◇ナ・リーグ ドジャース6―0メッツ(2017年8月4日 ニューヨーク)

 ダルビッシュの移籍初登板を、ドジャースの先輩でもあるスポニチ本紙評論家の石井一久氏(43)が分析した。左打者を6人並べたメッツ打線に対し、縦のカーブが効果的だったとし、新天地は球威がより生きる場所と期待した。

 ダルビッシュは10個の三振のうち、1、2、5、6番のキーマンとなる左打者(両打ちを含む)4人から2個ずつの計8個を奪った。最も有効だったのは、緩い縦のカーブ。この日は意図的に高めの直球を多く使ったこともあり、打者の目線が上がり、高低を使った投球がより生きた。

 多彩な球種を持つが、投球の基本軸は爆発的な直球と鋭いスライダー。このため、右打者には、試合前までの今季の被打率・204が示すように、打者を支配する投球ができていた。その一方で、対左打者は・249。スライダーが使いにくいため、右打者に比べて、「支配率」が1段階下がる傾向があった。

 しかし、この試合はメッツの左打者に対し、カーブがアクセントになっていた。ダルビッシュはメジャートップクラスの回転数を誇る直球があるため、直球を続けた後にカーブを投げれば、体を前に動かすことができるし、反対にカーブを見せた後で直球を投げれば、より差し込むこともできる。高低だけでなく、前後も使った「3D投球」。7回のグランダーソン、ウォーカーの連続三振は、まさにそれだった。

 リーグが変わり、相手のデータも少ないが、ダルビッシュのように球の力で圧倒できるタイプの投手は、影響はほとんどない。むしろ、ドジャースタジアムは球場が広いので、球威がより生きる。あとは捕手とのコミュニケーションだったり、打席に入るため、ルーティンが変わること。そこだけアジャストすれば、今まで以上の圧倒的なダルビッシュが見られるのではないか。 (スポニチ本紙評論家)