投してきた吉元一彦を励ました。代打蔵枡を一直に打ち取り2死。勝利が見えてきた中、ここまで3打席ノーヒットに抑えてきた小原と対した。2―2から三振を狙ったストレートはボールとなりフルカウント。「力勝負でまだいけると思っていた。変化球で打たれたら悔いが残る。だから外角低めを狙って思い切って投げた」ボールは高めに浮いた。

 快音を残して打球は右中間スタンドに突き刺さっていた。その瞬間、吉元はマウンドに崩れ落ちた。「頭が真っ白でした」114球目。あと1アウト、あと1球で勝利という場面は、敗戦投手という悪夢になっていた。

 「結果がすべて。チームを勝たせられなかったのは僕の責任です。この悔しさは秋の日本選手権でと言いたいけれど、今は切り替えられません」と責任を背負い込んだ。そんな吉元に大原監督は「吉元に勝たせたかった。2回に4点取って、その後追加点が奪えていたら」と決してエースを責めなかった。

 これも野球。ドームのファンはチームのために投げ続けた背番号21のエースを忘れない。