屈強な外国人DFを風のように抜き去る姿を1日も早く見てみたい。浦和のMF関根貴大(22)がドイツ2部インゴルシュタットに完全移籍する。移籍金は推定1億5000万円。即戦力として期待されているという。

 関根と言えば「ドリブル」。幼少期からボールを持てば敵なしだったという。「幼稚園からドリブルばかりしてましたね。ほぼほぼ抜いてました(笑い)。小学校に入ってドリブル好きのコーチに出会い、中学校でレッズに入ってドリブル好きの池田伸康さん(現トップチームコーチ)に出会い…。高校生になってから組織的な事をやりだして、あまり出来ず。プロになってドリブルが求められるポジションがあり、そこでフィットしながら足りないものを補えた感じがあります」。小学6年時、GKを務めた事があった。「点を取ったらラーメン」と言われ、最後尾から11人を抜いて決めたという逸話は有名だ。パス、トラップ、クロスに本格的に取り組んだのはプロに入ってから。まさに生粋のドリブラーなのだ。

そんな関根にもドリブルの“師匠”と呼べる存在がいる。昨季から浦和に加入した駒井善成(25)だ。関根はドリブルで一対一を抜く際、相手の重心がズレるタイミングに着目している。右に重心が乗っているか、それとも左か。また両足が揃った時も、相手はどちらにも行けない状況になるという。その瞬間を狙うのだ。そして「一番、巧いのは善成君です。あの切れは中々、出せませんけど、ボディーフェイントの動き、ボールを運ぶ位置、置く位置は本当に巧い。盗める所はいっぱいありますね。ドリブルは日本でトップだと思います」と話す。

 駒井とは左右のワイドで組む事もあれば、同じポジションを争うライバル的な存在でもある。だがドリブルの“凄み”は素直に認め、1歩でも近づこうとしている。関根は試合後も必ず、その日のうちに試合の映像をチェックするという。ドリブルで抜いたシーンても、例えば周囲にパスコースがあったとか、他のプレーの選択肢も確認するためだ。尽きることのない向上心、地道な努力。欧州挑戦の夢を近づけるために欠かせない要素と言える。

 日々の鍛錬の成果か。今季、頭では何も考えず、体が勝手に動いた瞬間があった。7月1日の広島戦。マラドーナも驚く、あの「6人抜き」の決勝弾を決めたシーンだ。関根は「プロのキャリアで一番のプレーでした。周囲がスローに見えた」と振り返る。8月9日、アウェー甲府戦が浦和での“ラストゲーム”となる。進化するドリブルを是非、目に焼き付けたい。