◇第99回全国高校野球選手権第1日・1回戦 済美10―4東筑(2017年8月8日 甲子園)

 雨上がりの空に美しいアーチをかけた。済美(愛媛)は5回、1点を返してなおも2死一、二塁から橋本が左翼席へ逆転3ランを放った。夏の選手権大会での甲子園通算1500号。勝利を引き寄せた。

 「いろんな方が刻んできた数字で、いいところで自分に回った。ええとこどりですね」

 創部3年目の04年センバツで優勝するなど部の礎を築いた上甲正典元監督が14年9月2日に死去。その1週間後、1年間の対外試合禁止処分が下った。部内いじめによるもので、今の3年生は入学後、約5カ月は実戦を経験できなかった。

 上甲監督時代に部長として支えた中矢太監督は「選手は先輩たちの思いも背負っていたと思う」と男泣きした。再出発の4年ぶりの1勝。橋本は「長い夏にしたい」と言った。 (吉仲 博幸)

 ▼済美・八塚(先発で6回4失点も、4番として3安打)4回に打たれた後の中断で、気持ちを切り替えられた。済美らしい打撃ができた。

 ≪大会通算1533号≫済美・橋本が5回に3ラン。大会通算1533号本塁打で、甲子園球場での試合では通算1500本目となった(ほか豊中、鳴尾、西宮で33本)。大会1500号は昨年1回戦で中京・吉位翔伍が記録している。