◇セ・リーグ 阪神6―5ヤクルト(2017年8月6日 京セラドーム)

 阪神・伊藤隼は打った瞬間の記憶は、ほとんどないという。

 「(コースは)どうだったんですかね…。難しい球だったのかどうかは、後で見てみないと分からないです」

 3―4の7回1死一、二塁で北條の代打として登場。2ボールから石山の外角直球を叩くと、バックスクリーン右へ飛び込む2号逆転3ラン。プロ6年目で通算9号だが「逆転弾」も「V弾」もともに初だ。ど派手なガッツポーズに「興奮しちゃいましたね」と照れ笑いを浮かべた28歳を金本監督も「まさかホームランとはしびれましたね」と称えた。

 「準備次第で結果が決まってしまう」。今季の代打成績は打率・333、2本塁打。局面での起用に応えるため、伊藤隼の手元には常にチャート分析表がある。「チャンスに集中しないといけない。1打席勝負が続くから、常に情報量では相手の一歩先を行かないと」。2軍にいても、1軍戦を試合中継アプリでチェックし、投手の配球や勝負球の特徴を頭に入れる。今季2度の2軍降格を経験しながら、結果を出せる理由はここにある。

 同一カード3連戦3連勝は5月の広島戦以来で、引き分けを挟み4連勝。3日に自力Vの可能性が消滅したが翌4日に復活。首位・広島のマジック点灯阻止を続けている。

 「まだまだ勝って、広島を追いかけていきたい」と伊藤隼。8日からは4位・巨人、3位・DeNAと6連戦だが、広島の背中だけを見て追う。