◇世界選手権シリーズ ブリヂストン招待最終日(2017年8月6日 米オハイオ州アクロン ファイアストーンCC=7400ヤード、パー70)

 2打差の4位から出た松山英樹(25=LEXUS)はボギーなしの1イーグル、7バーディーと、圧巻のゴルフで自身の米ツアー最少スコアを更新し、コースレコードに並ぶ61をマーク。通算16アンダーで2位に5打差をつける逆転優勝を飾った。2月のフェニックス・オープン以来の今季3勝目。世界選手権シリーズは通算2勝目。米ツアー100試合目を通算5勝目で飾り、10日開幕のメジャー最終戦、全米プロ選手権(ノースカロライナ州)に弾みをつけた。

 ウイニングパットを沈めた松山は進藤大典キャディーと抱擁後、練習グリーンで待っていた東北福祉大の先輩・谷原と笑顔で抱き合った。ただ感情を爆発させることはない。米ツアー100戦目で通算5勝目。今季3度目の歓喜とあって、どこか余裕があった。

 2打差を逆転し、最後は5打差で振り切った。「全英オープンが終わって全く練習しないで来た。まさかここまで良いパフォーマンスが出せると思っていなかった」。本人の予想を超える圧巻の強さだった。

 スタート前の練習も絶不調。「(優勝は)無理だと思った」。1番はショットが乱れ、アプローチでしのいだ。2番パー5。グリーン奥のラフから20ヤードの第3打をロブウエッジで放り込んだ。「2番でイーグルを取れて波に乗れた」。会心のチップインで首位に立つと、3番でバーディーを奪って流れを引き寄せた。

 終盤は憧れの存在を追った。13年の第2日、同組のタイガー・ウッズがコースレコード61をたたき出した。その衝撃が記憶に残る。15番を終え、

 667ヤードの難関16番パー5で第3打を1メートルへ。17番は2・5メートル、18番は2メートルに付けて狙い通り3連続バーディー。1イーグル、7バーディーはあのときのウッズと同じだ。「4年前にタイガーと一緒に回って、このコースで61は信じられないと思った。自分の力が少しずつ付いてきて今日そういうゴルフができてうれしい」。4年の成長を実感し、珍しく自画自賛した。

 16ホールでグリーンを捉え、4日間のパーオン率は75%で1位。マレット型の新パターを投入したグリーン上も好調で合計25パット。4日間で最多の23バーディーを奪った。

 世界ランキング1位のダスティン・ジョンソン、谷原と練習ラウンドを共にし精神面を学んだ。「波を立てずにやっているなと思った。今週あまり気持ちがハイにならずにやったら良かった」。16番のトイレで目に入ったが、それまではリーダーボードを見ず自分のプレーに専念した。

 全米プロ選手権で日本人初のメジャー制覇に挑む。「何人もの日本人がチャレンジして獲れないものを、獲れるように頑張りたい」。決意には、かつてない力強さがあった。

 ▽13年ブリヂストン招待 松山は第1、第2日にウッズと同組だった。ウッズが大会記録61を出した第2日は68で回ったが「次元が違う。小学生とプロがやっているようなもの」と力の差を痛感した。最終的にはウッズが通算15アンダーで優勝。松山は1オーバーの21位だった。