◇パ・リーグ 楽天7―0オリックス(2017年8月12日 京セラドーム)

 最大のピンチを脱しグラブを叩いて喜びを表した。4回1死満塁。楽天・則本は中島を三ゴロ併殺に打ち取った。「制球が良かったのでテンポよくいけた。打たせたいところに打たせられた」。その後も打たせて取る投球で0を並べ、5月10日のロッテ戦以来、今季2度目の完封勝利で11勝目を挙げた。

 今季、8試合連続2桁奪三振のプロ野球記録を樹立したドクターKが違った味を見せた。最大の武器・フォークボールが不調で「捕手と使わないでおこうと話した」と3回までは完全に封印。逆に緩いカーブを19球投じるなど緩急を使った。三振は7にとどまったが、打たせて取る投球で4安打に抑えた。

 勝利数は昨季に並んだ。1年目から5年連続2桁勝利を挙げる安定した成績は、投球の引き出しの多さだけではない。故障をしない体づくり。元々、柔軟性は高いが“赤ちゃんトレ”の成果も大きい。人間が生まれてから、立ち上がるまでの動きを理想とする考え方で、開脚前転などのマット運動を行い、日々の生活で失われたしなやかさを取り戻す意識を常に持っている。

 前回登板の8月2日の西武戦は6回6失点で敗れた。力みが原因だった。ただ、この日は意識的にリラックスし快投。「今日は(自分の状態を)第三者的に見えていた。前回があっての今日。改めて無駄な日はないなと思った」。エースに同じ失敗は許されない。そして、首位ソフトバンクから離されるわけにはいかない。 (黒野 有仁)