◇ナ・リーグ ドジャース6―0メッツ(2017年8月4日 ニューヨーク)

 ドジャースのダルビッシュ有投手(30)が4日(日本時間5日)、メッツ戦に移籍後初めて先発し、7回を3安打無失点、10奪三振で6月12日以来53日ぶりの白星を挙げた。レンジャーズ時代と合わせて7勝9敗。ド軍でのデビュー戦で2桁奪三振を挙げたのは2002年の石井一久(スポニチ本紙評論家)以来15年ぶりの快挙。ダルビッシュの「メジャー第2章」が幕を開けた。

 圧巻の7回もダルビッシュは変わらなかった。捕手グランダルのサインをのぞきこむと、首は振らず投げ込む。レンジャーズでは見られなかった姿。先頭グランダーソンは高め速球、ウォーカーはカーブ、最後のロサリオはスライダーと自由自在に3者連続空振り三振締め。新天地での満点デビューはさらなる可能性を感じさせた。

 「トレードで来てメチャクチャだったら、本当にやばいなと思っていた。いい投球ができて良かったです」

 トレード市場で最大の大物として期限ギリギリに移籍。メッツの本拠地にド軍OBのサンディ・コーファックスやアレックス・ロドリゲス、ジョー・トーリの各氏ら大物も詰めかけ、異様な雰囲気が漂った。注目度を力に変えるかのような7回3安打無失点。ド軍デビュー戦で2桁奪三振し1四球以下は球団史上初。6月12日を最後に8試合届かなかった白星を最高の形でつかんだ。

 試合前の宿舎。獲得を熱望したファーハン・ザイディGMがパソコンを広げ待っていた。「この球をもっと使った方がいい。この球はこっちに投げた方がいいとか。今までそういうものをもらったことがなく、これでいいの?という感じでしたが」とプロ13年目の右腕も目を白黒させたデータ量と裏付けによるゲームプラン。これこそ今季77勝32敗で30球団唯一の勝率7割超えを誇るド軍の基盤だ。

 リーダー格の三塁手ターナーが明かす。「うちのフロントは分析力にたける。強み、弱みを把握し助言する。個々の能力を最大限引き出し、それで勝ってきている」。ダルビッシュは6月7日にもメッツと対戦し7回1/3を3失点だったが、この日は高めの速球とカーブが格段に増えた。「捕手のサインを信じてずっと投げました」とモデルチェンジしたスタイルを貫き通した。

 レ軍ではリーグで3番目に低い1試合平均3・42点と援護も恵まれず勝ち星から遠ざかったが、この日は6得点。「こんなに簡単に点が入るんだ」と半ばあきれ顔で感謝した。「特等席でショーを楽しませてもらった」とデーブ・ロバーツ監督。最新鋭の分析眼を持つ最高勝率チームとの融合で、ダルビッシュはもっとでかくなる。

 ≪球団初 初陣2桁K1四球以下≫ダルビッシュのド軍デビュー戦での2桁奪三振し1四球以下という投球内容は、米記録会社エライアスによると記録の残る1900年以降では球団史上初めて。またド軍デビュー戦での2桁奪三振は、02年の石井一久以来15年ぶり。また、ド軍でプレーした日本選手は、投手の野茂英雄、石井、木田優夫、斎藤隆、黒田博樹、前田健太と、野手の中村紀洋に続き8人目となった。