◇第99回全国高校野球選手権第6日・2回戦 二松学舎大付14―2明桜(2017年8月13日 甲子園)

 2回戦4試合が行われた。二松学舎大付(東東京)は最速143キロ左腕・市川睦投手(3年)が8回1失点、打っても4安打1打点と活躍。同校では甲子園史上最多の14得点で明桜(秋田)に快勝した。天理(奈良)は神野太樹外野手(3年)が2打席連続本塁打。三本松(香川)と明豊(大分)も3回戦に進んだ。

 OBの広島・鈴木のキャッチコピーを借りよう。「神ってる」足技。二松学舎大付のエース市川がビッグプレーで自分を救った。

 8―0の6回。1点を失い、なおも1死二、三塁で4番の山口を迎えた。ピッチャー返し。土煙が上がった。左投げの市川は左足を踏み出す。その左を抜けた打球に対し、残った右足が出た。サッカーの「トラップ」の格好になり、ボールがふわりと上がって目の前に落ちる。拾って、本塁をアウトにした。

 「(打球が来た瞬間は)ヤバイと思ったけど、足に当たってよしっと思った」。中前に抜ければ2点打になった可能性が高かった。宿舎では鈴木から64人の部員全員に贈られたTシャツを愛用。先輩の「パワー」が乗り移ったのかもしれない。市原勝人監督は「安定していたので安心して攻撃に移れた。市川に尽きる」と称えた。

 打っても春夏計7度目の出場で同校史上最多14得点の猛攻をけん引。2回に中堅フェンス直撃の適時三塁打を放つと、4、6回に二塁打、7回には遊撃内野安打を連ねた。高校通算22本塁打の左腕は「打撃は自信を持っている」と胸を張った。

 父・陸男さん(49)と市原監督が知り合いで、小学生の頃から大会のたびに応援の手紙を書いていた。指揮官がエースとして臨んだ82年春は準優勝。「監督を甲子園で胴上げしたい」と、輝きの違う勲章をにらんだ。 (東尾 洋樹)

 ▼広島・鈴木(12年度卒OB)ホッとした。東京で優勝するという一つの目標は達成したんだから、あとはオマケくらいの気持ちで。楽しんでやったら結果もついてくるのでは。

 ◆市川 睦(いちかわ・あつし)2000年(平12)3月3日、東京都生まれの17歳。小1から野球を始め、練馬中央シニアでは3年春に全国大会出場。二松学舎大付では1年夏から背番号9。2年秋から背番号1。1メートル82、85キロ。左投げ左打ち。