◇セ・リーグ 阪神8―1DeNA(2017年8月11日 横浜)

 一気に加速した。阿部に負けじと、阪神・鳥谷も3安打を放ち、通算1971安打まで伸ばした。1本目は「幻のアーチ」だ。0―0の2回1死三塁。石田の外角直球を逆らわずに強振すると、打球は左中間フェンス最上段の手すり付近に当たって跳ね返ってきた。

 「見えなかった」という鳥谷は二塁でストップしたが、本塁打のジャッジを確認して本塁まで小走りで帰り、ベンチに座った。ところが、リプレー検証の結果、二塁打に覆った。再びヘルメットをかぶり、二塁へ向かう珍しいケースの先制打となったが、「入っていなかったみたいな感じだったので(驚かなかった)。とにかく先制することができてよかった」と喜んだ。

 5月24日の巨人戦で吉川光の投球を顔面に受け、鼻骨を骨折。それでも、金本監督の系譜を受け継ぐ鉄人はフェースガードを装着して出続けた。くしくもこの日、右腓(ひ)骨骨折で離脱したメッセンジャーから「俺は(鳥谷を)マシンと呼んでいる」と超人ぶりを称えられた。その骨折も治り、歴代2位の連続試合出場を1853まで伸ばしている。

 先制打で勢いづいた36歳のベテランは7回に左前打を放つと、9回にも中前打。6月2日の日本ハム戦以来、今季3度目の猛打賞を記録し、勝利に導いた。ただ、5回無死二塁で二ゴロに倒れたため「チャンスで1回凡退したので、そこで打てたら」と悔しがった。残り42試合で節目まであと29本。この貪欲さがあれば、今季中の達成は十分可能だ。 (鶴崎 唯史)

 ≪Xデー9・12あたり?≫鳥谷(神)が3安打を放ち通算2000安打まであと29本とした。今季の猛打賞は6月2日の日本ハム戦以来3度目と多くないが、マルチ安打は28試合目で、22試合の糸井を大きく離しチーム最多だ。8月もこれで打率・323と3割台に乗せた。今季は101試合で99安打、このままのペースでいけば9月12〜14日の巨人3連戦(甲子園)あたりがXデーとなりそう。本拠地での伝統の一戦で決めることができるか。