◇セ・リーグ 巨人3ー0阪神(2021年4月8日 甲子園)

 本塁打が流れを変える、とはよく言われること。初回。今季初めて2番起用された巨人・坂本の先制ソロこそ文字通りである。

 「先制点だったので良かった。とりあえず一本出て良かった」

 一つ。自身の成績を変えた。秋山からバックスクリーン左に放った今季1号は12試合、45打席目と待望だった。打率・256だが「一本でも打てるように」ときっかけとする。

 二つ。低調な打線を変えた。4月の過去6試合は平均1・7点で、7試合ぶりの先制点が欲しかった。原監督は坂本ら野手8人中7人の打順を変更する荒療治を行った。大城を一塁に回し、捕手で炭谷を今季初起用。指揮官の「打線にカツを入れるという考え方」に今季初2番で応えた。

 三つ。チームの雰囲気を変えた。コロナ禍で主力4人を欠き前夜は今季初の2連敗。負ければ85年以来の阪神との開幕カード3連敗で原監督は「緊急事態」を宣言した。2番を務めてきたウィーラーは4日の試合直前に陽性判定。自身も昨年の開幕前に陽性判定で離脱した。今回、自身と同様に症状がないまま離脱した助っ人の無念さは痛いほど分かる。

 4回も連打から炭谷の中犠飛と打線がつながり、6試合ぶり3得点。原監督は「こんなもんではない。どんなメンバーであっても4点、5点取っていく」と先を見据える。同僚たちが戻るまで、坂本が打線をけん引する。(神田 佑)