◇セ・リーグ ヤクルト15−2DeNA(2019年8月14日 神宮)

 追いかける中堅手の遥か上空を越えていった。ヤクルト・山田哲が初回無死一、二塁から浜口の内角低めの141キロを豪快にバックスクリーンに運んだ。DeNA・ソトに並ぶリーグ2位の30号3ラン。「追い込まれてもいなかったのでフルスイングしました。感触は良かった。しっかり捉えられた」。4度目の大台到達。二塁手に限ればプロ野球史上最多となった。

 目標に掲げる2年連続4度目のトリプルスリー達成に向けて第一関門を突破した。「一つの目標を達成できて素直にうれしい」とほほ笑む。盗塁は中日・大島に並んでリーグトップの25と達成が視界に入る。打率は・281と厳しい状況だが、8月に入り13試合で51打数17安打で・333と調子を上げており、諦めるつもりはない。

 試合後は一塁側の観客と歓喜のタッチをかわしながら、クラブハウスへと向かった。夏休みのため、多くの子供たちと触れ合った。小学生時代、夏休みといえば毎日の朝練。朝7時半から約30分間、兵庫県内の自宅近くの公園に一人で行き、素振りや壁当てを繰り返した。「帰ってからはアニメの幽遊白書を見ていた」と冗談めかすが、幼少期からの努力の積み重ねが今の姿をつくり上げている。

 27歳の一発で勢いづいた打線は先発全員安打の17安打15得点で今季2度目の3連勝。小川監督は「山田の本塁打は大きかった」と振り返る。最下位で借金20と依然、状況は厳しいが、山田哲は「チームの勝ちにこだわりながら、(自身の成績にも)こだわって残りを闘いたい」。勝利に貢献するためにバットを振る。(黒野 有仁)