31日のW杯アジア最終予選で、日本代表と対戦するオーストラリア代表の日本分析担当を務める今矢直城氏(37)がスポニチ本紙の取材に応じた。最終予選抽選会後の昨年4月に、オーストラリア協会から日本の分析を依頼されて快諾。ホームゲームを中心にハリルジャパンの9試合を直接視察。日本代表が“日本人007”によって丸裸にされている。

 親の仕事の関係で10歳の時にシドニーに移り住んだ今矢氏は、19歳でニューサウスウェールズ州のクラブとプロ契約するなど主にオーストラリアでキャリアを積んだ。少年時代からの友人であるオーストラリア代表のカモスキー・コーチから依頼を受け、昨年4月に日本の分析担当に就任。「自分のサッカーDNAはオーストラリア。仕事を頼まれた時も、自然に受け入れた」と心境を明かした。

 今矢氏は昨年6月3日のブルガリア戦以降のホーム全8試合と、3月23日のアウェーUAE戦の計9試合を直接視察。各試合ごとに15ページのリポートと、ピッチ全体を俯瞰(ふかん)した映像を送っている。(1)攻守のフォーメーション(2)守備のスタート位置(3)ボールを奪った位置(4)セットプレー(5)各選手のエリア別の球際勝率――など項目は100以上。「詳しく言えないが、この状況で、こういうボールへの対応が良くないとか、守備の部分で指摘できることは多い」と“弱点”を洗い出したことを明かした。

 先発予想も今矢氏の重要な仕事の一つ。「ハリルホジッチ監督は森重や西川のプレーの選択に対して激しいジェスチャーで怒ることが多かったので、いつか外れると思っていたら(6月13日の)イラク戦は招集されなかった。(昨年10月11日の)オーストラリア戦前には、本田の1トップの可能性があることも伝えていた」と的中率は高い。

 サッカー事業会社の代表を務める現在の活動拠点は日本。代表から遠ざかる金崎(鹿島)小林(川崎F)や、招集歴のない杉本、山村(ともにC大阪)らの活躍も頭に入っており、データは常に更新される。ハリルジャパンは丸裸の状態。故障者続出で苦境に立つ中、情報戦でも厳しい状況に陥っている。

 ◆今矢 直城(いまや・なおき)1980年(昭55)6月18日生まれの37歳。兵庫県出身。99年にニューサウスウェールズ州プレミアリーグのブラックタウンシティとプロ契約。同年のリーグ制覇に貢献してMVPに輝いた。オーストラリアの複数クラブのほか、スイス1部ヌーシャテル、ドイツ3部リューベックにも所属。07年に現役引退した。08年に帰国し、サッカー事業会社を設立。「英語で教えるサッカー教室TOC」の運営などを手掛ける。