◇陸上世界選手権第7日 男子200メートル決勝(2017年8月10日 英ロンドン・ロンドン競技場)

 サニブラウンが200メートルの決勝で走っている姿を見て、ここが彼にとってのスタート地点になると確信した。7位という結果に終わったが、足を痛めている中でも最下位にはならなかった。決勝に出た選手の中ではまだ線が細い方。このまま進化していけば、いつの日にか世界レベルで彼の時代が到来しても何らおかしくない。

 私が長年見てきた選手の中で別格のポテンシャルを持っている。これまでの日本人はピッチの速さを生かして前半に飛び出したとしても、中盤から後半に歩幅の大きな外国人にあっさりと抜かれてしまっていた。しかし、彼の場合は大きなストライドを生かして最後まで減速しない。世界のトップレベルの選手と同じスピード曲線を描けることが強みだ。

 2年後の世界選手権、3年後の東京五輪では100メートルと200メートルの両方でメダル争いができる。そのために大事なことは人の期待に応えようとするのではなく、とにかく速く走ることだけを追求すること。スプリンターとしての自分なりの環境を素直に選び、納得の練習をしていけば道はきっと開けるはずだ。(男子400メートル日本記録保持者、92年バルセロナ五輪8位、東海大体育学部教授)