J1鳥栖の運営会社が28日、2020年度の決算報告を行い、純損益7億1513万円の赤字を計上した。昨年秋の段階で見込まれていた10億円の赤字予想からは改善した。移籍金収入などが寄与した。経営を圧迫していたチーム人件費を前期より約12億円減らす大ナタも振るった。それでも6億9362万円の債務超過に転落し、経営は予断を許さない状況が続いている。

 広告、入場料、物販などの売り上げがコロナ禍の影響を受け大幅に減少。売上高は前期より約9億円減少し約16億5000万円。18年度の約6億円、19年度の約20億円に続く3期連続赤字決算。ただJリーグのコロナ特例によりライセンス剥奪は免れた。

 今後は債務超過解消へ第三者割当増資を計画し、経営再建を目指す。福岡淳二郎社長は「大型スポンサーは決まっていない」と認めた上で、「今期の売上げ見込みは20億円。まずは単年度黒字化を目指す」と語った。

 竹原稔前社長の取締役退任も発表。竹原氏は赤字を増資で補填(ほてん)し債務超過を回避してきたとされる。関係者によると、竹原氏や親族で所有していた過半数の株式全てを、主要株主の一つであるベストアメニティホールディングスに譲渡。かつて元スペイン代表F・トーレスら大物の補強で注目を集めた竹原氏は、これで実質的にクラブ経営から完全撤退となった。