春の安田記念に続いてマイルG1春秋制覇を決めた。22日に84年の創設以来、初めて阪神競馬場で行われたG1「第37回マイルチャンピオンシップ」は1番人気の支持に応えたグランアレグリア(牝4=藤沢和)がV。名手ルメールは先週のエリザベス女王杯に続くG1勝利で今年早くもG1・7勝目。天皇賞・秋のアーモンドアイから続く、G1騎乗機会3連勝とし、今週末に行われる“世紀の一戦”ジャパンC(29日、東京)へ弾みの勝利となった。

 規格外の強さ。直線は力で強敵をねじ伏せた。検量室前に引き揚げてきたルメールは「頑張ったね」とパートナーの肩をポンポン。尋常じゃない汗の量が今回の死闘を物語っていた。

 前走スプリンターズS1着とは違い、スタート五分に決めたグランアレグリアは5番手を追走。人馬の呼吸はぴったり。「冷静に走っていたし、いいポジションを取れた」。当初予定していたイメージ通りの立ち回りで直線に入った…が、斜め前にいたアドマイヤマーズ、インディチャンプが壁になり、仕掛けが大きく遅れた。「スペースが空かなかった。あれは僕のせい。もっと早く外に出せば安全だった」と振り返る。ようやく進路が空いたのはラスト1F。外へと切り替えて、ムチを一発入れると一気にギアチェンジ。先に抜け出した昨年の覇者インディチャンプ(2着)をあっさり差し切り、史上8頭目となる春秋マイルG1制覇を達成した。ルメールは天皇賞・秋からG1・3連勝。マイルCSは17回目の騎乗で初制覇を決めた。

 「瞬発力が凄かった。とっても速かったです。彼女のおかげで勝つことができた。2歳、3歳と比べて競馬を分かってきたし、大人になりましたね。乗りやすいし、最後は必ずフルパワーを使ってくれる。まだ4歳だし、来年が楽しみ」

 これで安田記念からG1・3連勝。秋初戦のスプリンターズSを制し、スプリント&マイル路線の絶対女王に上り詰めた。着実に名馬の道を歩み続けるグランアレグリア。東京競馬場でレースを観戦した藤沢和師は「2歳6月から競馬を使わせてもらい、いつも一生懸命に走ってくれています」と感心しきり。底知れぬポテンシャルはまだ未知数。「(今後は)もう使うレースがないですし、来年もまたありますから」と年内休養を報告した上で中距離路線の参戦に意欲を示した。

 「1200メートルはなんとか勝たせてもらったが、(この馬)向きじゃないと思う。1600メートルを上手に走れるようになったというのが安田記念と今回でもありますから。もう少し(距離を)延ばしたいなと思っている」

 馬名の由来は「大歓声」。今秋から競馬場へのファンの入場が可能となり、制限付きの有観客競馬で再スタートしたものの、現状は声を上げるのは厳禁。グランアレグリアには来年こそ、大歓声の中で圧倒的な強さを見せてほしい。

 ◆グランアレグリア 父ディープインパクト 母タピッツフライ(母の父タピット)16年1月24日生まれ 牝4歳 美浦・藤沢和厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績10戦7勝(重賞6勝目) 総獲得賞金7億2021万5000円。馬名の由来は「大歓声」(スペイン語)。