3歳ダート重賞「第9回レパードS」は6日、新潟競馬場で行われ、競馬一家の次男坊・木幡巧也(21)が待望の重賞初制覇。11番人気の伏兵ローズプリンスダムを冷静なレース運びで重賞初Vに導いた。

 大人の騎乗でつかんだ重賞初勝利。ローズプリンスダムの馬上で振りかざしたガッツポーズが、苦悩の日々を打ち砕いた。木幡巧は「夢みたいな気持ちです。最近は悩んで、悩んでだったので本当にうれしい」と言葉を弾ませた。

 「行く馬が多そうだなと予想していた」との判断で、先行策で良績を残してきたプリンスダムを5、6番手で折り合わせた。道中は内ラチ沿いで気配を圧殺しながら、好機をうかがう。大本命エピカリスを中心に据えた馬群に意識が向く中、パッと空いた進路。迷わず進んだ。「手応え以上にスーッと行ってくれた。本当に馬に助けられました」。“本命馬群”を尻目に外を鋭く伸びる。見事に勝利をかすめ取った。畠山師は「レース前にした相談通りに冷静に乗ってくれた。バッチリな判断でしたね」と鞍上を手放しで褒めた。

 兄・初也に言わせれば幼い頃からの“天才肌”。持ち前のセンスで、デビューした昨年は新人最多の45勝を挙げた。だが、壁は待っていた。持ち前の積極策が裏目に出る場面が増え、今年は3、4、5、7月に騎乗停止処分に。計13日間、レースに乗れなかった。「休んでいる間はいろいろなことを考えました。ガムシャラな先行策だけでは勝てない」。反省の先にたどり着いた今日の騎乗。悩んだ日々が初めての重賞カップにつながった。

 プリンスダムは今後、放牧で英気を養うことになる。「前は華奢(きゃしゃ)な感じだったけど、使いながらたくましくなってきた。まだまだ成長の余地がある。次戦はまた考えます」と師。トランセンド、ホッコータルマエといった出世馬を出してきた同レース。今年は2つの才能がいっそう輝きを強くした。

 ◇木幡 巧也(こわた・たくや)1996年(平8)5月9日、茨城県出身の21歳。同じくJRA騎手の木幡初広の次男。長男・初也(22)、三男・育也(18)ともにJRAの騎手。16年3月5日に美浦・牧厩舎からデビュー。同27日の中山1Rモンサンアルナイルで初勝利(31戦目)。昨年、45勝を挙げて最多勝利新人騎手に輝いた。JRA通算1022戦58勝(6日現在)。1メートル59・8、46・6キロ。血液型O。

 ◆ローズプリンスダム 父ロージズインメイ 母クリスチャンパール(母の父シンボリクリスエス)牡3歳 美浦・畠山厩舎所属 馬主・岡田牧雄氏 生産者・北海道登別市ユートピア牧場 戦績9戦4勝 総獲得賞金7698万4000円。