◇セ・リーグ 中日7―2ヤクルト(2017年8月13日 ナゴヤドーム)

 中日は投打でヤクルトを圧倒し、7日に乳がんで亡くなった長女・矢野麗華さん(享年35)の通夜に参列するため2回終了後にチームを離れた森監督に白星を届けた。

 指揮官が球場を後にした20分後だった。3回2死一、二塁でゲレーロが勝ち越し3ラン。「監督は今、娘を失って悔しいと思う。気持ちを楽にできるようにやっていかないと」。5歳の娘を持つ父親として、指揮官の胸中を思いやった一撃は球団では96年山崎以来となる両リーグ30号一番乗りとなった。4―2の6回には福田が勝利を決定付ける9号3ラン。先発の吉見も7回2失点と踏ん張った。

 代理監督を務めた森脇内野守備走塁コーチは「火曜(8日)から今日の2回まで監督がどんな思いでチームを離れず指揮を執ったか。どれだけの思いでチームを離れたか、皆が心に刻んで勝ちにいった」と振り返った。ウイニングボールは試合後に通夜に向かった友利投手コーチに託された。

 試合中、常に指揮官の隣に立つ森脇コーチは「監督は“どんなことがあってもCSに行く”と口にしていた。CSを勝ち抜くことが、ご家族の思いに応えることになる」と選手らの総意を代弁した。

 森監督の思いが乗り移ったチームは2連勝で3カード連続勝ち越し。愛娘を失った指揮官のつらさを和らげるには勝つしかない。 (徳原 麗奈)

 ▼中日・吉見(7回8安打2失点で7月18日以来の3勝目)監督が抜けるのは分かっていた。ぶざまな投球はできないと思った。

 ≪21年ぶり3人目≫ゲレーロ(中)がセ、パ通じ最多の30号。中日打者の両リーグ30号一番乗りは94年大豊、96年山崎に次ぎ21年ぶり3人目。来日1年目の外国人では01年カブレラ(西)以来、史上2人目でセ外国人では初めて。