◇セ・リーグ 阪神2―1DeNA(2017年8月12日 横浜)

 阪神・鳥谷がまた一つ球団史に名を刻んだ。2回だ。1死走者なしから、この試合チーム初安打となる遊撃内野安打で出塁。これが今季100安打目で、2年目だった05年から13年連続のシーズン100安打に到達した。

 「1日1本、とはいつも考えているので。どういう形でも、チームが勝てたことが良かったです」

 13年連続は球団新記録。「そうなんですか。考えてなかったです」とサラリと言ったが、67〜78年の藤田平と88〜99年の和田豊が記録した12年がこれまでの最長記録。猛虎の長い歴史で、未知の域に踏み込んだ。

 その13年中、9シーズンで150安打以上を記録するなどコンスタントに「H」ランプを灯し続けてきた。安打数が凄さを象徴しているが、その根源には「試合に出続けている」という事実がある。

 思えば今季は「レギュラーじゃない」と言って臨んだシーズンだった。1月の自主トレ公開の場では「今年は自分として、野球人生の勝負の年になると思います」と語り、「ここで駄目だったら辞めるしかないです」とまで言った。

 だが、今やその存在に誰も疑いの目を向けない。チームの規定到達者の中でトップの打率・295。100安打以上も1人だけ。三塁の守備も試合を重ねるごとに熟練さが増していて、鳥谷なしではチームは機能しない。

 10回の第5打席。福留の本塁打で勝ち越しに成功していたが、まだまだ手は緩めない。追加点が欲しい2死一塁で、外角変化球を左翼線にポトリと落とす二塁打を放った。得点にこそつながらなかったが、3試合連続の複数安打で2000安打まで残り27本。偉業達成への歩みも、ペースが上がってきた。(巻木 周平)