◇パ・リーグ ロッテ3―2オリックス(2017年7月17日 ZOZOマリン)

 二塁ベースを回ったロッテ・加藤が、高々と左手を突き上げた。劇的な逆転サヨナラ打にヘルメットを放り投げると、一塁ベンチを飛び出してきた仲間たちからウオーターシャワーを浴びた。

 「めちゃくちゃしびれました。めちゃくちゃ気持ちいいです」

 1―2の9回。2死満塁で5打席目が回ってきた。初球、2球目のフォークを連続空振り。伊東監督も「三振かと思った」というが、ここからノーステップに変えて2ボール2ストライクとすると、5球目の直球を振り抜いた。打球は左翼手のグラブを越えた。14年5月20日ヤクルト戦でサヨナラ本塁打して以来、2度目の劇打だ。

 不振で2軍調整をしていた5月、右脇腹の故障から復帰した角中と同組で打撃練習をする機会に恵まれた。「ノーステップをやるなら角さん。参考にさせていただきました」と最高のお手本を見て取り入れた。「三振の数は減っているし、少しは安心感があった」と追い込まれても焦ることなく食らいついた。

 加藤が「たくさん怒られているのにチャンスをもらっている。成長したところを見せたい」と話す伊東監督に監督通算598勝目をプレゼントした。指揮官が「あの人がいなかったら…。本当に感謝している」と話す故根本陸夫さんに並ぶ1勝だ。西武の練習生を経て81年にドラフト1位で入団したが、根本さんは監督、管理部長としてプロの世界に招いてくれた恩人だ。

 一戦必勝を誓って始まった後半戦。「海の日」にZOZOマリンで力強い再スタートを切った。 (町田 利衣)