ソフトバンクの甲斐拓也捕手(24)が自慢の強肩堅守で急成長を見せている。支配下昇格4年目で新人王の可能性もある若鷹に注目する。

 前年までわずか15試合の出場だった育成出身の苦労人がプロ7年目で開花。高谷の54試合を上回るチーム最多の72試合(先発59試合)でマスクをかぶり、首位躍進に攻守で貢献している。1メートル70と小柄ながら5ホーマーとパンチ力も秘め、5月2日の西武戦ではプロ1号が満塁弾の離れ業。守っては盗塁阻止率.370で、嶋(楽)の.339を抑えるリーグトップ。捕手の規定守備試合数(チーム試合数の半分)に達したセ、パ15捕手の中で唯一の無失策(守備率1.000)と、強肩堅守でレギュラー奪取に突き進んでいる。

 記録が明らかになっている58年以降で盗塁阻止率、守備率がいずれもトップの捕手は10年の阿部(巨)まで両リーグ合計15人(18度)。パでは08年藤井彰人(楽)まで7人が記録しているが、ホークスには南海、ダイエー時代を通じ達成者がなく、チーム初の期待が懸かる。

 また、甲斐は今季が25歳シーズン。同年齢以下で阻止率、守備率の“2冠”に輝けば、58年土井淳(大洋=25歳)、62年森昌彦(巨=25歳)、65年木俣達彦(中=21歳)、84年藤田浩雅(阪急=23歳)、85年伊東勤(西=23歳)、90年古田敦也(ヤ=25歳)に次ぐ27年ぶり7人目の記録になる。なお、過去6人の通算出場数を見ると伊東の2379を筆頭に5人が1000以上(藤田は725)。駆け出し時代の快記録を弾みに名捕手へと成長していったが、甲斐も同じ道を歩めるか。 (記録課・志賀 喜幸)