日本マラソンの危機的状況に、川内優輝(30=埼玉県庁)の代表アドバイザー就任プランが持ち上がった。女子マラソンで日本勢は11大会ぶりに入賞を逃した。清田真央(23)が16位、安藤友香(23=ともにスズキ浜松AC)が17位、重友梨佐(29=天満屋)は27位と惨敗。史上初の男女同日開催だった男子も8位以内に入れず1995年イエーテボリ大会以来、男女そろって入賞を逃す事態となった。

 95年以来、11大会ぶりの男女入賞ゼロ。惨敗を受け、日本陸連・河野匡強化委員会長距離・マラソンディレクターは思わず川内に助けを求めた。

 「代表を狙うレースは一線引くという話を我々ともしたけど、マラソンの位置づけは変わらないと言っていた。いろいろと協力をしてもらいたい」

 男女通じて日本勢最高の9位だったのが公務員ランナー。今大会が日の丸ラストランと公言するものの、今後も代表に関わってほしいと河野氏は願う。海外31回のフルマラソンの経験と知識は貴重で、「言葉は悪いが彼はオタク。ありとあらゆるマラソンを知っている。東京五輪へ向けて協力してもらえたら」と続けた。

 女子は持ちタイムが世界と近かったものの、97年アテネ大会から続いた連続入賞が10大会でストップ。昨年のリオ五輪に続いて入賞ゼロだった。優勝したチェリモ(バーレーン)のタイムは2時間27分11秒で決して速くなかった。不発の原因を河野氏は「冬のマラソンに成功して、夏に準備する難しさを指導者と選手は感じたのでは。ピーキングが合っていなかった」と分析した。3月に走った安藤と清田は短期間で夏場に仕上げる課題が残った。

 42・195キロの生き字引である“川内アドバイザー”なら、男子はもちろん、女子にも、海外での過ごし方や心構えを伝えられるはず。今回8位入賞なら20年東京五輪の選考レースに出られたが、男女とも誰も権利を得られなかった。改善が急務なのは明白。代表から退いてなお、川内への期待は大きい。