◇第99回全国高校野球選手権大会1回戦 花咲徳栄9―0開星(2017年8月10日 甲子園)

 1回戦4試合が行われ、3年連続の出場となった花咲徳栄(埼玉)は開星(島根)に9―0で快勝。今秋ドラフト候補のスラッガー、西川愛也(まなや)外野手(3年)が先制打を含む2安打1打点と活躍した。

 今夏、甲子園初打席。西川は初回1死三塁の先制機で初球の直球を迷いなく叩いた。鋭く、きれいなスイング。銀傘に快音を響かせた一打は、9得点の火付け役となった。

 「しっかりタイミングを取れていいスイングができた。(映像の球筋と)イメージ通りだったので、初球から合わせられた」。開星・中村とは初対戦だが、今秋ドラフト候補は「左対左」も苦にせず、サラっと言ってのける。この初球打ちに凄さが凝縮されていた。

 4日の抽選後は毎日1時間、テレビの前で中村の投球フォームにタイミングを合わせる練習を行ってきた。脳内でイメージした動きを体に伝達させ、初球から完璧なスイングを再現。岩井隆監督も「彼は黙っていても打つ。ファーストスイングで真芯で捉えたのは凄い」とうなった。

 理想のスイングは巨人・高橋由伸(現巨人監督)だ。同じ左打ちで「バットの軌道が凄くきれいでかっこいい」。動画で繰り返し研究した天才打者ばりの美しいスイングで2安打を放ち、2年春夏と合わせた計5試合で19打数10安打、打率・526。5試合中4試合でマルチ安打を記録する安打製造機ぶりだ。冬場は重さ約15キロのハンマーでタイヤを叩き、手首を強化。埼玉大会で4発を記録するなどパワーアップし、高校通算本塁打を30に伸ばした。同最多タイの107本塁打を誇る早実・清宮が不在の今大会。注目のドラフト候補が少ない中で、存在感を見せつけた。

 過去の最高成績は03年春と15年夏の8強。「今年は日本一を獲る気でいるので、しっかり勝っていきたい」。3安打の2年生4番・野村との中軸は今大会屈指。「次は野村より打ちたい」と笑わせた天才打者がチームを頂点まで押し上げる。 (東尾 洋樹)

 ☆生まれ&サイズ 1999年(平11)6月10日、大阪府堺市生まれの18歳。1メートル80、78キロ。右投げ左打ち。

 ☆球歴 金岡小2年から野球を始め、6年時にはオリックスJr入り。金岡南中では「浜寺ボーイズ」に所属。花咲徳栄では1年秋からベンチ入りし、2年春のセンバツに「4番・左翼」で出場。初戦敗退ながら2安打2打点と活躍。

 ☆鉄人 2年時の春季埼玉大会決勝で右大胸筋を断裂。患部に不安を残したまま出場した夏の甲子園では3試合で6安打と活躍し、秋に手術。リハビリを経て「打撃に柔軟性が出た」と前向きに捉える。

 ☆レッドスター 元阪神の赤星憲広氏(スポニチ本紙評論家)の動画を参考にリードの仕方やスタート時の体の切り方を勉強し、50メートルは0秒4速くなり6秒2になる。今夏の埼玉大会決勝では通算30本塁打をランニング弾で記録。

 ☆好きな言葉 「コツコツが勝つコツ」